私はなんとなく彼から何かを感じていた。昔からだ。野生の匂いのようなものというか、静かな情熱というか、執念深さのようなものだ。それはある種の人にしかわからないセクシーさとして感じられた。

男をひきつける所がある

漆黒の闇の中で恋人の手が見えない相手の輪郭を確かめるような艶かしい動作

桜のように色っぽい

体は細いけれど、胸やお尻は弾けるように肉が張っている。

二十一歳の肉体は、性への期待や憧れを、ゆるやかな潮の満ち干のように繰り返す

朝晩はすっかり冷え込むようになったこの時期に、胸元や腕や足を露出したデザインのワンピースとハイヒールという格好で、アカシア商店街を闊歩する夏美さんは、さながら、田舎町を映画のロケのために訪れた女優のように見えました。

街といっても原宿や渋谷でもない地方都市なのに、亜美ちゃんはファッション雑誌の撮影隊や芸能事務所の大人に声をかけられるようになり、わざわざ彼女の自宅にまでやって来て名刺を置いてゆく人も現れた。

とくにハンサムではないが、何かしら人目を引くものがある、前途有望そうな青年

年相応の皮膚の老いが、むしろやすらぎに思えた。