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手・指・爪の比喩を使った文章の一覧(107件)
爪を牛の血のように染めている女
レイモンド チャンドラー / 湖中の女 amazon
渋紙をもみつぶしたようなお婆さんの掌
川端 康成 / 掌の小説 amazon
親指の根元が蟹のはさみの肉のように隆起する
河野 多恵子 / 夢の城 amazon
手の先が蟹の身のようにピンク味を帯びている
北村 薫 / 水に眠る amazon
小さな指が綺麗に並んで、姉妹たちが肩を並べ合っているように可憐
中河 与一 / 天の夕顔 amazon
真っ白い手足が、ゆだったキャベツの茎のように浮き出る
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
働きぬいたため、指が成長を邪魔されたかのように先がちびてしまって、株っちょになる
壷井 栄 / 大根の葉 (1960年) amazon
猫の化粧のように両手で顔をこする
川端 康成 / 掌の小説 amazon
白い両掌の指が組み合わされ、ゴム製器具のようにしなう
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
真珠のように白く塗られた爪先
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
天眼鏡でのぞくと、手の甲の皮膚が、飛行機から見下ろす海面のように、細かい三角波が立ってみえる
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
それほど太っているというのでもないのに、手首がハムのようにむくんでいた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
鳥の首でもひねるみたいに、きっぱりとした的確な動作で瓶の蓋を開けた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
大きな分厚い手のひらだった。ところどころに傷がついている。それは身体の一部というよりは、巨大な重機の部品のように見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
小さな黒い手だった。日焼けが身体の芯まで浸みこんでいるみたいに見えた。長年にわたって屋外で働き続けてきた手だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
手のひらには、いつもと同じ何本かの深いしわが刻まれているだけだ。それは水銀灯の奥行きのない光の下では、火星の表面に残された水路のあとのように見える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
森の道案内をしてくれる善良な蜘蛛のように見える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
括(くく)り猿のような拳
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
渋団扇のような、両の掌(てのひら)
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
赤ぎれとひびと霜焼けが、塵芥と油に固められて、海老の甲羅のようないたましい手を作り上げているのだ。
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
古びた絹のハンカチのような、不気味な男の柔かい手の感触
林 芙美子 / うず潮 amazon
プラスティックでつくった玩具のように見えた。
富岡 多恵子 / ワンダーランド「富岡多恵子集〈3〉小説(2)」に収録 amazon
借りたけりゃ一晩五円払えと、土蜘蛛のようなカサカサに乾いた手を出した。
織田 作之助 / 世相「世相・競馬 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
水中で開いた睡蓮のような
長野 まゆみ / 少年アリス amazon
鉄梃(かなてこ)を見たような拳(こぶし)
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
春の独活(うど)のような指先を唇に当てて声を立てるなと、宗輔に命じて
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
蝋のように白く透き通った細い手足
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
能のような毛の生えた手
志賀 直哉 / 暗夜行路 amazon
君はまたひよわそうだな、手なんかそんなに纎(ほそ)い、白桔梗だね。
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
膝の上の右拳をびくりびくりとうごかしてくる。ちょうど蛇が鎌首をもたげるような恰好
中山 義秀 / 碑「碑・テニヤンの末日 (新潮文庫)」に収録 amazon
水にひたした兎の皮のようなしなやかな指先
安部 公房 / 他人の顔 amazon
逞ましい、グローブのような手
平林 たい子 / 大草原(大原富枝)「日本の文学〈第48〉平林たい子,大原富枝 (1969年)地底の歌・秘密・桜・他 婉という女・大草原・他」に収録 amazon
ふっくらとしてほの温いその手の甲に、ひさしは、和菓子の求肥を指先で撫でる時のような快さを感じた。
竹西 寛子 / 洋館の人達「兵隊宿 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
外国人の大きく白い手袋のようなふかぶかした掌のなか
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
手が女のように柔かい
庄野 潤三 / 庄野潤三 イタリア風「プールサイド小景・静物 (新潮文庫)」に収録 amazon
自分の右の五本の指の脇腹に編み込まれた藍子の柔かい五本の肉の若芽が、感覚上一つに纏(まとま)って、何か強力な吸盤のように感じられた。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
手の甲の皮膚は、飛行機から見下す海面のように、細かい三角波が立ってみえる。
向田 邦子 / 耳「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
手だけは年齢を偽らないという。清彦の手には網の目のような皺が深かった。
曽野 綾子 / たまゆら amazon
手は節だらけで八角金盤(やつで)のように広く大きい。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
きれいに形を整えて、丁寧に色を塗る。指の先に花が咲く。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
コンサート・ピアニストが意識を集中する時のように、両手をきちんとくっつけたままカウンターに並べた。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
指は長くしなやかで、肌は白く不透明でした。何度も品種改良され、温室で大切に育てられた植物のようでした。指のいろいろな部分に表情があるのです。薬指の爪が微笑んだり、親指の関節が目を伏せたり
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
桜の花弁を貼り付けたような淡い色の指先
高樹のぶ子 / その細き道(遠すぎる友) amazon
その他の人物を表す比喩表現
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