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好きの比喩を使った文章の一覧(156件)
秋雨の後の日射しを思わせる、いきいきとした顔色
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
水をそそがれた植木のように、生き生きとした顔色になる
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
言い放ちたい気持ちを熱い石のように抱く
黒井 千次 / 春の道標 amazon
牛が胃袋からもどしたものを楽しみに噛みしめているように、昔の思い出をもどし、その懐かしさを噛みしめる
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
体の芯がぼんやり光るように甘美にうずく
阿部 昭 / 千年 (1977年) amazon
生あたたかい波に揺られているような思い
阿久 悠 / 瀬戸内少年野球団 amazon
背骨のあたりが甘だるく溶けそうになる
向田 邦子 / 隣りの女 amazon
目の前に桃色の瑞雲たなびく気分に到達する
宮尾 登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃 amazon
自らの描く遠い夢をうっとりと見やるような表情
村松 友視 / 由比正雪〈上〉 amazon
遠くの音楽に聞き入っているような心持ちでうっとりする
佐藤 春夫 / 佐藤春夫 amazon
手綱を引き締めても引き締めてもはね出す奔馬のように、抑えようがない欲求
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
頭の中赤い警告ランプが回り始めた。@略@(しかし好奇心が上回って)頭の中で騒いでいる警告ランプにそっと黒い布をかけた。
七尾 与史 / 死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) amazon
好奇心でいっぱいになった少年のような表情で質問する
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
木つつきのように、何処へでも穴を開けて、そこへものを置きっぱなしで行く無慾な放浪の女心
林 芙美子 / 牛肉―林芙美子小説集 amazon
ガスに火をつけるみたいに、欲望の青い火がポッ燃え上がる
田辺 聖子 / 休暇は終った amazon
日頃尊敬していた男が暴力に逢うとどんな態度をとるものかと、ユダのような好奇心が湧く
横光 利一 / 機械 amazon
遠ざかれば忘れてしまうに違いない希薄な愛情が、薄ら氷のようにきらきら美しい
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
新芽の匂うような本能的なざわめき
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
二人の愛の熱度がシーソーのように上下する
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
フォルマリン漬けのオオサンショウウオのような、青黒いのっぺらぼうの暗い衝動
日野 啓三 / 抱擁 amazon
食欲がふわりとふわりと身体の中を動く
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
欲望と屈辱とに我が身がずぶ濡れになる
黒井 千次 / 春の道標 amazon
彼らの性はどこにもはけ口がない。言ってみれば、性の中に密閉されている、俘囚(ふしゅう)のようなものである。
外村 繁 / 澪標 (1961年) amazon
「チベットにある煩悩の車輪と同じ。車輪が回転すると、外側にある価値や感情は上がったり下がったりする。輝いたり、暗闇に沈んだりする。でも本当の愛は車軸に取りつけられたまま動かない」
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
人から愛されるということは、生ぬるい日向水(ひなたみず)に浸っているようなもの
福永 武彦 / 草の花 amazon
珍しい玩具を与えられた幼児のように、好奇心とやさしい笑みを浮かべている
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
世の母親が子供に注ぐ目は、牝雞の目のように近視で
平林 たい子 / 鬼子母神(平林たい子)「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
飢えが、ガスのようにわたしのなかに溜まり
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
張子の虎のように、首を突き出して、その話に加わってきた
獅子 文六 / てんやわんや amazon
むず痒いような悦びと愛とが起って来るのであった。それは「新緑が胸の中に萌え出るような感じ」であった。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
清らかな小川のように陽の光に美しく輝き、風に吹かれると無数の優しい小波(さざなみ)を立て@略@そうしたものをこそ、愛であると思い込んでいたのです。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
睡りから醒めたひとのように瞳を大きく
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
子供の時地中に埋めて久しく忘れ去っていた銀貨を、ふと思い出して掘りあてだようにうれしかった。
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
物の本の一章をめくるような興味と期待で、きいた。
司馬 遼太郎 / 国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 amazon
夕立がザアーとやって来て、霽(は)れあがったあとのような、すがすがしい気分
石坂 洋次郎 / 山のかなたに (1954年) amazon
獲物に飛びかかる飢えた狼のような衝動
伊藤 整 / 氾濫 amazon
着なれた着物に手を通したような懐しさ
倉橋 由美子 / 長い夢路「倉橋由美子全作品〈6〉 ヴァージニア・長い夢路 (1976年)」に収録 amazon
欲望の炎がむやみと燃え立った。
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
思い出してさらさら肩をすべる粉雪の音色をきいているようにその頃がなつかしい。
森田 たま / もめん随筆 amazon
手のなかの玉を傷つけられたようだった
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
愛の芽が須賀の中に芽ぶきはじめたのだ。
円地 文子 / 女坂 amazon
母親の本能が吐き出す霧のようなもので、相手の形をぼんやりぼやかして包んでいる
平林 たい子 / 鬼子母神(平林たい子)「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
拳のようになって喉の奥から突き上げてくる欲望の瘤(こぶ)
安部 公房 / 他人の顔 amazon
燃えるような欲望に身を焼きはじめて来たのだ。
中村 真一郎 / 遠隔感応 amazon
激しい欲望が、嵐のように彼を襲って来た
池谷 信三郎 / 橋 amazon
囚われの縄を解かれたような
山本 周五郎 / 青べか物語 amazon
結婚して苔に湧く水のような愛情を、僕達夫婦は言わず語らず感じあっていた
林 芙美子 / 魚の序文「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
何者か快いものに吸い込まれて行くような恍惚とした気持ち
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
初めて見る大歌舞伎に、官能をくすぐられて、まるでいいお酒に酔ったように恍惚とした。
小島政二郎 / 大月雪
子供をその温かい愛の翅(はね)で包むことが出来た。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
愛というものは、太陽のように明るく、輝かしく、神にも人にも、永遠に祝福されるべきもの
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
一日一日と、まるで仔犬が大きくなるように、愛も成長するものなのよ
村上 龍 / 恋はいつも未知なもの amazon
蝶のようにすべての生命に祝福の接吻を与えながら楽しげに飛び廻る優しい「愛」
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
おまえみたいな真面目な男はだ、生きているだけで毎日毎日必死だから、ちょっと若い女を見ると感動してしまうんだよ。炭坑から出てきたばかりの男が日の光にうっとりするようなものだ
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
とどきますか、とどきません。光りかがやく手に入らないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。とどきそうにない遠くのお星さまに向かって手を伸ばす、このよくばりな人間の性が人類を進化させてきたのなら、やはり人である以上、生きている間はつねに欲しがるべきなのかもしれない。みんなの欲しがる気持ちが競争を生み、切磋琢磨でより質の高いものが生みだされていくのですね。でも疲れたな。まず首が疲れた。だってずっと上向いてるし。いつからだろう、さらなる飛躍という言葉が階段を駆けのぼるイメージではなくなり、遠くで輝くものを飛び上がってつかみ取り、すぐに飽きてまるきり価値のないものとして暗い足元へ放る、そしてまた遠くへ向かって手を伸ばす、そのくり返しのイメージに変わってきたのは。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
お店に入ってもどの服を買うかすぐに決められなくて、熟考しているうちにお目当てが売り切れてしまうタイプの私だけれど、中学二年生の教室ではたくさんのクラスメイトがいるなかで、イチを見つけたとたん、すらりと好きになり、心のなかで即決で彼を買った。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
本気で私に愛想をつかしてほしい。会社で会って私が話しかけても無関心な瞳で普通に言葉を返すだけになれば、私はつめたい大理石のうえに寝そべり、石の表面に自分の体温がほんのりと移っていくようにニのことを好きになるかもしれない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
気が合えば合うほど、二人の間の永遠に縮まらない距離が浮きぼりになる。気が合う、だからなに? ふつうよりちょっとだけ距離の近い平行線、なんの火花も散らなければ、なんの化学変化も起こらない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
本当にイチが大好きだと痛烈に感じた日、いつもの学校の帰り道がちがって見えた。五感の膜が一枚はがれたように、いつも見ている電線ごしの青空が急にみずみずしく見え、家の近くのケーキ屋さんから流れてくるバターの溶けた甘いスポンジ生地の香りが鼻をくすぐった。一日分の教科書が入ったかばんはいつもより軽く、道路を駆けぬけてゆく車のスピードさえ心地良い。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
心に火が点いていた。 現場に飛びたい。 それは大きな発火ではなかったが、導火線を走る火種のように爆発の予兆を孕んだ願望だった。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
佐山は猟犬のごとく獲物を追いたがって前脚で土を搔いている。その首輪を辛くも押さえている。悠木の心境はそんなだった。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
痛みは動物を凶暴にする。あたしは、ケガをした野良ネコが、毛をさかだてて牙をむくように、凶暴になった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
固くカギをしめて、心の奥に埋めておく。あたしの心が疼く。好奇心だ。カギを開けてのぞき見したいと疼く。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
聞いてもらいたいこと、知りたいことが溢れてくると、がまんできなくなる。胸の中に風船があるみたいに、胸の中の何かが膨らんでくるのだ。胸の中で膨らんだものをそのままになんかしておけない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
鼠(人名)はおそろしく本を読まない。@略@僕が時折時間潰しに読んでいる本を、彼はいつもまるで蠅が蠅叩きを眺めるように物珍しそうにのぞきこんだ。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
彼女は素晴しかった。3フリッパーの「スペースシップ」……、僕だけが彼女を理解し、彼女だけが僕を理解した。僕がプレイ・ボタンを押すたびに彼女は小気味の良い音を立ててボードに六個のゼロをはじき出し、それから僕に微笑みかけた。@略@ボールが彼女のフィールドを駆けめぐるあいだ、僕の心はちょうど良質のハッシシを吸う時のようにどこまでも解き放たれた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
まっくらな海でおぼれ、息ができなくなり、暗やみに溶け込んでしまいそうで。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
二十歳の久遠は、好奇心旺盛な犬のようだった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
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