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目・瞳の比喩を使った文章の一覧(424件)
暗い部屋のせいか、とも子の大きな眼はまるで二つの黒い穴のようになって
宇野千代 / 色ざんげ amazon
彼の眼は森にすむ獣のそれのように底から燃えあがってくる精力を湛えている
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
兎の眼のようなおじけづいた、心配そうな眼
小島信夫 / アメリカン・スクール amazon
眼の奥には追いつめられた動物のそれに似た必死な光りが籠っていた
石坂洋次郎 / 麦死なず amazon
まるでブヨブヨした水晶体から指をつっこんで脳味噌を手探りするような眼つきで睨んで
安岡章太郎 / 驢馬の学校 amazon
天井を向いたっきり、その大きく開いた眼を、自分の頭蓋骨の内部でも凝視しているように、じっと据えて
葉山嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
異国のニュース番組を見るような表情で僕を見つめる
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
目はステンレスのように冷たく光って
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
借金を踏み倒した人間を見るような目
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
猜疑心を漲らせたような鋭利な眼光
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
瞳は不自然なくらいに澄んでいて、向こう側の世界がすけて見えそうなほど
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
その目は何も語りかけてはいなかった。@略@どれだけ見つめてもその奥に何かをみつけることはできなかった。僕の顔と彼女の顔はほんの三十センチくらいしか離れていなかったけれど、彼女は何光年も遠くにいるように感じられた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
まるでボール紙に絵の具塗って描いたみたいに平板なのよ。奥行きがなくて。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
秘密の視線の雨滴が、首すじに冷たく感触される
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
背後から、視線が冷たい陰気な雨のように背中を撫でる
小林久三 / わが子は殺人者 amazon
黒目勝ちに澄んだ双眸が、濡れた雨後の日光のような輝きをほとばしらせる女性
久米 正雄 / 学生時代 amazon
目が皺くちゃな顔の中に澱んだ二つの水たまりのよう
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
眼が、噛みつきでもするような異様な光を帯びる
山本 周五郎 / やぶからし amazon
長い睫(まつげ)で埋まってしまいそうな、雪の中のふかい泉みたいな眼
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
粘性の糸でからめ取るような視線
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
戦いを挑んでひけはとらないぞというようなぎらぎらした目
幸田 文 / おとうと amazon
目にひたむきな情熱と頑固さと負けん気が、闇の中の犬の眼光みたいにぎらつく
宮本 輝 / 夢見通りの人々 amazon
眼の上に、芋虫を半分に削いで貼りつけたような太い畝(うね)がくねくねと動いて浮かび上がる
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
兎の眼のようにおじけづいた心配そうな眼
小島 信夫 / アメリカン・スクール amazon
兎の眼のように、触れるとこわれそうな眼
泉 優二 / さよならと言ってくれ amazon
黒い潤いのある瞳が嵐のように渦を巻く
高橋 三千綱 / 涙 amazon
干した貝が水にほとびるように両方の目に潤いが出る
森 鴎外 / 山椒大夫 amazon
追いつめられた動物のように目を光らせる
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
目が感覚を扇のように拡げる
川端 康成 / 掌の小説 amazon
消えかかった燠がぱっと炎をあげた時のように眼が輝く
大庭 みな子 / 幽霊達の復活祭 amazon
子煩悩な父親のように目を細くして眺める
三浦 哲郎 / モーツァルト荘 amazon
目の白い部分に朝の光があたり、瞳を少年のように潤いのあるものに見せる
高橋 三千綱 / 涙 amazon
眼に少女のような未知の湖に対するあこがれがかすかに浮かぶ
原田 康子 / 挽歌 amazon
童女のような澄みきった、単純な、それでいてみつめられたものをまどわせるような瞳
永井 路子 / 朱なる十字架 amazon
貝の身のように中からそっと覗いているむっくりとした眼の玉
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
蜆(しじみ)貝のような目の縁に涙をためる
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
泥の中の田螺(たにし)みたいな眼
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
涙の涸(か)れた女の目が、ひび割れた鏡のように白くなる
高橋 三千綱 / 涙 amazon
檻の中の動物を覗き込む小学生のように、どんな小さな動作にも可笑しさを発見しようとして眺める
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
眼に、陽炎のような希望の色が見える
福永 武彦 / 草の花 amazon
強い凝視を白羽を合わせたように見つめ返す
円地 文子 / 渦 amazon
暗中に卒然として白刃を見る思いがする視線
夏目 漱石 / 門 amazon
閉じた眼が悩んだ顔に切り傷のようについている
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
眼鏡がそれ自体発光体のようにきらめく
森 瑤子 / 傷 amazon
仔猫をねらわれた雌猫のような烈しい瞳のきらめき
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
無造作に杭を打ちこむような乱暴な視線
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
軽蔑の視線が執念深い鏃(やじり)を無数に突き刺す
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
泣くとドブから水が溢れるように、形のはっきりしない涙がジワジワビショビショとにじむ目
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
大きくて臆病な獣みたいに、潤んだ目でおそるおそる近づいてくる
古井 由吉 / 杳子・妻隠(つまごみ) amazon
鳥のように目だけがけわしい
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
鳶色の目の中に黒曜石のような瞳が輝く
内田 康夫 / 風葬の城 amazon
空気銃で撃たれた小鳥のように眼を丸くする
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
まーるい眼が若い魚のようにくりっと張っている、きれいな女性
灰谷 健次郎 / 太陽の子 amazon
瞬きを忘れた魚の目のように精気のない目
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
陰鬱な地獄の火のように輝いている眼の険しさ
久米 正雄 / 学生時代 amazon
上と下の瞼(まぶた)が磁気を帯びたように両方から近づく
ジュール・ルナール / にんじん amazon
湯から上がったときみたいな湿りを目の周りに持った女
宮本 輝 / 星々の悲しみ amazon
涙の涸れた女の目が、ひび割れた鏡のように白くなる
高橋 三千綱 / 涙 amazon
蜃気楼を見るように目を見張る
佐藤 春夫 / 創作〈2〉 amazon
子牛の瞳が深い湖の色をたたえて、青紫の水晶のよう
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
すすきで切ったような細い眼
新田 次郎 / 芙蓉の人 amazon
物理的に理屈の通らない風景を検証するみたいに
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
その目には表情がなかった。まだ何も刻まれていないまっさらな石版を見つめている人のように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
目は鋭く、生気を含んでいた。その目は僕に夏の光を思わせた。鋭く水中に差し込んで屈曲し輝いて散るあの夏の光。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
透明なコップに満たされた汲立ての水を、まるで我身に禁じられた快楽のように、やるせなさそうな目で見つめている。
古井 由吉 / 水 (1980年) amazon
通りを眺めている。翳りのない宝石のような瞳で。わたしはどうしてもそれを自分のものにしたかったのだ。宝石と、その台座を。
椎名 桜子 / 家族輪舞曲(ロンド) amazon
白いガウンを着たチャンピオンの登場を見るように眩しげな眼つきで彼女を眺めた。
石原 慎太郎 / 太陽の季節 amazon
彼女は毀(こわ)れた人形みたいに両眼をポッカリあけて
安岡 章太郎 / ガラスの靴 amazon
冬の夜空で星が瞬くように、眼光が鋭くなる
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
遠くの雲の流れを観察するような目でひとしきり彼の顔を見た。あるいは覚えの悪い犬の使いみちを考えているような目で。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
何かの学説を検証するみたいに目を細めた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
瞳は曇ったガラス窓を思わせた。のぞき込んでも内側がよく見えない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
その少女は何かの抜け殻のよう
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
目つきは深く、鋭い。狩猟をする獣の眼球のように、必要のない動きを見せない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
その表情を欠いた一対の目は、軒下にふたつ残されたからっぽのツバメの巣を天吾に思わせた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
外国語で書かれた理解できない告示でも読んでいるみたいに
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
彼女は自分が激しく見つめられていることを感じた。的確で精密な視線だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
男は彼女を熟視するのをやめた。彼女はその視線が急速に力を失っていくのを感じた。まるでホースで水を撒いているときに、誰かが建物の陰で水道の蛇口を閉めたみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
古代の氷河のような光を放っている一対の目
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
船幽霊の歌声を聞き取ろうとしている水夫のように真剣に目を細めていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
瞳がびっくりするほど深く澄み渡っている。@略@透き通っていながら、底が見えないくらい深い泉のようだ。長くのぞき込んでいると、中に自分が吸い込まれてしまいそうだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
落ちくぼんだ目をまぶたで閉ざしているだけだ。鎧戸を重く下ろした不幸な家のように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
目は深く落ちくぼんでいる。何かの部品が外れて、眼窩が眼球を支えきれなくなり、ごっそり陥没してしまったように見える。仮に目を開けても、そこに見えるのはきっと穴の底から世界を見上げるような光景に違いない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
氷河の奥に閉じこめられた古代の小石のような目でじっと小松を見つめた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
木から落ちた猿に会ったかのような、同情を浮かべつつ軽んじる表情
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
黒目がちの目が、井戸のようだった。底が見えず、音の反響する井戸、だ。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
交響曲の演奏でも味わうかのように目を瞑り
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
彼女は目を細めて、縁側で眠る猫さながらの穏やかな表情になる。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
眼だけは老いた鷹のようにするどく光ってみえた。
田宮 虎彦 / 足摺岬 amazon
眼は黒い宝石のような潤んだ光沢(つや)を持ち
永井 荷風 / あめりか物語 amazon
瞼が花弁のように閉じ、また見開かれてから閉じた。
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
草むらの蛇の眼のように冷たく光っていた。
田宮 虎彦 / 土佐日記「落城・足摺岬 (新潮文庫)」に収録 amazon
何度見ても細い目だなと思う。目というよりあかぎれである。
向田 邦子 / だらだら坂「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
きょとんとラッコのような眼で
大庭みな子 / 啼く鳥の amazon
目が殺気立っていて、そのくせネズミみたいな臆病な光をこもらせていた。
古井 由吉 / 弟「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
閉じた眼が悩んだ顔に切り傷のようについていた。
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
世の母親が子供に注ぐ目は、牝雞の目のように近視で
平林 たい子 / 鬼子母神(平林たい子)「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
血走った燃えるような巨きい眼
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
やさしげに閉じられた瞼の底から針のような光がのぞいた。
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
昔のことを編むための美しい糸をたぐりよせるような遠い瞳
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
霞ませた瞼の下で白川の瞳が暗い水のゆれるような光を湛えている。
円地 文子 / 女坂 amazon
人馴れぬ獣のように疑い深い眼つき
水上 瀧太郎 / 山の手の子「俤 (百年文庫)」に収録 amazon
研ぎ澄まされたような鋭い光りを含んだ小さい眼
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
木の実を嵌めたように固い、きびしい目附で見まもっていた。
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
持主のない鏡のような佐喜枝のうつろな瞳
田宮 虎彦 / 銀心中 (1956年) amazon
ひどく小さな眼は、ニカワのような黄色みをおびて
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
睡りから醒めたひとのように瞳を大きく
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
腕、肩、首と蝸牛(かたつむり)のように移動させていき
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
「障子の穴」という渾名であった。眼のかたちが障子の穴のように妙に小さく無造作で
牧野 信一 / 鬼涙村 amazon
かぶと虫の色をした里い瞳
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
ほけた芒(すすき)の穂のような光のにぶい腫れぼったい眼
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
壁のように青みがかった白目
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
同僚者達の好奇的な視線を蠅のように煩しいものに感じながら
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
鳥のように見ひらいた眼
野上 彌生子 / 哀しき少年「野上彌生子全小説 〈8〉 哀しき少年 明月」に収録 amazon
棘のように降りかかってくる、他人の眼
安部 公房 / 他人の顔 amazon
硝子玉のように気味悪く光る瞳
梅崎 春生 / 桜島 amazon
眼は、八月の空をのぞかせたように深く澄みわたっている
森田 たま / もめん随筆 amazon
荒れた眼つきをしてケダモノかのようにどんどん帰って行く生徒
中野 重治 / 歌のわかれ (1956年) amazon
彼女たちの媚びの眼くばせは、繰り返し押しよせてくる波に風が乱れるよう
中村 真一郎 / 遠隔感応 amazon
眼の下の袋のようなたるみ
大岡 昇平 / 花影 amazon
玻璃(がらす)細工のような瞳でアリスを見ている。
長野 まゆみ / 少年アリス amazon
ギョロリと、鯥(むつ)のような大きな眼玉
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
眼は濡れた椎の実のようにつやつやと光っている
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
眼がほとんどただの、里いかたまりになった、それはかぶと虫のようである。
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
少女は銀目の猫のように碧い眼をみはって
森田 たま / もめん随筆 amazon
その眼は餌を覗う獣の眼のように光っていた。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
星ばかり映して居る深山の湖のような眼
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
生牡蠣のように白濁した眼
筒井 康隆 / 夢の木坂分岐点 amazon
骨を刺すような非寛容な瞳
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
干した貝が水にほとびるように、両方の目に潤いが出た。
森 鴎外 / 山椒大夫 amazon
軽い疑いの雲がかかった。
夏目 漱石 / 明暗 amazon
日向の猫のように細い眼をして
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
牡蠣みたいな白眼をむいて
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
間崎の顔をたてよこに眺めまわした。それにつれて間崎は顔の上に青い条痕が曳かれるように感じた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
海のような非情な反逆者の眼差(まなざし)
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
大きな眼玉を蜻蛉(とんぼ)のようにくるくる廻した。
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
母親の本能が吐き出す霧のようなもので、相手の形をぼんやりぼやかして包んでいる
平林 たい子 / 鬼子母神(平林たい子)「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
眼が鈴のように丸くって大きく、常にくるくる動めいている
黒島 伝治 / 渦巻ける烏の群 amazon
潰(つい)えた目尻に固まった目脂と血が瑪瑙(めのう)のよう
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
濁りない眼は暗夜の星のように貴い
森田 たま / もめん随筆 amazon
軍人の目つきだと思われるものが、恭吾の穏和な容貌に、流星のように光って、また消えた。
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
大豆の粒のような両眼
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
白い膜をもって掩(おお)われたような眼
長塚 節 / 土 amazon
冷酷な、動いたことのない意志そのもののような眼
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
背の割りに小ぢんまりして見える顔に、瞳が無表情に大きく、染附けか何かの、細長い瓶(かめ)を感じさせるようなところがあった。
永井 龍男 / そばやまで「新潮日本文学 (18) 永井竜男集 石版東京図絵 一個 青梅雨 そばやまで 等」に収録 amazon
涙に洗われた大きな眼と紅色の貝殻のように腫れている瞼
宇野 千代 / 色ざんげ amazon
篠(しの)で切ったような細い目
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
眼が小石でも填(う)められたように疲労して
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
眼が薄ぐもりの河の底のように光り
岡本 かの子 / 鶴は病みき amazon
鯨のように小っちゃい眼
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
瞳だけは刃のように澄みきっている
菊池 寛 / 藤十郎の恋 amazon
兎のように赤い眼の玉
武田 麟太郎 / 日本三文オペラ「日本三文オペラ―他八篇 (1955年) (河出文庫)」に収録 amazon
青蓮華(しょうれんげ)のような切れの鋭い眼
岡本 かの子 / 家霊 amazon
大きな顔の端っこのほうに、飯粒のように白くくっついた小さな眼
上林 暁 / 薔薇盗人「昭和文学全集〈14〉」に収録 amazon
瞳は梟のように大きく
高峰 秀子 / 旅は道づれガンダーラ amazon
二人の眼と眼が結び合って、酸素熔接の火花のようなものを飛ばした。
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
少年は龍二から、実に巧みに、すりぬける小魚のようにその長い睫(まつげ)の視線をそらして、説明をつづけた。
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
西瓜(すいか)の種子みたいに小さいが黒光りする目
向田 邦子 / かわうそ「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
小さな鳥が打ちまくられて地上に墜ち哀しく羽搏(はばた)きしているような、そんな感じの瞬(またた)き
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
どぶ鼠のように、おずおずした眼つき
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
死にかけた子猫を見るような同情にあふれるまなざし
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
房子は昆虫が翅(はね)を畳むように、長いよく揃った睫(まつげ)を伏せた。
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
処女湖のような澄みきった、親切な目
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
破れるように大きく眼を瞠(みは)った。
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
目つきはよく言えば鋭く、悪く言えば常に疑わしげで、爬虫類のようにギョロギョロと動く。背中が丸まっているせいで、人の顔を見る時はどうしても下から窺うようになり、初対面の人には十中八九不快な印象を与える。
蛇のように細く、鋭い目つき
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
暗い眼差しは、底の見えない壺に広がる空洞のようだった。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
軍人のように頑なな目
池井戸 潤 / 民王 amazon
瞳は罅割れた皿のよう
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
怒りの焰(ほむら)が灯った。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
眼光は鋭利な刃物を連想させた
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
目元で癇癪玉を破裂させている
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
キラキラ輝く大きな瞳は、@略@夏の陽射しをカーテン越しにとらえ、秋の夕焼けに染まり、その瞳は季節を映す鏡のよう
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
黒目がうろうろ動いている。被写体を絞り切れない下手なカメラマンのように、あたしたちの間を視線が泳ぐ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
小刻みに震えながら僕を眺めていた。まるで救命ボートの上から沈んで行く船を眺めるような目つきだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
彼女は胡散臭そうに僕を眺めた。床に落ちたドーナツでも眺めるような目付きだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
彼の目つきは、精神科医というよりも患者のように怯えていた。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
間違いなく微笑みでありながら、彼の印象的な眼差しのせいで、桜の花びらのようにもろく繊細な表情に見えた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
四角い眼鏡をかけた医師は無表情でトカゲのようにも見えた
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
「慎一はその男に連れて行かれたのね」雪子の目が鋭くなった。子供に襲いかかろうとした敵に立ち向かおうとする肉食獣の顔になる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
あたかもガラスで作った義眼のように動く能力を失っている
夏目漱石 / こころ amazon
ぐったりして野ウサギの目のような充血して力ない眼
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
底知れぬ闇の世界へ引っ張られるような、奇しくも甘い眼つき
長与善郎 / 青銅の基督 amazon
閉じた瞼が月の光に青白く照らされて、大きい花びらのように見える
円地文子 / なまみこ物語 amazon
逃げた飼い犬を見るような眼付
夏目漱石 / 行人 amazon
人形めいた表情に生物らしいアクセントを与えている二つの眼
吉行淳之介 / 原色の街 amazon
瞳の光は冬の湖のように冷たかった
木山捷平 / 河骨 amazon
星の如く澄んで微塵の濁りも見えぬ子供のような綺麗な瞳
長与善郎 / 青銅の基督 amazon
目と火が重なった瞬間、彼女の目は夕闇の波間に浮かぶ妖しく美しい夜光虫であった
川端康成 / 雪国 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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