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頬・ほっぺの比喩を使った文章の一覧(53件)
両の頬が老婆の乳房のように垂れさがっている
井伏鱒二 / さざなみ軍記 amazon
ゴム鞠(まり)のようにふくらんでいた頬は内側からすっかり肉をえぐりとられたように凹んで
安岡章太郎 / 海辺の光景 amazon
どれだけ運動をして頬の肉を削っても、うっすらと雪が積もったように見えるこの柔らかい肉のヴェールだけは絶対に落とすことができない
村上春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート(プールサイド) amazon
色褪せた花びらのように青白い頬
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
産毛のある頬のあたりが若い桃のようにういういしい娘
山本 周五郎 / やぶからし amazon
眼が深くくぼみ、頬はこけて、頭蓋骨に直接、皮膚をかぶせたように見える男
三浦 朱門 / 犠牲 amazon
頬が桜貝のように淋しく淡く紅さしてゆく
檀 一雄 / リツ子・その愛 amazon
芸者ふうな肌理に月光が貝殻じみたつやを出す頬
川端 康成 / 雪国 amazon
鋭い鏝(こて)をあてたみたいに頰がまっすぐ切り立った、若い男の顔
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
筋骨はひきしまって痩せ、秀麗な額を持ち、白樺のようにすっきりしていた。
山田克郎 / 壮士行
頬は少しふっくらとしており、そのふくれ具合が、不満を抱える指導者のようにも見え
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
両頬が深い穴のように落ち凹(こ)け
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
鑿(のみ)で一えぐりして出来たかのような滑らかなしまった頬
若い人「日本文学全集〈第25〉石坂洋次郎集 若い人(1966年)」に収録 amazon
痩せた婆さんで、引込んだ眼や、こけた頬や、それが謙作に目刺(めざし)を想わせた。
志賀 直哉 / 暗夜行路 amazon
両頬に紅い丸を描いた孔雀のような女
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
ブルドッグそっくりの頬のたるみ
曽野 綾子 / 遠来の客たち amazon
半さんは痩せ形で、顔は三角に近い。見る人によっては秋の野原で頻繁に出くわすかまきりの面を思い起す。
猟師と兎と賭と「現代日本文学大系〈92〉現代名作集 (1973年)」に収録 amazon
頬はさくらんぼのように染まって
森田 たま / もめん随筆 amazon
水蜜桃のように生ぶ毛の生えたあの頬
広津和郎 / 再会
頬は滑り落ちるようにこけて
夏目 漱石 / 道草 amazon
ぱったりした頬は林檎のように紅(あか)かった。
徳田 秋声 / 縮図 amazon
頬ぺたが苺のように赤かった。
木山 捷平 / 初恋「落葉・回転窓 木山捷平純情小説選 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
彼女の頬から顎にかけての輪郭は白くてふわふわしてつついたら指の跡がつきそう、まるではんぺん、年下の人たちの輪郭はもっと荒削りだと思っていた、でも彼女のは少し固めのヨーグルト、乳清の透明な膜が浮かび上がってきてもおかしくない。
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
ひどく瘦せているくせに、褐色の肌をした易者は、ファラオの墓からよみがえったばかりのミイラのようで、どこか神秘的な雰囲気がした。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
甥っ子は眠っていて、頬に人差し指で触れると水ぶくれを撫でたような奇妙な柔らかさを感じた。
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
子供の頬に触れる。それはやわらかい、生命そのもの、未来そのものの感じである。
椎名麟三 / 永遠なる序章 amazon
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