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肌の状態の比喩を使った文章の一覧(84件)
汗が額からまぶたに流れ落ち、真珠のようにぶらさがる
中上 健次 / 枯木灘 amazon
乱れた髪の毛ごとに伝いて落ちるかと思うように、汗が玉をなして垂れる
長塚 節 / 土 amazon
汗が背中をなめくじになって滑り落ちる
高橋 和巳 / 捨子物語 amazon
ポロシャツの裏の胸をくすぐって、幾匹もの汗の虫が気持ち悪く這い下りる
黒井 千次 / 群棲 amazon
空気に溺れる魚のように不快な汗をかく
大原 まり子 / イル&クラムジー物語 amazon
包み紙の中でべたべたになる林檎糖のように汗をかく
ジュール・ルナール / にんじん amazon
裸体がしとどの汗に濡れ、水をかけられたよう
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
試合後のボクサーみたいに髪も顔も汗でぐっしょり
七尾 与史 / 死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) amazon
赤黒い少女の乳首のようないぼ
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
短い、赤い無数の血管がすけていた。赤い、小さな蛆虫の群のようだ。
大庭 みな子 / 幽霊達の復活祭 amazon
乱れた髪がべったりと海藻のように、汗の滲んだ額にへばりつく
藤本 義一 / やさぐれ刑事 amazon
タワシのようなこわい胸毛
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
白い皮膚の下に薄い紫の血管が、大理石の斑紋を想わせるように、ほんのり透いて見える凄艶(せいえん)さ
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
額から黒い脂汗がコールタールのように流れる
木山 捷平 / 苦いお茶 amazon
ふやけて白くなった垢が、こよりみたいに何本もめくれて落ちる
阿部 昭 / 千年 amazon
白い肌は、しっとりと蒼白く冴えて、糸のような青い血脈を浮かせ
大原 富枝 / 婉という女 amazon
はがした魚の皮をかぶっているような感じ
安部 公房 / 他人の顔 amazon
母の形容によれば「松かさのように」頭から顔からいちめんふきでものがした
中 勘助 / 銀の匙 amazon
豆を撒いたようにニキビの吹き出た額
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
汗は澱粉(でんぷん)をまぶしたようにさらさらしていた。
安部 公房 / 他人の顔 amazon
額から流れおちる滝のような汗
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
火傷の部分に剃刀でも走らせたような疼痛が走った
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
汗が体いちめんをゴム膜のようにおおっているのを感じていた。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
ねばっこい油のような汗
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
色の白い彼の肌にそれは牡丹の花弁のようにバッと紅(あか)く浮き上っている。
島木 健作 / 癩 amazon
夏蜜柑の皮のような満面のニキビ
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
ビールの汗で、私は湿ったオブラートに包まれたようにベトベトしていた。
葉山 嘉樹 / 淫売婦 amazon
神さまが拵(こしら)えた時、天才のレッテルを貼ったのかも知れません
佐々木 邦 / 奇人群像 amazon
顎のところに赤黒い少女の乳首のようないぼをぽつんとつけている
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
乾葡萄(ほしぶどう)を思い起させるような大きなイボ
宮地 嘉六 / 煤煙の臭い「宮地嘉六著作集〈第1巻〉 (1984年)」に収録 amazon
繃帯の隙間を、ねばねばした汗が、虫のように這いずりはじめる。
安部 公房 / 他人の顔 amazon
痩せた腕に、里い血管が縄のようによじれて膨れ上がっている
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
乳房から水落(みぞおち)へかけてのあざは蝦蟇(がま)のように具体的な記憶になっている。
川端 康成 / 千羽鶴 amazon
大きな汗がにじんで、頬の方に玉のように流れ落ちていた。
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
水蜜桃のように生ぶ毛の生えたあの頬
広津和郎 / 再会
顔が平べったくて、おまけに雀斑(そばかす)が附いていて胡麻のくっついた煎餅にたいへんよく似ている。
小沼 丹 / 村のエトランジェ amazon
さす針、ぬく針の度毎に深い吐息をついて、自分の心が刺されるように感じた。
谷崎潤一郎 / 刺青「刺青・秘密」に収録 amazon
腹の真中で太い太い血管が蛇のようにのたうっている
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
青すじまでが、みみずのように。
郡 虎彦 / 道成寺(一幕劇) amazon
ひどいお仕置をされた。紫色のあざが牡丹の花のいれずみのように、半年経ってもまだ消えなかった程ひどく
森田 たま / もめん随筆 amazon
まるで森林のように毛深い脚
林 芙美子 / 清貧の書 amazon
Tシャツの胸の辺りは汗染みで赤ん坊の涎掛けのよう
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
10円硬貨ほどのソースをこぼしたようなしみ
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
汗だけが小さな生き物のように皮膚の上をじりじりと移動をする。これの感触はかゆみに近しいな。
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
子供があんこで口の端を汚したように口の周りに黒いシミがある
谷崎潤一 / 細雪 amazon
全身あせもだらけでゆで小豆の中に落ちた人形のよう
宮本百合子 / 風知草 amazon
左の頬から顎にかけて赤子の掌ほどのシミがある
野上弥生子 / 秀吉と利休 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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