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対立・敵対の比喩を使った文章の一覧(57件)
小鳥が石つぶての雨のように襲いかかる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
焼夷弾が雨のように火の尾を曳(ひ)いて降りそそぐ
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
艦砲射撃と爆撃で鉄の雨を降らせる
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
犬の噛みあいのような勝負
武者小路 実篤 / 友情 amazon
餓えた虎が獲物を求めるように戦う
井上 靖 / 風林火山 amazon
爆撃機が、群がる鴉(からす)のように、執拗な襲いかかりで町を破壊する
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
喉元を短剣で突きつけられているよう
泉 優二 / さよならと言ってくれ amazon
目の前に短刀を突きつけられているような気持ち
三浦 綾子 / 続 氷点 amazon
狐火のような焔が暗い空からチョロチョロ這い降りて来ては、ぱっと地上に燃えつく焼夷弾
山崎 豊子 / 暖簾 amazon
利害の溝をはさんで牙をむき合う対立
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
戦争というものは、人間の生命をまったくごみのように無視して成立する
福永 武彦 / 草の花 amazon
爆撃機が、群がる鴉のように、執拗な襲いかかりで町を破壊する
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
ありとあらゆるものが沸騰し揉み返す、まさに修羅場ともいうべき決戦のさなか
山本 周五郎 / やぶからし amazon
この数日の戦闘に彼らは蠅のように容易に、蠅のようにきりなく殺されていった。
石原 慎太郎 / 行為と死 amazon
みんなが野良犬のように眼の色をかえ、いつもいがみあっている。
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
前線では激しい銃撃戦が繰り広げられており、腕や脚や目を失った人々が、見捨てられた亡霊のように通りをさすらっていました。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
手の内のカードを全部さらすのは牛河のやり方ではない。小さな数の札はちらりと見せてもいい。しかし大きな数のカードはしっかり伏せておく。そして何ごとにも保険というものが必要になる。
村上 春樹 / 1q84「1Q84 BOOK 3」に収録 amazon
老婦人は顔を伏せてちぢこまっているが、別にしょんぼりしている様子でもない。四十年も五十年もこの調子でどなりつけられてきて、何も感じなくなっているのだろう。@略@
(婆さんが言う)「すみませんねえ。うるさい、きたない年寄りで……」 テーブルの下の棚から、やっと「突き匙」が出てきたときには、吉田老は怒り過ぎたのか、いささかぐったりとしていた。姿勢をしゃんと正さず、半分起きた状態で果物を口に運ぶために、喉仏から鎖骨のあたりに果汁がぼたぼたこぼれ落ちる。婆さんはそれを見て、またしきりに〝きたない〟〝きたない〟と繰り返すのだった。 最初のうち、おれはこの老夫婦の会話をほほえましく聞いていたのだ。昔ながらの封建的だが駄々っ子のような亭主と忍従型の老妻とのやりとりとして。 誤算だった。 婆さんの顔は、押さえきれない喜びに輝いていた。 婆さんは、いまやじっくりと復讐を楽しんでいるのだった。愚鈍を装って、傲慢な夫の神経に、一本一本細い針を突き立てている。ののしられ、婢(はしため)あつかいされ続けたこの半世紀の間、婆さんはじっとこの日を待ち続けて耐えてきたのだろう。いまや、吉田老に残された武器は、どなり慣れた口だけだ。それも所詮は空砲だ。婆さんはいま、案山子の正体を知ったカラスになって、じわじわと一本足の吉田老に近づいていくのだった。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
自分の座っている席が床に沈み、天井が崩れ、圧迫されるような気分になる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
素直に屈服する気になれない不逞なものが、熱した血の流れの中に逆鱗(さかうろこ)のように突っ立っている
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
花火問屋の火事のような混戦
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
人間が焼鳥と同じようにあっちこっちに死んでいる。
坂口 安吾 / 白痴 amazon
相撲のような心持のいい喧嘩
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
焼夷弾と爆弾では凄みにおいて青大将と蝮(まむし)ぐらいの相違があり
坂口 安吾 / 白痴 amazon
老練な魚釣りのように、私を危険な場所の方に、安心させて追いこんで行く。
島尾 敏雄 / 死の棘 amazon
雨のふるよなてっぽう玉のくる中に
島崎 藤村 / 夜明け前 01 第一部上 amazon
翼全体から銃火を噴いた飛行機が翼で殴りつけるような超低空で過ぎた。
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
戦争中の日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた。
坂口 安吾 / 堕落論 amazon
地球の一部がどかんと凹んだような戦車壕
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
磐石のような重さをもってのしかかっている国家権力
島木 健作 / 癩 amazon
軍人と資本家と政治屋とがはじめたこのばくちのような戦争
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
戦(いくさ)というものは錦絵のようなものと存じておりましたのに、このありさまでは、地獄絵を地でゆくようなもの
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
望楼のようなトーチカ
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
こうして彼を追いつめるたびに、私は彼のその決して大きくはない小ぶりな愛情のかたまりを、かつおぶしのようにかんなで勢いよくけずっています。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
その他の感覚を表す比喩表現
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