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鳥類の比喩を使った文章の一覧(76件)
七面鳥は首を上げて気むずかしい老人のような目で僕を睨みつけ
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
鳶が羽ばたきもせず中空から石のごとく落ちてくる
中島 敦 / 名人伝 amazon
木の先に止まった鳶(とび)が、白い空を背景にして剥製の置物のように見える
水上 勉 / 雁の寺 amazon
小鳥たちの声が新しい風、新しい雪のようにおそう
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
バネじかけで動くブリキ細工のオモチャのようにギクシャクと羽を動かすエトピリカ(海鳥の一種)
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
ゴミ捨て場を漁る烏(からす)は、好奇心の旺盛な考古学の学生のよう
山本 昌代 / 緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道 amazon
鵞鳥(がちょう)が恵比寿様の冠みたいな頭をのしあげて、がわがわ追ってくる
中 勘助 / 銀の匙 amazon
雉(きじ)が鋭い鳴き声を残して、矢のように麓へ消える
石川 達三 / 花のない季節 amazon
雉が、黒い物体でも投げられたような直線的な飛翔の仕方で空間を横切る
井上 靖 / 天平の甍 amazon
雉の尾の、火のようにきらめく羽根
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
極彩色の孔雀の雄鶏が、蓑のような尾をさげる
中 勘助 / 銀の匙 amazon
ヒヨドリの雛が蛇みたいに嘴(くちばし)を左右に揺する
山口 瞳 / 月曜日の朝 amazon
ニワトリの尾羽が、蛍光でも発するかのようにつややかに光っている
畑 正憲 / 天然記念物の動物たち amazon
コウモリの群れが、魔法のジュウタンのように上空を渡る
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
スズメのさえずりをもっと金属的にしたようなナキウサギの声
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
小禽(ことり)たちが、夢からさめたように騒ぎだす
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
小鳥たちが石つぶての雨のように襲いかかる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
急激な嵐の消滅のように小鳥たちの声がやむ
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
伝書鳩の群れが、潮騒のような羽音をさせて頭の上を飛びすぎる
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
電線の雀みたいにプールの縁に並ぶ
富岡 多恵子 / 砂に風 (文春文庫 amazon
玉の簾(すだれ)を渉(わた)るような声で雲雀(ひばり)が囀(さえず)る
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
黒い鳥たちの群れが磯の波のように、その屋根から屋根へと忙しく飛び移っていた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
フルートの高音部のような音色で啼く鳥
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
それ(渡り鳥)が囮(おとり)の高音を聞くと、まるで鞠でも落ちて来るように、すっと林に向って下りて来る
広津和郎 / 神経病時代 amazon
雷のように空を裂く怪鳥
大庭 みな子 / 啼く鳥の amazon
ゴム園に放し飼いにしてある野生に近いような鶏を、紙屑籠でも拾いとるように造作なく掴まえて来た。
井伏 鱒二 / 遥拝隊長・本日休診 amazon
箱の中に蹲って、卵を抱き続ける。まるで苦行者の姿のようである。
外村 繁 / 澪標「澪標・落日の光景 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
小鳥が啼きながら、投げた石のように弧を描いてその上を飛んで
志賀 直哉 / 暗夜行路 amazon
小鳥も光りのかけらの様に飛び廻っている
内田 百けん / 東京日記「東京日記 他六篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
わたの人形みたいなかわいいひな
小出 正吾 / ポストの小鳥「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
柔らかい綿のようなものが手に触り
火野 葦平 / 麦と兵隊「土と兵隊・麦と兵隊 (新潮文庫)」に収録 amazon
干潟のほの白い砂の上に、黒豆を零したようなのは、烏の群が下りているのであろうか。
鈴木 三重吉 / 千鳥 amazon
塒(ねぐら)へ帰る烏の群が魚に見え
牧野 信一 / ゼーロン amazon
黒猫のような(烏の)目つき
深沢 七郎 / 楢山節考 amazon
彼女の頭の毛は麦の穂のように波立っていた。
藤森成吉 / 雲雀 amazon
やみの中をかけまわって、ねむっている小鳥たちをいじめているのだろう。あいつは、森のギャングだよ。
小出 正吾 / ポストの小鳥「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
鶴はこれらの自然物を背景にして直立し、まるで陶器の置物のようにじっと動かなかった
長谷川 四郎 / 鶴 amazon
七面鳥は、咽喉が赤く、頭と鼻は赤と白のまだら、羽は瑠璃いろに光る黒で、派手ななりの好きなお婆さんのやうである。
丸谷 才一 / 初旅「横しぐれ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
雄鳥が蓑のような尾をさげて
中 勘助 / 銀の匙 amazon
烏が欅(けやき)にとまっているような無雑作で、尾長鳥が羽根色美しく椰子林に休んでいる。
横光 利一 / 王宮「定本横光利一全集 (第10巻)」に収録 amazon
白鳥が三羽、並べ据えた剥製が台ごと曳かれて行っているように、間隔にも姿態にも少しの動きも見せずに、位置だけ変ってゆく。
河野 多恵子 / 河野多恵子全集〈第3巻〉 amazon
白鳥たちは白い雲のかたまりのようになって北の国にかえっていったよ。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
白鳥たちはひとかたまりの花びらか雲のようになって、長い旅をしてきた。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
高い山のみねから風にのって風花がとんでくるように、白鳥もみねをこえてとんでくる。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
あたかも雁が黄昏の先触れでであるかのように、急に空から黄昏が降りて
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
空飛ぶ雁をゴミのようだったと
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
燕尾(えんび)服を着たペンギン鳥が園遊会のように群れていたりする。
野上 弥生子 / 哀しき少年「野上弥生子短篇集 (岩波文庫)」に収録 amazon
笛を吹くような声がしきりにする。
火野 葦平 / 麦と兵隊「土と兵隊・麦と兵隊 (新潮文庫)」に収録 amazon
朝露のような湿り気を持った雀の快活な啼声(なきごえ)
志賀 直哉 / 暗夜行路 amazon
啼声(なきごえ)ばかり花弁のように降ってきた。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
まるで、おいはぎかなにかに首をしめられて、たすけをよんでいるようなさけび声
小出 正吾 / ポストの小鳥「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
絹帛(きぬ)を裂くような鶴の声
内田 魯庵 / くれの廿八日「くれの廿八日 他一篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
そのカラスは夕方になるといつも(窓際)やってくる。@略@社交的な訪問みたいなものだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
雀の群れが不揃いに電線にとまり、音符を書き換えるみたいにその位置を絶えず変化させていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
飛行機が進入灯に従い着陸するかのように、羽をばたつかせ、(麻雀)卓の中心に降り立った。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
ホルンのパイプの輪のように、クルクルとまわりながらとぶんだ
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
雀たちが、ころころ地べたを転がるように飛んでいる。
林 芙美子 / 魚の序文「林芙美子 [ちくま日本文学020]」に収録 amazon
天使の羽根が大学の中庭に降りてくる光景を想像してみたが、遠くから見るとそれはまるでティッシュ・ペーパーのように見えた。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
名も知らぬ鳥が腰を下ろし、機銃掃射のように鳴きまくっていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
虫をついばむたびに、ぱちっ、ぱちっと空中で弾ける音は高らかに愉しげに、命をたたえるように力強く響く
松本侑子 / 植物性恋愛 amazon
その他の風景を表す比喩表現
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