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髪の比喩を使った文章の一覧(125件)
天然パーマに悩んでいた。時間がたつと彼女の髪は地肌を離れ、まるでワタアメのごとくフワフワと宙を舞い始めるのだった。
椎名桜子 / それでもわたしは白い服がほしい amazon
ワカメが頭にからみついた水死体に見える
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
すったばかりの墨みたいに黒くて長くて
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
いつも耳までかかっている尨(むく)犬のような髪の毛
徳田 秋声 / あらくれ amazon
軽く頭をひと振りし、頬にかかる髪を小馬のようにはらいのける
宮部 みゆき / とり残されて amazon
お伽噺に出てくる王子様のように輝く金髪
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon
馬の背の反動に、ざんぎり頭の髪の毛が、波をくらった海藻のように浮き沈みする
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
海藻のホンダワラみたいな髪の毛
阿久 悠 / 瀬戸内少年野球団 (〔正〕) (文春文庫 amazon
黒い髪がシーツの上に海藻のように広がっている女
永倉 万治 / 恋はあせらず―You Can’t Hurry Love amazon
黒髪が海藻に似た輝きを見せる
室生 犀星 / 舌を噛み切った女 (1957年) amazon
長い髪が藻のように顔を隠す
森村 誠一 / 深海の迷路 amazon
梳(と)きながした髪が鏡のように輝く
宮部 みゆき / 我らが隣人の犯罪 amazon
お河童に切ってある、スフィンクスの髪のような厚い切り口の髪
伊藤 整 / 青春 amazon
汚れたワカメのように汗でぬれた髪を垂らす
富岡 多恵子 / 砂に風 amazon
頭の毛が犬が寝たあとの芝生みたい
黒井 千次 / 春の道標 amazon
女の新しい髪が、花弁をもぎ取って蘂(しべ)だけになった芍薬(しゃくやく)のよう
川端 康成 / 掌の小説 amazon
蘭の花みたいに乱れ動く油っ毛のない頭髪
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
解いた長い髪が一瞬散るように踊って肩に流れる
高井 有一 / 北の河 amazon
髪が黒色の芒(すすき)のように波うつ
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
緑の牧場のうねりよりなお柔らかに波打つ黒髪
三好 達治 / 詩を読む人のために amazon
長い髪が背後の窓からの陽射しを踊るように弾く
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
幽霊みたいにべったりと濡れた髪を顔へひっつけさせたまま歩く
横光 利一 / 時間 amazon
もつれた鉄条網のような髪型
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
真っ白な髪を北斎の波模様のようにカールさせる
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
理髪店から先刻抜け出しばかりのような綺麗に分けた頭髪
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
薄紫の羽のように高くふくらませた髪
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
髪の毛を割らずに、額の生え際から頭のてっぺんへはりねずみの臀部(でんぶ)のごとく次第に高く膨らがした髪形
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
縮れた長い髪が蜘蛛の巣のように揺れる
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
ほどけば夕立雲のように一杯にひろがる豊満な髪
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
豊かな黒髪を竜宮の乙姫のように高く結う
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
鶏の尻尾のような生え揃わぬ頭の毛
野間 宏 / 暗い絵 amazon
白い亀の子タワシみたいな白髪頭
富岡 多恵子 / 砂に風 amazon
頑強な額の上に、獅子の鬣(たてがみ)のような白髪が乱れ逆立っている
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
頭に虱が霜の降ったほどにたかっていて
石川 達三 / 蒼氓 amazon
髪は誰かが定規で一本一本線を引いたようにまっすぐで、眉毛のかたちが髪型とよくあっていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
ふかえり(人名)はまっすぐな黒い髪に手をやり、少しのあいだ指ではさんで梳く(す)いていた。素敵な仕草だった。素敵な指だった。細い指の一本一本がそれぞれの意思と方針を持っているみたいに見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
頭は元気のいい野草のような白髪に覆われている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
髪を上げた彼女を目にするのは初めてだったが、それは奇跡的なまでに親密で美しい光景だった。彼女のむき出しにされた耳と首筋は、ほかの女性のまるっきりの裸体を目の前にするのと同じくらい、彼の心を揺り動かし、深く戸惑わせた。まるでナイルの源流である秘密の泉を発見した探検家のように、天吾はしばし言葉を失い、目を細めてふかえりの姿を眺めていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
髪をうしろにやり、小さな美しい耳をひとつ露わにした。発信器のアンテナを上げるみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
醤油を瓶ごと頭にこぼしてしまったかのような重く黒く長すぎる前髪
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
細いゴムでくくられた小さく尖った雀の尾っぽみたいな毛束
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
髪は長くはないが、何かが溢れ出してるかのように密度が濃い。
中村文則 / 教団X amazon
先が上方向と後ろ方向へ飛び散っている。鳥類を思わせた。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
髪はライオンの毛のように、寝癖がついている。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
寝癖なのか髪は、子供が描く太陽の絵のごとき輪郭となっていた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
髪の豊かな頭を振って見せた。若々しい性質がその髪の根から一度に振り出されるように見えた。
大仏 次郎 / 宗方姉妹 (1954年) amazon
蒼黒い顔で、髪は枯草のように乱れ
林 芙美子 / 浮雲 amazon
火山の爆発のような巨大なパーマネント
椎名 誠 / 長く素晴らしく憂鬱な一日 amazon
毛のこわい性(たち)らしく、かなりに延びた毛なのだが、総髪の形にはならず、一本一本つったって、まるで栗のいがのようである。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
まるでそれは「はたき」のように延びて汚れきっていた。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
パーマネントをかけた頭髪は、いつも陰毛みたいにちぢれている。
安岡 章太郎 / ガラスの靴「ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
久しく刈り込みを怠った髪は乱れたままで頭に生いかぶさっていた。風呂で濡らしたばかりの色が漆のように光った。なぜだかそれが彼の眼には暴風雨に荒らされたあとの庭先らしく思えた。
夏目 漱石 / 明暗 amazon
閉じた長いまつ毛も、枕に広がる髪も、まるで本物の眠り姫のように清楚で美しく
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
頭はまるで芝居絵の法界坊のように、ぼうぼうとのびて
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
髪のはえぎわが、まるで競馬場の芝生みたいにきれいな直線に揃っていた。
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
荒神山の杉の木のような乱れた髪
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
古風な鏡台に向わせ、人形でも扱うようにその髪をといてやった。
島崎 藤村 / 夜明け前(全) amazon
その女はその美貌を水も滴るような丸髷と一緒に左右へ静かに振っている。
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
鬢(びん)のほつれに小波(さざなみ)を打たせて
高山 樗牛 / 滝口入道 amazon
埃がポマードでねり固められたような汚ならしいかれの頭
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
パーマネントをかけた頭髪が縄屑(なわくず)のようにもつれ
井伏 鱒二 / 多甚古村 (1950年) amazon
赤味がかった髪を数えるように、ブラシですき上げて、上の方でたばねた。
大岡 昇平 / 花影 amazon
彼女の二つくくりにした髪の片房を握ると、髪束は綿を詰めしぶったぬいぐるみのように、力なくやわらかく手のなかに横たわった。
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
あの草野仁が現れた。 いつもながらのカブト虫の如く黒々と真四角に整えられた頭髪は、昔の角ばったNHKのロゴを彷彿させた。
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
小豆と鉄を混ぜ合わせたようなぶつぶつした髪の毛
井上光晴 / 地の群れ amazon
西洋の音楽家の写真でよく見るように、うまくウエーブしている
尾崎一雄 / 尾崎一雄全集〈第4巻〉(霖雨) amazon
抜け上った生え際から前髪が堤防工事の様に高く聳(そび)えて
夏目漱石 / 吾輩は猫である amazon
その他の人物を表す比喩表現
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