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心が乱れるの比喩を使った文章の一覧(91件)
指先に細い棘でもあるようにいらいらする
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
心のいらだちが魔女鍋みたいにぐつぐつ煮えかえる
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
解けないクロスワードを相手にしているかのようにいらいらする
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
いたずらに歯を噛み鳴らすような苛酷な苛立ち
外村 繁 / 筏 amazon
細かい霧のように、かすかな焦燥が漂う
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
焦燥感が嘔吐のように繰り返し襲ってくる
阿刀田 高 / ナポレオン狂 amazon
羊の群れにはまりこんだ狼のように目うつりする
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
八幡(やわた)の藪(やぶ)知らずに迷い込んだようで、どうにも自分の気持ちに収拾がつかない
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
二十歳の自分の苛立たしさ、標本に針で止められた昆虫のあがきに似ている
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
路上に置かれた薄紙が、風が吹くたびにひらりひらりとめくれる。まさにそういう具合に、鈴木の心は浮き足立っていた。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
逃げられてしまうのか、と僕は呆然としながら、思った。そしてその時、理由は判然としないが、頭の中に、大学に入学してからの記憶が、一気に噴き出した。焦ったがために、誤って記憶の箱を引っくり返したのかもしれない。様々なシーンが立て続けに、勢い良く飛び出す。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
七尾は、自分の視界が狭くなるのが分かった。焦りのため、鼓動が早鐘を打ちはじめる。息が上がり、えもいわれぬ不安で胸が締め付けられる。頭を振った。どうする、どうする、と頭の中に囁き声が充満する。思考が、氾濫した水で押し流される。渦を巻き、思い浮かべた言葉や感情を、洗濯でもするかのようにごちゃまぜにする。七尾はその、焦燥感の洪水に身を任せた。激流が頭を搔き回す。もちろんほんのわずかな時間に過ぎず、たとえば、まばたきを数回するほどの間だったが、その奔流が止んだ途端、気持ちが切り替わった。頭の中の濁りが消え、思考や逡巡もなく、体が動く。先ほどとは打って変わり、視界が広くなる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
高所での綱渡りで、足を踏み外したかのような、寒気があった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
彼の分別のあった心は、闘牛者の槍を受けた牡牛のように荒んでしまった。
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
地の底の地獄の門まで墜落してゆきたいようなやぶれかぶれな気持ち
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
夢の中で空足を踏むような焦り
古井 由吉 / 水「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
目の奥に綿毛がひっかかったような落ちつかない気持
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
宮本武蔵が五条の橋へこなかった時のような、そわそわ片づかない気もちがした。
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
玻璃(がらす)細工のような瞳でアリスを見ている。
長野 まゆみ / 少年アリス amazon
平らな水のおもてにいきなり石を投げ入れられたように、心は波立ち騒いで落ちつかなくなった。
吉屋 信子 / 妻も恋す「女の暦・妻も恋す (1951年) (傑作長編小説全集〈第6〉)」に収録 amazon
そんなにやきもきするのは、波にほえる犬のようなものだ
山本 有三 / 波 amazon
あたかも遠方からこそぐる真似をされたように、思い切っては笑うこともできず、泣くこともできず
二葉亭 四迷 / 浮雲 amazon
奈落へ突きおとされるような淋しさと焦躁
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
大理石の彫像の足元を蝕(むしば)み出したしみのように、初めは曇りに似て、やがては石の影とも違いはっきりと眼に映るしみのように拡がる焦だちと、おびえ
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
トイレを我慢している時のような切羽詰まった表情
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
これを飲めば、女は鎖が解けたみたいに乱れるさ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
正気は蒸気のように飛びはじめている。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
「行き詰まっているとおまえが思い込んでいただけだよ。人ってのはみんなそうだな。例えば、砂漠に白線を引いて、その上を一歩も踏み外さないように怯えて歩いているだけなんだ。周りは砂漠だぜ、縦横無尽に歩けるのに、ラインを踏み外したら死んでしまうと勝手に思い込んでいる」
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
内面に吹き荒れたであろう葛藤の嵐
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
黒目がうろうろ動いている。被写体を絞り切れない下手なカメラマンのように、あたしたちの間を視線が泳ぐ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
その深層心理の詰め将棋の棋士役がボクたちである。
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
彼女の神経的な病気は少しも良くなっていないように思う。彼女の病気は常に、海に浮かんだ海藻のように波打っている。決して穏やかな砂地に舞い降りることはない。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
自分の欲求を完成できない赤ん坊のように苛立ちながら
阿部公房 / 他人の顔 amazon
炭火のようにいらだって
倉橋由美子 / 蠍たち
内臓を内側から噛まれるようないらだち
高橋和巳 / 悲の器 amazon
その他の感情を表す比喩表現
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