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肌の印象の比喩を使った文章の一覧(148件)
特別料理につかう真白な食皿のように白くかたくしまっている
椎名麟三 / 自由の彼方で amazon
明い電燈をまともに受けた裸身雪を欺くばかり
永井荷風 / 腕くらべ amazon
彼女の皮膚は、この街の汚れが染み入り易いように見えた。いや、すでのその裏側に層を成して沈殿しているのかもしれないかった。そのように私の眼に映っているのは、秋子の心の膚(はだ)であった。私は、秋子の張りを失っている乳房を思い出していた。
吉行淳之介 / 娼婦の部屋 amazon
ついさっき暗い穴から這いあがってきた人間のよう
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
日に当たらぬための蒼白い皮膚の印象からか、いたいけな鉢植えの草花を思わせる少女
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
繭(まゆ)をつくり始める前の蚕のように、顔も手も皮膚が透きとおるように青白い
日野 啓三 / 抱擁 amazon
鞣(なめ)したように黒光りしている顔
藤沢 周平 / 三屋清左衛門残日録 amazon
白く透き通った美しい肌が、真冬の渓流のように冷たく輝く
高橋 三千綱 / 涙 amazon
肌がすべすべとして油になじんだ鹿皮のような柔らかさ
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
白いなめし革のような肌が、凄絶なほどしなやか
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
浅ぐろくて鞣(なめし)革を張りつめたような皮膚の照り
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
白い肌がみずみずしい樹木のよう
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
香をたきこめた絹のような柔肌
真継 伸彦 / 鮫 amazon
日に当たらぬための蒼白い皮膚の印象からか、いたいけな鉢植えの草花を思わせる少女
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
熱帯植物の果実のようにねっとりした肌
円地 文子 / 渦 amazon
肌が削り節のように黒く光る
伊集院 静 / 三年坂 amazon
皮膚が疲れたゴムのように皺ばむ
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
岩陰に佇んでいる青味を帯びた魚の肌を想わせる肌
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
日焼けがたまらなく魅力的だ。まるでカフェ・オ・レの精みたいに見える。背中にかっこいい羽をつけて、スプーンを肩にかつぐと似合いそうだよ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
小さな黒い手だった。日焼けが身体の芯まで浸みこんでいるみたいに見えた。長年にわたって屋外で働き続けてきた手だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
手のひらには、いつもと同じ何本かの深いしわが刻まれているだけだ。それは水銀灯の奥行きのない光の下では、火星の表面に残された水路のあとのように見える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
初夏の陽を弾いて健康で稔り切った穀物のように実質的の男性を感じさせる。
岡本 かの子 / 落城後の女「岡本かの子全集 (第3巻)」に収録 amazon
顔は黒くまるで燻製のようである。
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
胸は抜けるように白かった。
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
白い肌は、しっとりと蒼白く冴えて、糸のような青い血脈を浮かせ
大原 富枝 / 婉という女 amazon
皮膚は松かさのようにがさがさしていた。
木山 捷平 / 長春五馬路 amazon
文楽のお人形のような妙にすべすべしたお顔
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (1974年) (井上靖小説全集〈1〉)」に収録 amazon
祖父は脚も顔も、くしゃくしゃに着古した絹の単衣物のように、大きな皺が一杯で、皮をつまみ上げると、そのまま元に戻らない。
川端 康成 / 十六歳の日記「伊豆の踊り子/十六歳の日記―ほか3編 (講談社文庫 か 2-2)」に収録 amazon
奉書紙のように肌が白い
円地 文子 / 女坂 amazon
銀次郎の女のような白い足
椎名 麟三 / 永遠なる序章 (1957年) amazon
雪のような腕を露わしている。
正宗白鳥(忠夫) / 何処へ amazon
皮膚が厚すぎる、白くて厚い、豚の顔みたいだ。
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
明け放った硝子戸の光線で、細君の顔が陶器の肌のように光っていた。
林 芙美子 / 夜猿「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
土の浸(し)み込んだように黒い皺の寄った顔
石川 達三 / 蒼氓 amazon
町子の白い襟足が、寒々と眼に映った。それは、死にかけた白鳥の頸のように、寂しく、力がなかった。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
衣服(きもの)を脱いで全身を練り絹のようにあらわして
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
どこか、白いきつねの感じであった。
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
雛鶴(ひなづる)のように白く細い悦子
円地 文子 / 女坂 amazon
蠟細工のような、すべすべした肌
安部 公房 / 他人の顔 amazon
鞣革(なめしがわ)のような顔の皮膚
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
皮膚の色が、蚕児(かいこ)のような蒼白さをもって
徳田 秋声 / 黴 amazon
その皮膚は泡にさわるようにやわらかく、融けてしまいそうに私の手には感じられた。
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
白い陶器に薄紅を刷いたような皮膚
川端康成 / 雪国 amazon
琥珀のようになめらかだった淡い褐色の腹
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
肌はほとんど白壁のように白い。
伊藤 整 / 火の鳥 (1958年) amazon
毀れた泥人形のように、つやを失った額(ひたい)
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
羊皮紙のような神秘な白い色
岡本 かの子 / 老妓抄 amazon
受取った傘の滑らかな柄が生物のような体温を秘めている。
黒井 千次 / 群棲 amazon
娘の肌はすいつくようになめらかだった。
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
津軽から秋田越後の方へかけて、一たいに女の肌は梨子(なし)か林檎をむいたような青味を帯びた白さと潤いを持ち
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
白い象牙のようにすべらかな腹
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
群を抜いて、肉づきみごとに、こってり膏(あぶら)ののったのが、湯あがりのふぜいで、牡丹花のひらいたように、これでもかと艶っぽく
石川 淳 / 李白「石川淳全集〈第4巻〉」に収録 amazon
これは人の顔ではない。むじなの顔を柿の渋に漬けたような皮膚をしている。
司馬 遼太郎 / 国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 amazon
真白だ。馬鈴薯の皮を剥いた白さだ。何という簡単な白さ。魅力のない白さ。
岡本 かの子 / 鶴は病みき amazon
いつも香油で拭ったような潤いがあった。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
渋を塗ったような頑丈な肌
白柳 秀湖 / 駅夫日記 amazon
濡れた絹のようなその肌
大原 富枝 / 婉という女 amazon
むきたての玉子のような、蒼味がかったすべすべした肌
林 芙美子 / 浮雲 amazon
風呂から上ったように、つややかな血色のいい皮膚
林 芙美子 / 林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 amazon
お嫁さんは白く丸くつきたてのお餅のような顔をしていて
森田 たま / もめん随筆 amazon
餅のようにしんなりした肌
林 芙美子 / 河沙魚「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
あけびの実をわったような白い滑らかな肌
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
浴衣の袖がまくれて、肩がむき出しになり、案外薄暗い部屋の中では玉葱をむいたような肌に見えた。
林 芙美子 / 牛肉「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
コットン紙のような、乳色の肌
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
露出している肉体のあらゆる部分へ濃い白粉を塗っているのだが、それでいて、やっぱりその皮膚の底に澱んでいる暗色を消すことができない。ちょうど清冽な水の底にある汚物が、高い所から見下ろすとよく分るように、それが分る。
谷崎 潤一郎 / 陰翳礼讃 amazon
手だけは年齢を偽らないという。清彦の手には網の目のような皺が深かった。
曽野 綾子 / たまゆら amazon
子供を産んだあとの未娘はからだのなかまで洗ったように肌が澄み
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
鰻の腹のような靭(つよ)い滑かさ
岡本 かの子 / 老妓抄 amazon
サニーレタスとかやわらかい仔牛肉とか星のかけらしか食べてこなかったみたいな、色白で細くしなやかな身体つき
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
紙で作ったような乾燥しきった皮膚
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
指は長くしなやかで、肌は白く不透明でした。何度も品種改良され、温室で大切に育てられた植物のようでした。指のいろいろな部分に表情があるのです。薬指の爪が微笑んだり、親指の関節が目を伏せたり
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
青ざめて果物の表皮のように強張っている皮膚
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
肌理(きめ)に月光が貝殻じみたつやを出した
川端康成 / 雪国 amazon
白く乾き鱗のように皮膚が剥けて
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
何となく堕落した階級の女の肌を連想された
谷崎潤一郎 / 細雪 amazon
皮膚が泣いたように赤く染まる
芝木好子 / 女ひとり amazon
皮膚は泡にさわるようにやわらかく、融けてしまいそう
阿部知二 / 冬の宿 amazon
繭をつくりはじめる蚕のように、顔も手も皮膚が透き通るように青白い
日野啓三 / 抱擁 amazon
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