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男性・女性の比喩を使った文章の一覧(158件)
いま咲いたばかりの白い百合(ゆり)の花のような楚楚とした艶(あでや)かさ
宇野千代 / 色ざんげ amazon
重たい石の下から僅に頭を持上げた若草のような娘
島崎藤村 / 新生 amazon
彼女の容姿にはもともと物語風なところがあった。物語に出てくる恋する乙女そのままの風情だった。
三島由紀夫 / 仮面の告白 amazon
指で殻を割ってみたら、まだおいしそうな果肉が、案外秘まってる女かもしれない
岡本かの子 / 生々流転 amazon
表面はビロードのようにやさしいが、中には荊(いばら)のような恐しい手応えをもった女だ
平林たい子 / 施療室にて amazon
天使みたいにきれいな子だったわ。もうなにしろね、本当にすきとおるようにきれいなの。@略@最初見たとき口きけなかったわよ、しばらく。それくらい綺麗なの。その子がうちの応接間のソファーに座っていると、まるで違う部屋みたいにゴージャスに見えるのよね。じっと見ていると眩しくてね、こう目を細めたくなっちゃうの。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
若くてしなやかな動き方で、魚なら鮎を考えてよい女
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
漆黒の闇の中で恋人の手が見えない相手の輪郭を確かめるような艶かしい動作
久間 十義 / ヤポニカ・タペストリー amazon
大きな樹か岩のように安心してよりかかれる夫
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
羽子板の押し絵をそのままの美しさ
永井 荷風 / 腕くらべ amazon
倭(やまと)絵の中から抜け出してきたような若殿の姫
芥川 龍之介 / 邪宗門 (1977年) amazon
桐の花のように典雅でつくねんとした美しさが匂う女性
岡本 かの子 / 過去世 amazon
甘やかされた愛らしい少女のような、引っ掛かりのない美しさ
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
涼しくて刺すような娘の美しさ
川端 康成 / 雪国 amazon
透明のゼリーのような弱々しい美しさが、女らしい情緒に溢れている
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
目覚めるような臈たけた美しさ
柴田 錬三郎 / 南国群狼伝 amazon
床の間の置物のような美人
森 鴎外 / じいさんばあさん amazon
大きな樹か岩のように安心してよりかかれる夫
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
男は女を漁る蠅(はえ)みたいにもの
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
黴(かび)に包まれて熟成したおいしいチーズのような男
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
皮肉で薄情で、蚯蚓(みみず)みたいに冷たい若い男
田辺 聖子 / 休暇は終った amazon
ぼさっとして大きく寄りつきがたい巌石(いわお)のような男
新田 次郎 / 芙蓉の人 amazon
心を丸ごと吸いとってしまうような女
日野 啓三 / 抱擁 amazon
わがままが足を生やして動きまわっているような女
西木 正明 / 『幸福』行最終列車 amazon
女性を美しい玩具か何かのように弄び苛(さいな)む
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
色の白い、山百合の花のようにやさしく、香り高い感じの女性
石川 達三 / 独りきりの世界 amazon
美しいという中にも白い花のように清楚な趣きの勝った女
円地 文子 / 渦 amazon
体中の水分が回りきった切り花のようにみずみずしい女性
胡桃沢 耕史 / ごきぶり商事痛快譚 (1) amazon
冬の花のように白く清冽な冷たい香りに匂い立つ女性
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
刺青をした蝶のように美しいお嬢さん
堀 辰雄 / 菜穂子―他五編 amazon
熟しかけた果実のように新鮮な娘
南条 範夫 / いつかあなたが amazon
梨の花を見るような、寂しげなうちにも気品のある娘
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
熱帯の花のように強烈な印象の娘
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
日に当たらぬための蒼白い皮膚の印象からか、いたいけな鉢植えの草花を思わせる少女
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
まさに開かんとする牡丹の花のような少女
森 鴎外 / 魚玄機 amazon
無邪気そうに見える水仙のような女の子
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
桃のつぼみが今にも咲きかけているような感じの少女
武者小路 実篤 / 友情 amazon
百万ドルを小さな小包一つにしたみたいに、ぴちぴちした魅力あふれる娘
フレドリック・ブラウン / 霧の壁 amazon
妖精のように目まぐるしく、生き生きとして、魅力的な娘
三浦 朱門 / 犠牲 amazon
いかにも闘志のかたまりといった日焼けした精悍な青年
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
女が手がかりのない城壁のようになる
庄野 潤三 / プールサイド小景・静物 amazon
子供の歓声のように軽く明るい声
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
杉材の木目のように、清楚でキリッとした美人
小沢 昭一 / 美人諸国ばなし amazon
秋草にでもたとえたいような、おとなしく、しとやかな美人
戸板 康二 / 家元の女弟子 amazon
日に当たらぬための蒼白い皮膚の印象からか、いたいけな鉢植えの草花を思わせる少女
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
ぐんと年を食って、甲羅にコケとぺんぺん草の生えたような大年増
田辺 聖子 / 返事はあした amazon
二十一歳の肉体は、性への期待や憧れを、ゆるやかな潮の満ち干のように繰り返す
宮本 輝 / 夢見通りの人々 amazon
十八世紀の貴婦人の概念が薔薇色のサングラスをかけて今に蘇ったと言いたいほど優雅で上品な夫人
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
無邪気そうに見える水仙のような女の子
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
あの子はとてもきれいで清楚だった。ディズニー版の白雪姫みたいに。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
遊星のように自然と引き合う
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
本当に綺麗な子だ、と僕は思った。じっと見ていると心のいちばん深い部分に小さな石を投げ込まれたような気がする。そういう種類の美しさなのだ。くねくねと穴が複雑に折れ曲がっているし、そのすごく奥の方だから普通なら届きっこないのだが、彼女はそこにきちんと小石を放り込むことができるのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
マセラティから下りてくる五反田君の姿を想像した。チャーミングだ。ラジアル・タイヤの宣伝みたいだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
危うげなほど繊細な魅力が彼女のまわりをほんのりと蒸気のように包んでいた
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
子供が蓄音機の中に小人の楽隊を想像するのと同じ考え方で、僕は彼の中に女を見た。
安岡 章太郎 / 悪い仲間「ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
血管の浮くような細い腕や足はすらりと長く、全身がきゅっと小さく、彼女はまるで神様が美しくこしらえた人形のような端整な外見をしていた。
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
白樺のように、山の匂いの高い、澄んだ渓流のように作為のない、自然人であった。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
(彼女は)その気になれば男たちを自然に惹きつけるクールなオーラのようなものを発することができた。動物や虫が必要に応じて放つ、性的な刺激を持った芳香にも似たものだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
(決してモテるタイプではなかったが)しかしある種の植物の匂いが蛾を引き寄せるように、ある種の女性を天吾は引き寄せることができた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
若い女が牛河の事務所を訪れた。まだ二十歳にもなっていないかもしれない。身体の線がきれいに出た丈の短い白いワンピースを着て、やはり白い艶のあるハイヒールを履き、パールのイヤリングをつけていた。小柄な割に耳たぶが大きかった。身長は一五〇センチを少し超えたくらいだろう。髪はまっすぐで長く、澄んだ大きな目をしていた。見習いの妖精みたいに見えなくもない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
一杯のコーヒーのために、女はワゴンをひいてきた。 白いブラウスに黒いロングスカートといったいでたちは、女がもしヴィオラ奏者だと名乗ったとしたら誰もが信じたに違いない。そして彼女と銀色の砂糖壺は、八百円のコーヒーをいかにもそれらしく見せていた。
林 真理子 / エンジェルのペン「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
老婦人は顔を伏せてちぢこまっているが、別にしょんぼりしている様子でもない。四十年も五十年もこの調子でどなりつけられてきて、何も感じなくなっているのだろう。@略@
(婆さんが言う)「すみませんねえ。うるさい、きたない年寄りで……」 テーブルの下の棚から、やっと「突き匙」が出てきたときには、吉田老は怒り過ぎたのか、いささかぐったりとしていた。姿勢をしゃんと正さず、半分起きた状態で果物を口に運ぶために、喉仏から鎖骨のあたりに果汁がぼたぼたこぼれ落ちる。婆さんはそれを見て、またしきりに〝きたない〟〝きたない〟と繰り返すのだった。 最初のうち、おれはこの老夫婦の会話をほほえましく聞いていたのだ。昔ながらの封建的だが駄々っ子のような亭主と忍従型の老妻とのやりとりとして。 誤算だった。 婆さんの顔は、押さえきれない喜びに輝いていた。 婆さんは、いまやじっくりと復讐を楽しんでいるのだった。愚鈍を装って、傲慢な夫の神経に、一本一本細い針を突き立てている。ののしられ、婢(はしため)あつかいされ続けたこの半世紀の間、婆さんはじっとこの日を待ち続けて耐えてきたのだろう。いまや、吉田老に残された武器は、どなり慣れた口だけだ。それも所詮は空砲だ。婆さんはいま、案山子の正体を知ったカラスになって、じわじわと一本足の吉田老に近づいていくのだった。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
プラスの電気ばっかり持った人間
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
涼しく刺すような娘の美しさ
川端康成 / 雪国 amazon
加奈子は、美しい花が、あやぶい風に吹き廻されるような美観で
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
地球が太陽のまわりを廻っているように恋人のまわりを廻っている
武者小路 実篤 / お目出たき人 amazon
屋根を支える柱のように自分たちをかばってくれている父親
大仏 次郎 / 宗方姉妹 (1954年) amazon
貞女烈婦という概念に帯をしめたり、ストッキングをはかせたりしたような女性
石坂 洋次郎 / 颱風とざくろ amazon
お雛様のような御夫婦
中 勘助 / 銀の匙 amazon
性の興味と性の感覚だけで女たちを見て歩いている飢えた狼のような奴だ
伊藤 整 / 氾濫 amazon
園子は、自分のはなびらの大きさにたえかねているような大輪の牡丹をおもわせる。
丹羽 文雄 / 顔 amazon
開き切った花のような中年の美しさ
伊藤 整 / 氾濫 amazon
家の中に若い美しい女が居る事は、いつもストオブに火が燃えているとおなじように、心が和んでよいものだ
森田 たま / もめん随筆 amazon
美しかった。それは見た人の心の中の最もデリケートな部分にまで突き通ってしまいそうな美しさだった。
村上 春樹 / 風の歌を聴け amazon
重い石の下から僅かに頭を持上げた若草のような娘
島崎 藤村 / 新生 (前編) amazon
幸福な暮しをする人妻でなければ持たないような中年の女の、輝くような美しさ
伊藤 整 / 氾濫 amazon
足の裏に踏みつけた飯粒のような古女房
幸田 露伴 / 連環記 amazon
蛤(はまぐり)みたいな夫婦
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
薄い花弁の花を見るように脆くはかなげに嗜(この)もしい
円地 文子 / 女坂 amazon
若い芽をおもいきり発芽させたような、みちがえるばかり美しくなった妻
林 芙美子 / 濡れた葦 amazon
どうもこの姉妹は、干菓子のように上品振っていて、喰わない。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
刺青をした蝶のように美しい
堀 辰雄 / ルウベンスの偽画 amazon
群を抜いて、肉づきみごとに、こってり膏(あぶら)ののったのが、湯あがりのふぜいで、牡丹花のひらいたように、これでもかと艶っぽく
石川 淳 / 李白「石川淳全集〈第4巻〉」に収録 amazon
無礼な、新しいトランプのように鮮かな令嬢
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
親爺(おやじ)という老太陽の周囲を、行儀よく廻転するように見せている。
夏目 漱石 / それから amazon
末娘は若妻の花が咲いたように美しくなって
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
見るからに清潔な、ほっそりとした娘が、妖精のように透明な横顔を見せながら
安部 公房 / 他人の顔 amazon
結婚して苔に湧く水のような愛情を、僕達夫婦は言わず語らず感じあっていた
林 芙美子 / 魚の序文「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
痩せたヒョロヒョロの、南瓜(かぼちゃ)の萎(しな)びた花のような、女郎上りのおばさん
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
上等の人形のような女の子
妻たち(網野菊)「現代日本文学全集〈第39〉平林たい子,佐多稲子,網野菊,壷井栄集 (1955年)」に収録 amazon
彼の心地に宿った露草のようないじらしい恋人
岡本 かの子 / 食魔 amazon
恋する女のふとした身のこなしに、溢れるような美しさを感じた
中村 真一郎 / 遠隔感応 amazon
押すかさわるかの、いささかの力でピチッとかかってしまう錠のように、圭子は夫の良造とは二十年前何の理窟もなく相寄って一個となり
平林 たい子 / 鬼子母神「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
これまで私は誰かと親しい関係になるたび、自分が少しずつ取り替えられていくような気分を味わってきたからである。 相手の思考や、相手の趣味、相手の言動がいつのまにか自分のそれに取って代わり、もともとそういう自分であったかのように振る舞っていることに気付くたび、いつも、ぞっとした。やめようとしても、やめられなかった。おそらく、振る舞っている、というような生易しいものではなかったのだろう。 男たちは皆、土に染み込んだ養分のように、私の根を通して、深いところに入り込んできた。新しい誰かと付き合うたび、私は植え替えられ、以前の土の養分はすっかり消えた。それを証明するかのように、私は過去に付き合ってきた男たちと過ごした日々を、ほとんど思い出せないのである。また不思議なことに、私と付き合う男たちは皆、進んで私の土になりたがった。そして最後は必ず、その土のせいで根腐れを起こしかけていると感じた私が慌てて鉢を割り、根っこを無理やり引き抜いてきたのだった。 土が悪いのか、そもそも根に問題があるのか。 旦那と結婚すると決めた時、いよいよ自分がすべて取り替えられ、あとかたもなくなるのだ、ということを考えなかったわけではない。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
草薙にとって、百合さんは、自分がまっすぐ立っているための重りのようなものかもしれない、と僕は思った。バランスを取るために不可欠な、重りだ。彼は大切な重りを、傷つけられることはもとより、触れられるのだって、嫌なのだ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
カカシは巨大な島の支えだった。指標であり、夜に灯る明かりであり、方角を知らせる磁石だった。それを失った住人たちは、事実を受け止められず、動転している。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
女王様然とした美しさを纏った女
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
おばさんという人種にはいらいらする。いつでも自分がか弱い被害者だと思っているから。@略@十分強そうなのに、自分たちのことをか弱いと信じ込んでいるところ、そして迷惑をこうむっているのはこっちなのに若い男というだけでこっちが加害者あつかいされる。年齢はいっているのに、全身を羽毛で覆われている、むくむくのひな鳥。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
わたしには、夫婦というものがうまく理解できないのだ。それは何か、不可思議な気体のように思える。輪郭も色もなく、三角フラスコの透明なガラスと見分けがつかない、はかない気体だ。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
日かげの花のように誰に知られずこっそりと大きくなった少女
堀辰雄 / ほととぎす amazon
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