日本語表現インフォ > 比喩表現の一覧 > 感覚の比喩 > 刺激の比喩表現
刺激の比喩を使った文章の一覧(153件)
胃袋のまうしろに神経が弓でもひっぱるようにびーんびーんと痛くて
井上光晴 / 地の群れ amazon
稲光が走るように頭の深部がチカチカと痛む
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
三本立て映画のハシゴをした時のような頭痛
干刈 あがた / ウホッホ探険隊 amazon
どっしりと大きくて、すべすべした痛みが、床屋の飴ん棒のようにじれったい速度できりきりとまわっている
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
胃袋が炭火でチリチリ焼け縮まってゆくような感覚
吉行 淳之介 / 夕暮まで amazon
鉛が底に溜まっているように重たく感じられる胃
高橋 三千綱 / 涙 amazon
意識に薄い膜がかかったように、頭と眼の奥とに鈍い痛みがある
高井 有一 / 高井有一集 (1972年) amazon
刺すような痛みが後頭部まで走る
日野 啓三 / 抱擁 amazon
鋭いキリを刺しこまれたみたいなひどい痛み
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
刃物で突き刺されたような恐れと痛みを覚える
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
体に骨の鳴るような痛みが残る
原田 康子 / 挽歌 amazon
指にちくちくと霙(みぞれ)が降っているような痛みを感じる
ジュール・ルナール / にんじん amazon
身体に、焼け火箸で刺されたような熱い痛みが走る
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
焼き鏝(ごて)を当てられたような痛み
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
胸の内側に線香の火でも押しつけられたような痛みを覚える
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
一枚一枚樹皮をこそげ落とすように苦痛が落ちて行く
阿刀田 高 / 恐怖コレクション amazon
産むときの肉体の痛みは、闇を裂いて稲妻が閃き、耳の傍で雷が落ちたのに似ている
有吉 佐和子 / 華岡青洲の妻 amazon
石のように固いものが縮まるような重い痛み
干刈 あがた / しずかにわたすこがねのゆびわ amazon
炭酸水が胸のあたりにツーンと通るような軽い苦痛
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
治りかかった傷の皮を剥ぎ取るような苦痛
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
苦痛がブランコのように息を抜きながら、間断なく責めたててくる
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
苦痛を、砂糖を舐める舌のように、あらゆる感覚の目を光らせて吟味しながら舐めつくす
横光 利一 / 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 amazon
背中が、鉄の板でもはめ込まれたように痛い
高橋 三千綱 / 涙 amazon
全身がばらばらに砕けて勝手な方向に駆け出し飛び散っていくような激しい痛み
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
全身に波を打ってくるような苦痛
室生犀星 / 舌を噛切った女
胸の奥で何かが砕けたような痛みが起こる
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
痛みはさして激しくはなかったけれど、まるで体が幾つかの別の部分に分断されてしまったような異和感を僕に与えつづけていた。
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
剃刀(かみそり)を走らせたような疼痛が走る
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
重く節々の軋むような疼痛が全身にしがみつく
坂口 安吾 / 母の上京 amazon
あげっぱなしの腕がしびれて丸太のようになる
杉本 苑子 / 今昔物語ふぁんたじあ amazon
剃刀を走らせたような疼痛が走る
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
精神が苛烈な風に吹きさらしになる
中村 真一郎 / 女たち amazon
足の芯を錐(きり)でキリキリ刺し貫くような痛み
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
体がばらばらにほどけて、金粉や銀粉と混ざり合って浮遊していくような、物凄い痺れ方
田辺 聖子 / 休暇は終った amazon
小波が浜辺で静かに砂に吸いこまれていくように、不安も怯えも鎮まっていく
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
急性にアイスとコーヒーの間を往復すると、後で胃に砂袋を詰めたような嫌な感じが残る
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
火にかざしたスルメのようにひっくりかえって悶絶する
藤枝 静男 / 或る年の冬 或る年の夏 amazon
じきに世界が終わるんじゃないかというような痛みだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
こめかみが鈍く痙き、意識にうっすらと霞がかかっている。頭のまわりに、鉄の輪でじわじわと締めつけられるような感覚があった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
そこにある言葉の響きは彼女の神経を慰撫し、恐怖を戸口で押しとどめ、呼吸を落ち着かせてくれた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
ときとしてその痛みはすさまじく深くなる。まるで地球の中心にじかに結びついているみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
父親は途切れることのない昏睡の中にいた。麻痺が慈悲深い衣のように、彼の全身を包んでいる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
通りがかりの子どもたちに撫でられて、お地蔵さんの頭がすり減っていくみたいに(精神が時間をかけて磨り減っていく)
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
あたかも胃に螺子のようなものがついていて、それをぎりぎりと締め上げられているかのような、痛みだった。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
僕は今、この苦痛の中、いや、苦痛そのものとして、この空間に、ある。
中村文則 / 教団X amazon
癒すためには、たとえ人なり自分なり八裂きにしたとて、やっぱり虚空を爪で掻いてるような届かぬ気がする。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
ぴしぴしと鞭うたれるような苦痛
中山義秀 / 藁
錐(きり)を刺すような痛みが走った。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
手も足も厚い餅を張ったように全く痺れている
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
体が二つに割れるような苦痛
織田 作之助 / 夫婦善哉 amazon
苦痛が刺のように残っていた。
徳田 秋声 / 爛 amazon
胸の中をナイフで掻きまわされるような苦痛を感じさせられる。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
皮膚が破れて、ビリビリと焼かるるように水がしみる!
牧野 信一 / ゼーロン amazon
両腕は全然感覚を失って、肩からぶら下っている鉛筆のようにきかなくなっていた
牧野 信一 / ゼーロン amazon
言おうようない痛苦の感じが滝津瀬をじっと眺め入ったように、層をなして宗輔の心中を圧し下る。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
左手をさすって見ると右の手の五本の指の腹に、縮緬(ちりめん)にさわったようなチリチリした痺れが感じられる。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
心の痛みは、薄紙を剥がすように、次第に鎮まって来る
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
毛を挘(むし)られたにわとりのような恰好
吉行 淳之介 / 娼婦の部屋 (1960年) amazon
苦痛が、脾(ひ)弱い病人の身体(からだ)を火焔(かえん)にあおられる紙片のように、くたくたにヒンまげ
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
軀に薄い刃物で切られるような痛みが走った。
吉行 淳之介 / 闇のなかの祝祭 amazon
毒河豚でも食ったように、じいんとしびれてきた。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
この世の地獄を思わせるような、下腹の痛み
林 芙美子 / 浮雲 amazon
肋膜(ろくまく)の痛みを幾度か胸に感じた。それは、厚いけだものの皮で胸をしめつけられるような痛みであった。
田宮 虎彦 / 絵本 (1954年) amazon
頭痛がして、どこともなく鈍い臼歯(きゅうし)で噛みつかれているような苦しさから逃れようもない重圧を感じさせる。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
怒号のように腹痛がよせて来る。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
楽しく強く味わわせる酒のようなもの
永井荷風 / 歓楽 amazon
頭がシャボン玉式にふくらむような頭痛
島田 雅彦 / 観光客「ドンナ・アンナ (新潮文庫)」に収録 amazon
足を組んで腰かけていたため左足が少し痺れていてその部分の血液がサイダーのように泡立っている。
筒井 康隆 / 夢の木坂分岐点 amazon
あれほど先生を恨んでいた私の心が、クラゲのように軟化してくる
獅子 文六 / てんやわんや amazon
生理痛とは違う、ちくちく鋭い痛みが胃のあたりでしていた。一寸法師をのみこんだ鬼のつらさが、理解できる。そんな痛みだ。@略@針の剣で胃の粘膜を突き刺されているような痛みが止まらない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
痛みは動物を凶暴にする。あたしは、ケガをした野良ネコが、毛をさかだてて牙をむくように、凶暴になった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
二サイズばかり小さな帽子をかぶったように、何かが頭のまわりをしめつける。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
男は、そのあたりでようやく強張っていた顔を緩めた。背中に取り憑いていた、「逆上の神様」が剥がれたようだった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
地が避けて熱い溶岩が流れ出したような恐ろしい激痛
三島由紀夫 / 憂国 amazon
その他の感覚を表す比喩表現
比喩表現のカテゴリ