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背中・脇・乳房・胸の比喩を使った文章の一覧(66件)
夏の雑草が庭を覆いつくしてまだ足りずに、石の階段にまで生(お)いのぼって来るように近江の深く掘り込まれた腋窩をあふれて、胸の両脇へまで生い茂っていた。この二つの黒い草叢(くさむら)は、日に浴びてつややかに耀(かがや)き、そのあたりの彼の皮膚の意外な白さを、白い砂地のように透かして見せた。
三島由紀夫 / 仮面の告白 amazon
七月の葡萄の粒のような小さな二つの乳は、これでもこの中に豊穣な実りを約束する腺や神経が絹糸ほどの細さで眠っているのだと思えば、蕾の時から実の形をつけている胡瓜(きゅうり)や南瓜(かぼちゃ)のなり花のように、こましゃくれて見えた。
平林たい子 / 鬼子母神 amazon
天に突き刺さるように並んでいる杉林の梢の鋭さを感じさせる小さな乳首
吉行 淳之介 / 砂の上の植物群 amazon
乳房が大地震のときの豆腐屋の店先のコンニャクのように震える
井上 ひさし / イサムよりよろしく amazon
小さな胸に小さい乳房が、白い盃のように貧しく膨らんでいる
川端 康成 / 掌の小説 amazon
しなびた革袋のような祖母の乳房
落合 恵子 / センチメンタル・シティ amazon
乳房が、打ちかかる平手にじゃれている小動物のように見える
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
青白い深海魚のような背中
五木寛之 / 素敵な脅迫者の肖像 【五木寛之ノベリスク】 amazon
乳首は美しい楕円形に膨らんでいる。それはオリーブの実を思わせる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
つい胸に視線がいってしまう。大きな渦巻きの中心につい目がいってしまうのと同じように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
まるでできたてのほかほかみたいに見えた
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
グレープフルーツのような大きさとかたちの、美しい一対の乳房
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
教室の黒板のように広い
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
配合を間違えて膨らみそこねたパン生地みたいなかたちをしている
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
乳房はみごとに完全な半球を描いていた。けちのつけようもない半球だ。乳首はそれほど大きくない。それはまだ柔らかく、来るべき完成形をそこで静かに模索している。乳房だけが大きく、すでに成熟を遂げている。そしてなぜか重力の影響をほとんど受けていないように見える。ふたつの乳首はきれいに上を向いている。陽光を求める蔓(つる)性植物の新しい芽のように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
まるで濃尾平野のように、起伏のない胸
中村 うさぎ / ショッピングの女王 amazon
白い元結のような幾条(いくすじ)もの乳汁
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
胸は抜けるように白かった。
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
ぐっと反身になったのが、白いシュミーズを透かして乳房を匕首のようにひらめかせ
石川 淳 / 焼跡のイエス (1949年) amazon
乳首は睡蓮のようにうす赤くて
林 芙美子 / 女性神髄「林芙美子全集〈第6巻〉女性神髄・女の日記 (1952年)」に収録 amazon
痩せて平らな胸を気にしているみずきを「せんたく板みたいだ」などと無神経なことを言う
大庭みな子 / 啼く鳥の amazon
まるで双生児(ふたご)のような白いつやつやした隆起が、胸いっぱいに行儀よく並んでいる。
石坂 洋次郎 / 颱風とざくろ amazon
七月の葡萄の粒のような小さい二つの乳
平林 たい子 / 鬼子母神「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
豊穣な稔りを約束する(乳)腺や神経が絹糸ほどの細さで眠っている
平林 たい子 / 鬼子母神「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
孰れた桑の実のような乳首
岡本 かの子 / 岡本かの子全集 amazon
豆つぶほどの乳首がくっついていた。まるで肉体の呼鈴みたい
石坂 洋次郎 / 颱風とざくろ amazon
平らな胸もとから、樹脂が流れて固まったように、小さな子供っぽい乳房が落ち
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
蕾の時から実の形をつけている胡瓜や南瓜のなり花のように、こましゃくれて見えた。
平林 たい子 / 筑摩現代文学大系 amazon
女の乳首にゴム輪が巻きつけられて乳首がナスビみたいになっていた。
村上 龍 / 紋白蝶「トパーズ (角川文庫)」に収録 amazon
蕾のように上向いた乳房
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛(新潮文庫)」に収録 amazon
小動物をあやすように、自分の乳房をじっと見て軽く揺った。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
白い昼月のような遠い乳房
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
冬瓜(とうがん)のように醜くもり上って黒ずんでいる自分の乳房
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
ルイは美々子さんの片方の乳房を下からもちあげ、乳首をもう片方の手でつまんだ。まるで子供が、ビー玉をつまむような感じだ。
富岡 多恵子 / ワンダーランド「富岡多恵子集〈3〉小説(2)」に収録 amazon
グレープフルーツのような乳房
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
トイレのすっぽんで吸いぬいたみたいになってる細い人
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
胸なんかゆうたら水風船みたいなもんで、ぱんぱんのときはええけども人によってはあのように靴下になるのです。あれ見てみ、足入れてない男もんの靴下二枚ぶらさがってるように見えるやろ
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
巻子の胸は、蚊にさされた程度の膨らみしかなく、そこに何かの操縦パーツかと思えるくらいの縦にも横にも立派に大きい乳首がついて
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
その下に蝕まれた肺が潜むとも思われぬ逆毛の生えた胸
石川淳 / 普賢 amazon
胸には白い牡丹の蕾のような紅をふくんだ冷たい丸さがある
円地文子 / なまみこ物語 amazon
胸は、うすくて、闇のなかに黄色いバター製品のように見えた
椎名麟三 / 自由の彼方で amazon
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