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我慢・諦めの比喩を使った文章の一覧(46件)
芯に冷たい鉄の棒みたいな意志を埋める
本庄 陸男 / 石狩川 amazon
お預けをくった犬のように、いつまでも栗まんじゅうをもらえない
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
かつがれているのに喜びすぎるのは損だと思っているような顔付き
木山 捷平 / 木山捷平全詩集(雨) amazon
おとなしそうな表面に、いったんこうと決めたら梃(てこ)でも動かせない、石のような硬い芯が隠されている
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
濁流で身を支える人のように二本の脚で地を踏みしめ、背後から押し寄せる力に耐える
奥泉 光 / 石の来歴 amazon
胸に一本棒を呑みこむような我慢
壷井 栄 / 大根の葉 (1960年) amazon
目の前においしそうな鰹節がころがっているのに、飼い主の監視がきびしくて手が出せないでいる猫のよう
井上 ひさし / モッキンポット師ふたたび amazon
土俵際に押し込まれた力士のように弓なりになってこらえる
後藤 明生 / 挾み撃ち amazon
激浪の中に立つ巌(いわお)のように敵勢を支える
菊池 寛 / 形 amazon
七彩(なないろ)に変わる石鹼玉(しゃぼんだま)の色のように、倏忽(しゅくこつ)に気持ちが変わる
梶井 基次郎 / 檸檬・冬の日―他九篇 (岩波文庫 amazon
彼らの性はどこにもはけ口がない。言ってみれば、性の中に密閉されている、俘囚(ふしゅう)のようなものである。
外村 繁 / 澪標 (1961年) amazon
一と晩骨のそばで通夜をして、それからすぐ忘れて、さっさと自分の任務にかえってゆくであろう。みんなはつよい。昆虫のような強靭さを持っているように、自分には見える。
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
「切って投げ出されれば、投げ出された部分だけの根を土におろして、結構生きて行ける人なのだ。」「まるで仙人掌(さぼてん)だな。」
真山 青果 / 玄朴と長英 他三篇 amazon
水を運搬するロバのごとく忍耐強く
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
彼女の心の中でひとつのドアが閉じ、別のドアが開いたような感覚がある。静かに、音もなく。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
彼女だと分かった瞬間、頭の中の電灯がぱりんと破裂し、思考が真っ暗になりかけたが、慌てて気持ちを引き締める。いうなれば、非常用電源で、無理やり平静を取り戻したようなものだ。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
爆発させることができない。ぶっ殺してやる、とぶるぶると震える自分を、どこかガラス越しで眺めている印象で、それはよく似た他人の感情を勝手に想像しているだけにも思えた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
安易な行動に走る自分を必死に閉じ込めるが、その蓋をぎりぎりとこじ開けようとする別の自分もいる。@略@一方で、我慢の蓋の隙間をほじくり、後先を考えずに行動しようと欲する自分もいる。神経を弛めると、すべてがばらばらにほつれてしまいそうだった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
彼の分別のあった心は、闘牛者の槍を受けた牡牛のように荒んでしまった。
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
真白な両方の股(もも)を弓のように踏ん張った。
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
地の底の地獄の門まで墜落してゆきたいようなやぶれかぶれな気持ち
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
獲物に飛びかかる飢えた狼のような衝動
伊藤 整 / 氾濫 amazon
信じる心は、デパートの正札のように、一夜でつけ替えられるものではないのだ。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
お民婆やは買いたてのゴム毬のように、一向ヘコまなかった。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
ギシギシという音がして、@略@どこか床が腐っているのかと思ったら、それは泰山の歯ぎしりの音なのであった。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
心に火が点いていた。 現場に飛びたい。 それは大きな発火ではなかったが、導火線を走る火種のように爆発の予兆を孕んだ願望だった。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
痛みは動物を凶暴にする。あたしは、ケガをした野良ネコが、毛をさかだてて牙をむくように、凶暴になった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
聞いてもらいたいこと、知りたいことが溢れてくると、がまんできなくなる。胸の中に風船があるみたいに、胸の中の何かが膨らんでくるのだ。胸の中で膨らんだものをそのままになんかしておけない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
まっくらな海でおぼれ、息ができなくなり、暗やみに溶け込んでしまいそうで。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
その他の感情を表す比喩表現
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