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安心するの比喩を使った文章の一覧(276件)
若い肉体を蔽(おお)っていた憂いは薄衣(うすぎぬ)の滑り落ちるように消えた。
円地文子 / 女坂
一歩あるくたびに、体じゅうの関節がダルくゆるみはじめるような気がした
安岡章太郎 / 海辺の光景 amazon
弓のようにまがった背骨をミチミチと音をたててのばし
開高健 / 流亡記 amazon
治療を終えたばかりの歯医者のように涼しい顔
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
まるで冷たい海から引きあげられて毛布にくるまれて温かいベッドに横たえられているようなそんな気分
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
風に流されるちぎれ雲のように軽い気持ち
梅本 育子 / 桃色月夜 amazon
寝足りた朝のように平凡な雑草まで眼をとめて眺めたい
横光 利一 / 厨房日記 amazon
凍てつく冷笑のつららが突き刺さる
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
刑事に向かって、ふんと鼻先に冷笑を浮かべるようなふてぶてしさ
南条 範夫 / いつかあなたが amazon
足取りが、緩やかな坂を下るように自然に早くなる
高井 有一 / 夜の蟻 amazon
僕は死んだようにぐっすりと眠っていた。僕は本当に眠りの中枢に達していたのだった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
アドバルーンになるんじゃないかと思うほど、心も体も軽い
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
頭の中で沸き返った凄い泡のようなものがようやく静まる
夏目 漱石 / 門 amazon
待っていたものが予定通りにきてくれたような安心感
高橋 治 / 女たち amazon
全身の毛穴から疲労が浸み出すような安堵を覚える
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
恐ろしい悲劇が一歩遠退いた時のごとくに、胸を撫で卸す
夏目 漱石 / 門 amazon
本当の家に帰りついたように解放される
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
空き缶の中で石を転がすような空虚な含み笑い
山本 周五郎 / やぶからし amazon
意識が朦朧としてきて、抛(ほう)り出された手鞴(てふいご)のようにしぼむ
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
段々消えて行く、狭霧のような取り止めもない意識
菊池 寛 / 極楽 amazon
幻滅と絶望の果てに、最後に縋(すが)り付いたただ一筋の光
中島 敦 / 悟浄歎異 —沙門悟浄の手記— amazon
精神が、水を吸う海綿のように豊かに潤う
清水 義範 / ジャンケン入門 amazon
漂白されたような温和な表情
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
心の尖ったところが春の陽に撫でられた氷のようにやさしく溶けて、穏やかに、平らかになる
北村 薫 / 水に眠る amazon
つかえていた澱が吐き出されるかのように、鬱病から抜け出す
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
頭も身体も麻痺してしまった人間が堆積した無知の砂漠が広がる
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
猫が昼寝してるみたいな顔
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
鋼のように固いしっかりした表情
小林 多喜二 / 蟹工船 一九二八・三・一五 amazon
目を伏せてかすかに笑みを湛えている仏像のような顔
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
しょっちゅう薄ら寒い風に吹かれているような、惨めなうっとうしい自由
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
細い穴を通る風のようにやや甲高く嗄れた息
村松 友視 / 由比正雪 amazon
肩の凝りのおりたような声
川端 康成 / 掌の小説 amazon
粘液の中に軀(からだ)を浸しているような眠り
吉行 淳之介 / 砂の上の植物群 amazon
体が枯れ木の束のように軽い
有吉 佐和子 / 華岡青洲の妻 amazon
風に流されるちぎれ雲のように軽い心持ち
梅本 育子 / 桃色月夜 amazon
眼前に黒い幕がおりるように見えなくなる
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
写真機のシャッターがおりるように急に闇になる
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
暗黒な前途を照らす光明のよう
森 鴎外 / 阿部一族 amazon
行き詰まりだと思っていた眼前に、ほっと灯がともったよう
黒井 千次 / 春の道標 amazon
生活がほっかりと夜明けの光を見る
長塚 節 / 土 amazon
目の前の厚い壁が急に取り払われて、空が明るくなったような気がする
石川 達三 / 独りきりの世界 amazon
草のような息をひとつ吐く
中上 健次 / 枯木灘 amazon
身体の中に飼っている鳩が自由な羽ばたきをあげて飛び立つ思い
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
曇天の日の底光りのように、背後で脅かされているつかのまの自由
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
重い荷物を背負った人のようだった眉つきが、雨去る雲のように少しずつ明るくなる
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
一瞬のうろたえが完璧な優位を砂のようにくずす
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
背筋が、ばねが入ったようにまっすぐ伸びる
谷村 志穂 / ハウス amazon
その上に字が書けそうなくらいぽっかりとした白い息
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
まっすぐ延ばせば月にだって届きそうなくらい長く深い溜め息
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
ハードでタイトな眠りだった。@略@固い固い鉄球の中で僕は体をくるりと丸めてリスのように深く眠っている。ビルを壊す時に使うような鉄球。中がくりぬいてある。その中で僕は眠っている。ハードでタイトでシンプルで・・・・・
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
鉄の柱でも入れたみたいに背筋がまっすぐ伸びて、顎がぐいと後ろに引かれている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
彼女が深く息を吐くと、それは狭い海峡を越えて吹き渡ってくる熱風のように天吾の乳首にあたった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
今日は水曜日だというのと同じくらい間違いないことです。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
途端、直にさびしさに触れた。その清水のような新鮮な冷たさに身震いがした。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
カイジの頭の中を幾度と無くカードが交差する。その無限の交差の中、編み込まれて行くある思考。そしてその思考によって解きほぐされていく心理という名の結び目。
重く錆び付きとても開そうになかった勝ちへの扉が今きしみつつ動き出した。扉は開かれたのだ、そしてそこから一条の光、その光はさながらカイジらを生き残りへと導く細い綱、天が垂らした救いの糸、光明、勝ちへのタイトロープ
福本 伸行 / 賭博堕天録カイジ 1 amazon
私は爽快で、ひどく晴ればれとしていた。透明な、自分がからっぽになったような澄んだ気分のまま、私は、まるで一箇の荷物のようにバスの振動に揺られていた。
山川 方夫 / 海岸物語「海岸公園 (1961年)」に収録 amazon
闇に包まれた前途に、一点の灯りをみたような気持ちを覚える
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
姿勢は良く、茶道の最中のような様子だった。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
彼女は目を細めて、縁側で眠る猫さながらの穏やかな表情になる。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
緊張や覚悟の巾着の、その口の紐が、わずかに緩みそうになった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
膨らんだ風船から空気がすっと抜けるように、力みが消えた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
妃殿下の如く優雅な気分で
高森 和子 / 母の言いぶん amazon
まるで息をしていないように眠っていた。
庄野 潤三 / 静物 amazon
全身の疲労を洗い落されるような気持
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
涎(よだれ)が流れて、私の蒲団の上までみみずのような線をひいている。
平林 たい子 / こういう女・施療室にて amazon
心地よく小波立ちながらどこまでも平らかにひろがっていく眠り
古井 由吉 / 水「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
一月の元旦の朝のようにあらたまった気分
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
それまで張りつめていた緊張のなかに、ちょうど風穴のように不意にゆるみが入った。
島木健作 / 生活の探求 amazon
今日の天気のようにうららかな気分でありたい。
谷崎潤一郎 / 蓼喰う虫 amazon
夢の中で空足を踏むような焦り
古井 由吉 / 水「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
まるで鳩がパタパタと飛び立つようにすがすがしい
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
心が糸のように解きほぐされてゆくのをかんじた。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
不純な呼びかけを霧のような静けさで黙殺した。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
泥のように疲れて眠っている。
林 芙美子 / 松葉牡丹「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
稲妻が閃めき去ったような気もちだ。恐怖と不安をひと息にとおり越したあとの静かさ
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
一重の皮を剥がれて、そのあとの生々しい肉が空気の中に浮き出されたような清爽な感じ
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
飼主が猛(たけ)っている馬をなだめるようにおそるおそる(なだめる)
石川 達三 / 蒼氓 amazon
嗜眠症患者のように眠り続ける。
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
私はほっと、わが家へ帰ったような気楽さを感じた。
森田 たま / 菜園随筆 amazon
まるで張っていた糸の一本が切れたように、心の重心の置き場をまだ見つけ得ない状態
佐多 稲子 / くれない amazon
いい気持の溜息を、鯨のように吹き上げて
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
死のような眠りにつく
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
陽炎のような希望の色が燃えた。
福永 武彦 / 草の花 amazon
硬い氷の緊張が一瞬にして融け、熱湯の羞恥が沸き立った。
島田 雅彦 / ドンナ・アンナ amazon
今日まではりつめつづけて来た心に、ほっと帯をゆるめるような安らかさを覚えたのである。
山田克郎 / 壮士行
翻弄されているような気がした。鼻先を爪ではじかれたような思いだった。
槇村 浩 / 愛の歌「間島パルチザンの歌―槇村浩詩集 (1964年)」に収録 amazon
丸太棒のように眠った
和田伝 / 沃土「和田伝全集 第2巻」に収録 amazon
身体中がほぐれるような安堵感
尾崎 一雄 / まぼろしの記 amazon
スイッチをOFFにしたような眠り
吉本ばなな / 白河夜船 amazon
海風が吹くように自由なものがある。
林 芙美子 / めし amazon
淡々水のごとく冷静な橋本先生の態度
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
深い淵の面のような冷静さ
横山 美智子 / R夫人のサロン「静かなる奔流 (1947年)」に収録 amazon
心の底にたまっていた残滓(かす)のような不安が一ペんに洗い去られたような気がしたのである。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
すべての肩の荷が下りたように、ホッとした。
獅子 文六 / てんやわんや amazon
重苦しい泥濘のような眠り
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
少しずつちぎって捨てるような苦しい溜息をついた。
林 芙美子 / 下町「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
彼は停電したようにプッツリ意識を失なった。
島田 雅彦 / 聖アカヒト伝「ドンナ・アンナ (新潮文庫)」に収録 amazon
意識の隅々にまでモルタルを流し込んだような、毅然とした態度
安部 公房 / 他人の顔 amazon
彼の気分は井戸水のように落ち着いた。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
私は思わず大きな声をあげていた。 旦那の目鼻が顔の下のほうにずり下がっていたのだ。 瞬間、私の声に反応するかのように、目鼻は慌ててささっと動き、そして何事もなかったように元の位置へ戻った。私は息を吞んだ。@略@よくよく注意してみると、旦那の顔は、臨機応変に変化しているのだった。人といる時は、体裁を保ってきちんと旦那の顔をしているのだが、私と二人だけになると気が緩むらしく、目や鼻の位置がなんだか適当に置かれたようになる。一ミリや二ミリの誤差なので、よほど旦那に興味がなければ、気が付く者はいないだろう。似顔絵の輪郭が、水に溶けてぼやっとにじむような、曖昧模糊とした変化なのだ。 本人にも気付かせようと、顔が適当になっている時に、「ねえ、ヒゲが伸びてる。」とか、「鼻のところ確認したほうがいいよ。」などとあれこれ理由をつけて、鏡に向き合わせてみた。すると鏡に向き合った瞬間、なんとなくここら辺だろうと、いい加減に置かれていた目鼻が、ピタッと整列するように本来の位置に収まる。@略@旦那の顔がいちばん雑になるのは、ハイボール片手にバラエティ番組を観ている時だということは確かだった。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
「支倉常長という男を知っていますか?」 「おお、ハセクラツネナガ」日比野が嬉しそうな声を上げた。地元のプロ野球選手を誇るような笑顔だ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
忘れ去られた黒子のごとく
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
カカシは巨大な島の支えだった。指標であり、夜に灯る明かりであり、方角を知らせる磁石だった。それを失った住人たちは、事実を受け止められず、動転している。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
セクハラ上司に耐える新米女性社員みたいに、可憐で憂鬱そうなため息だった。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
会話の端々に非常にさりげなく、彼自身のポジティヴな情報を入れ込んでくる。まるでトイレや洗面台に小さな黄色い花のポプリをそっと置くかのように。私にこれだけは言っておかなきゃならないという項目を決めてあるみたいだ。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
カーティスの顔はまるで砂絵の砂が風に吹き飛ばされるように輪郭を失い、気づいた時、翔は薄暗い店内にいた。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
完璧、無視する。実際、網戸の隙間から蚊が入ってきたほどにも感じなかったのだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
まるでエンジンの故障した飛行機が重量を減らすために荷物を放り出し、座席を放り出し、そして最後にはあわれなスチュワードを放り出すように、15年の間僕はありとあらゆるものを放り出し、そのかわりに殆んど何も身につけなかった。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
詩の一行を読むような澄んだ意識の中
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
男は、そのあたりでようやく強張っていた顔を緩めた。背中に取り憑いていた、「逆上の神様」が剥がれたようだった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
明け方の寒い光が次第に闇の中に広がるような安心
芥川龍之介 / 枯野抄
穴を見つけたモグラのように徐々に落ち着きを取り戻す
阿部公房 / 他人の顔 amazon
甘くとろけるような明かりが小さく灯ったようなハニカミ
山田太一 / 飛ぶ夢をしばらく見ない amazon
行き詰まりだと思っていた眼前に、ほっと灯りがともったよう
黒井千次 / 春の道標 amazon
恐怖もなく、自分の肉体までが水晶のように透き通っているような感じ
椎名麟三 / 永遠なる序章 amazon
自分一人が、千年も万年も生きられるような不安のない顔
林芙美子 / 夜猿 amazon
何もかもがすきとおってしまいそうなほどの十一月の静かな日曜日
村上春樹 / 1973年のピンボール amazon
猫が片手をあげてふざけている時のような甘ったれた表情
堀田善衛 / 広場の孤独 amazon
脳味噌は湯になり、体は湯にひたしたパンのようになっていた
椎名麟三 / 自由の彼方で amazon
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