外の設備・工作物の比喩表現の例文 一覧

橋のどこかが軋んでいるのが、なにか小鳥の鳴き声のようにきこえていた

１００万ドルの夜景

すっかり暗くなった街にビルの明かりがいくつも浮かんで見える。暗闇に染まることを拒むかのような小さな光の群れだった。

上の方には光の円がまるで冬の月みたいに小さい小さく浮かんでいる

ほんの少しだけ欠けた白い月が目の前に浮かんでいた。右手には新宿の街の光が、左手には池袋の街の光が見えた。車のヘッドライトが鮮やかな川の流れとなって、街から街へと流れていた。様々な音がまじりあったやわらかなうなりが、まるで雲みたいぼおっと街の上に浮かんでいた。

日の丸の旗は風がなびかないせいで元老院議員のトーガの裾みたいにくしゃっとポールに絡みついたままぴくりとも動かなかった。

ビンの底のような分厚い眼鏡

樋（とい）から雨だれが滝のように落ちる

水の踊るような運動は生き物のよう

石灰石の階段が夜の微光をのこらず集め、巨きな荘厳な瀑布のように白く懸かる

街の灯が、赤いインクでもこぼしたように点々とにじんで見える

池の水面に装飾電灯（イルミネーション）を夢のように映す

空を遠雷のような唸りを伴った砲声が渡る

蒼い夜空にしっかり食い込んだ闇の直線

夜空に怪獣の牙のように、暖炉の煙突が突き立っている

墓場のような煙突の林

旗が、激浪に揉まるる浮標（ブイ）のように激しく揺れる

喊声と砲声と銃声とが、怒涛のような響きとなって聞こえてくる

眼下に広がる街の夜景を見下ろしていた。街はまるで平板な鋳型に流し込まれたどろどろした光のように見える。あるいは巨大な蛾が金粉を撒きちらした後のようにも見える。

階段が大蛇のようにうねる

二階の階段が高圧線の鉄塔のように高くそびえている

灯の消えた街灯の硝子球が、剥きだしの白い果肉のように身をすくめて立つ

水銀灯が庭の木立と芝生を青く照らしている。何か深い水底を思わせる色だった。

誘蛾灯の青白い光の輪の中に、閉じた木槿（むくげ）白い花が小鳥の寝姿のようにぽっかりと浮いている

ネオンが、河にかかった仕掛け花火のように大きく美しく輝く

歯の欠けた櫛のように軒並みの電灯が減る

叫ぶように中空にあがる姦（かしま）しい鐘の音

垣の竹の裏側に、黴みたいな汚れがある

赤い壁がぱっと日を受けて燃えているよう

灯の消えた硝子球が、剥きだしの白い果肉のように身をすくめて立つ

希望を与えてくれるかのような温かい湯が胸のうちに広がっていく

一条の水が銀の糸のようにしたたる

銀を流すような鉦（かね）の音が、四辺（あたり）に澄みわたる

赤いネオンが金魚のようにゆらめく

橋が巨鯨の白骨のような姿

鯨が潮を噴くように水が高く上がる

夜を彩る明かりが、通りの両側をイミテーションの真珠の首飾りのようにびっしりと埋める

蜘蛛の巣のように張り巡らされた電線

古風な煉瓦塀が刑務所のように広い敷地にめぐらされる

黒い旗が闇の中で、大きな蝙蝠（こうもり）のように羽ばたく

夜露に光を奪われた灯が、染みのようにぽつぽつと闇の中に浮いている

木立の中のオレンジ色の灯りが、人の吐く息の湿り気がゆらめき上がっているようににじむ

蛇腹のように伸びた階段

シャワーが滝のように湯を吐き散らす

汗みどろになったあとのシャワーのおいしさは、格別だ。水を全身でむさぼり食う感じだ。

からだにまとわりつく魚の匂いを落とすようにシャワーを浴びる

信号のライトがもやのような暈（かさ）を帯びる

大きな水車がしぶきの息を吹き、しずくの汗をたらして、がらがらがらと恐ろしくまわる

風にあおられた垂れ幕が生き物のように裾をひるがえす

セメントの床が、乾ききった砂地のように白々とざらつく

墨のように煙突が煙を吐く

ボタンを押すと、ふと目覚めたようにその首をもたげて五階まで上がってきた

喘息持ちみたいな古いエレベーター

クリスマスみたいなイルミネーション

ごとごとごとごと、というあの老犬の咳みたいなエレベーターの震える音

ビルの屋上で点滅する赤い光は、じっと眺めているとモールス信号のメッセージに見えてくる。点滅のリズムは遅く、もったりと口をきく愚鈍な怪物を思わせた。

閉じていく（エレベーター）のドアはまるでカメラのシャッターだ。姿が視界から消えても、安藤の脳裏には女のポートレートが鮮明に残った。@略@全体像が克明に記憶されてしまった。彼女の肖像は、いつまでたってもぼやけそうにない。

切り取った細胞を顕微鏡でのぞくと、ウイルスが無数の蛇のようにうじゃうじゃと動き回って染色質の表面に喰らいついているのが分かる

煙は風にちぎれて綿ぼこりのようになって空に吸われていた。

黄色い煙（砲煙）が綿のようにわきおこって

けしかけるような風は、汚い煙突の煙を、みるみる白濛々の世界へ、襤褸屑（ぼろくず）をちぎって擲（たた）きつけるように飛ばして行った。

遠い煙突の黒煙が、しずかに絶え間なく、町の人々をおびやかすように流れた。

煤が鱗粉のように降りかかる

ときおり軟らかな風が向うの生墻（いけがき）の間から抑えつけられていた呼吸かなんぞのように押し出されて

図書館の煉瓦壁にも、半透明な霧の膜がからみつき、よく発達した黴に似ている。

破れた太鼓を敲くような侘しい音を立てて、雨が天幕の上に落ちて来る。

町のあかりであかるくなった夜空が燃えるよう

赤い煙るような門燈の光り

夜が更けて来るにしたがって黒い山々の尾根が古い地球の骨のように見えて来た。

暗い石崖が、襤褸（ぼろ）を積み重ねたように見える。

石壁が屏風のようにめぐって

切紙細工のような都会の夜景

灯入り模型都市のような遠景

垣根の蔭には白や碧（みどり）の粉のような草花が光っていた。

高台に立つ宝生邸からは蝋燭を並べたような国立の夜景が一望できる。

監視カメラが彼女の姿をとらえていることを知っていたから、青豆（人名）はファッションモデルのように背筋を伸ばし、顎を引いてまっすぐ小径を歩いた。

ミサイルがトビウオの群れのように大陸間を盛大に飛び交い、

長距離砲のような格好をしたずんぐりと巨大な煙突

煙突の林が夜の闇の中にそびえ、まるで蛇が長い舌を突き出すように赤く火を吐いていた。

手のひらには、いつもと同じ何本かの深いしわが刻まれているだけだ。それは水銀灯の奥行きのない光の下では、火星の表面に残された水路のあとのように見える。

水銀灯の光が（夜の）小さな児童公園の風景を青白く照らし出している。その風景は青豆に夜の水族館の無人の通路を連想させる。目に見えない架空の魚たちが樹木のあいだを音もなく泳いでいる。

暗い臓物のように宙に垂れ下がった電線

黒々とした太い電線が空中で蛇のように絡み合い、変圧器が据えられているだけだ。

世界の終わりを何度となく照らしてきたような水銀灯がひとつ

高熱炉の潜水艦のハッチのような重い蓋

蛇口は人差し指くらいの細さしかない。その先端はなにかを排泄しようとしてそのまま止まってしまったかのようにふたつ段々がついている。その先から透明なものが、緩やかに、緩やかに現れる。まわりの景色がその表面に映っている。洗面台が、白い壁が、麻理子の顔が、その中に閉じ込められている。それは見つめているとどんどん膨らんでゆく。そして品がないくらいまで大きくなると、一瞬涙の形を浮かべ、そしてぴたんと落ちる。 また一滴垂れる。その瞬間には次の粒が蛇口から顔を出し始める。まったく同じことを繰り返してゆく。徐々に大きくなってゆき、その表面を震わせ、線香花火の玉のようにぴたん落ちる。次が蛇口から現れる。わずかに付着していただけのちっぽけな水は、やがて仲間を吸収し、ぷくりと垂れ下がり、蛇口の先端から離れて離れてとうとう千切れる。

遠くの灯りが星のように瞬いている

罅（ひび）の入った壁からは、血が流れるように水が垂れている。

エレベーターの速度はひどく遅かった。焦らすかのようにゆっくりと、底が抜けるかのようにぐらぐらと揺れながら、動いた。

巨大な蕨さながらの背高の街灯

ビルから明かりが消えると、建物全体が瞼を閉じるかのように感じられた。

街灯が点くのは、星がひとつ増えるようなものだし、花が一輪咲くようなものだから。

長いあいだ動かなかった風見鶏が、風を受けてきしむときのような音

不機嫌に世界を拒絶する壁のように見える。

「二時間？」僕は思わず、大きな声を出してしまった。噴水がそれに合わせて、水を噴き出した。驚いた、とばかりに、ぱしゃー、と飛び、そして、いやそれほどでもないか、と我に返るように止まった。

風呂桶を長くしたような煙突

石段の石の色が、こまかく灰が降ったように見えるのは、木かげを洩れる弱日（よろび）の色だ。

風呂からあがりたてで、桜ん坊のように赤くなった礼子

黒い旗片（はたびら）は闇の中で、大きな蝙蝠のように羽ばたいた。

銀いろの煙突は買ひ立ての呼子のやうに光つてゐた。

縁側は乾拭きして、古いなりに鏡のように光っている。

小さい鼻の上のロイド眼鏡が正札をつけたように、逞しく見えた。

明るく点（とも）して泊る艦隊の灯が水平線に横たわる星河のように望まれた。

遠く上野の電気燈が鬼火のように見えているばかりだ。

晴々しい黄昏で、点きはじめた町の灯が水で濯（すす）いだように鮮かであった。

神経のような扁平な鉄管

遠くの電灯が白金のように白く光った。

流弾が時折り蚊のような音を立てて頭上を通り過ぎる。

春の明るい外光を反射して、相生橋が銀蛇のように光る

地下室のような風呂場

エレヴェーターは落ちて行く。@略@隕石のように、落ちて行く。

瓦斯（がす）の反射で、鏡のように光る廊下

星くずのような遠い灯がかすかにまたたいている。

営利会社三立化学は、海底の岩の間に住んでいる貪欲な蛸（たこ）かなにかのように、餌になりそうなもののある方向へ絶えず触手を伸ばして

大筒の音は雷のように鳴りわたり

鍵の抜けたピアノのようながらんとした車庫の中

蛇口から出る水の音が、小さな滝のようにきこえた。

小屋がけの見世物やの灯が、ほおずきみたよに見えましてなァ

柿の果ほどの電燈

笛のような音を立てて流弾が飛んで来る。

パラソルを杖のように地面に立てたまま

高射砲が花火の炸裂するような音を立て

森の梢（こずえ）には巨人が帽を脱いで首を出したように赤煉瓦（あかれんが）の煙筒が見えて

海峡の砲台は七つの頭をもった神話の怪物のように、斬っても斬っても新しい頭をもちあげてくる

砲弾は繻子（しゅす）の帯でもしごくような、しゅるしゅるという音を立て、黄塵を捲き

人魂のように街の灯が、港の水に映っていた。

一発の砲弾がちょうど、終止符のように、はっきりと哨舎の天窓を破る音が聞えた。

硝子に雨の雫を伝わらしている街燈の灯はまるで暗い人生の隅っこに泣きそべっている二人の影のように見えていた。

崖下の町の灯がいさり火のようにきらきら光っていた

噴水の水は花火の様であった。

地面に這いつくばるように立っている沼田の小さい家は、黄色く灯をともしていた。

歯を立てた櫛（くし）のような、墓標のような、杙（くい）の列

看板の上の五燭の電燈がまるで、一つ目小僧のようで

のっぺらな分厚い塀が、万里の長城のように、山裾から起って、街の全体をかい抱くように@略@その翼をひろげて起伏していた。

夜はおびただしいネオン・サインが、紺飛白（こんがすり）のように、暗い空に光っている。

城壁からは花火のように赤い曳光（えいこう）弾が音もなく飛んで来る。

石碑を大きくして立てたような四角な煙突

北側の枝だけが上まですっかり枯れて、その落ち残った根元は尖った杭を逆立ちに幹へ植え連ねたと思え、なにか恐しい神の武器のようであった。

国技館の丸屋根の灯は、王冠のように美しかった。

小さく太った狸のような大隊砲

包装された大小のシチムパイプが蛇の群れのように這い伝わっていた。

夜になると、灯が簪（かんざし）のようにキラキラして綺麗であった。

砲台は丘上に王冠型に築造されたもので@略@上からみると、全体が睡蓮の花を思いださせた。

帆柱のように林立する煙突

白熱瓦斯の下に、真白に塗り立てた娘が、石膏の化物のように坐っていた

人家の灯火は雨に流れて、色硝子を砕いたような、光った水溜りの中へ、二人は膝をついた。

りっぱな、虹のようにきれいな橋です。

サノさんのメガネを牛乳ビンの底みたいだとミノがいうと、牛乳ビンじゃあまりにも平凡だといって笑い、じゃあコーラのビンだといって笑い

断ち切れた水道管が、蛇のように鎌首をもたげていて

昔々を呼び醒ますような鐘の響き

砲列の中央に、首の短い胸の太い怪物のようにうずくまっているのは、八十ポンドの臼砲である。

広大な敷地を見下してぜんまいのように曲った背の高い水銀灯が何本も立ち並び、不自然なほど白い光を隅々にまで投げかけていた。

銀色の針金が顔に絡みついたような眼鏡

街灯が間が抜けて見えるほど街が明るい

木立の中のオレンジ色の灯かりが、人のはく息の湿り気がゆらめき上がっているように滲む

七時半には近くの教会がやけっぱちみたいに鐘をぐわんぐわんと打ち鳴らすので、嫌でも目が覚める

澄んだ星空の一端が歓楽街の明かりのせいで火事のように明るい

テラスからの白い細片は夜の中に吸い込まれるように散る

ネオンが巨大な宝石のよう

遥か向こうの港を隔てて山腹に銅色の光が塊り、その下に米軍の石油タンクの赤い灯が点っている

灯が濡れるように美しい

宝石箱の中身をばら撒いたような街の灯り

ホオズキのような明かりが灯っている

街の灯が、赤いインクでもこぼしたように、点々と滲んで見える

街の灯が夜光虫のように密集している

町々に灯りが星屑のように散らばる

蒸し暑さに電灯に灯まで汗をかいたように濡れて見える

無数のきらめく星のように街の灯が流れる

夜霞に光を奪われた明かりが、シミのようにぽつんぽつんと闇の中に浮いている