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攻撃の比喩を使った文章の一覧(51件)
銃剣の先が胸に入る。先端が肋骨のあいだへ喰いこんだ。力をこめた。数センチのめり込む。筋肉がショックで縮み、刃先が前へ進まない。強引に突き続ける。ここで断念するわけにはゆかない。ねじり込むように体重をかけて数ミリずつの感じで進めた。不意に敵の抵抗がゆるむ。銃剣が相手の体内に、チーズに突き立てた果物ナイフのように、奥深くめり込んでいった。
拓殖久慶 / ラオス内戦 amazon
まるで津波に飲み込まれるようだった。顔面に鋭い衝撃が走り、視界がぐらりと揺れる。すぐ続けて2発、3発と蹴りや拳が飛んできた。ひとりが殴り疲れてくると、今度は別の男が襲いかかる。4発、5発、6発・・・。殴られた数を覚えていたのは、30発くらいまでだった。口の中が鉄の味でいっぱいになり、少しずつ意識が薄れていく。全身から力が抜けていく。自分が立っているのか、寝ているのかわからない。とうとう御法川は床に倒れこんだ。それでも男たちは手を休めない。横たわった御法川の腹を何発も蹴り上げる。@略@とうとう御法川はぐったりして動かなくなった。男たちは我に返ったように、その場から慌てて離れていった。
428 ~封鎖された渋谷で~ amazon
刃はたしかに腹膜を貫いたと中尉は思った。(中略)自分の内部とは思えない遠い遠い深部で、地が裂けて熱い溶岩が流れ出したように、恐ろしい劇痛が湧き出して来るのがわかる。
三島由紀夫 / 憂国 amazon
癇癪を起こした子供のように続けざまに頭を打つ
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
猫背の男が、敏捷な獣のように挑みかかる
藤本 義一 / やさぐれ刑事 amazon
綱を放たれた牛のように斬ってかかる
芥川 龍之介 / 邪宗門 (1977年) amazon
ワアワアわめきながら、暴れ馬のように若者たちが飛び込んでくる
獅子 文六 / てんやわんや amazon
ザアーンと波が岩を洗うように襲う
伊集院 静 / 三年坂 amazon
太刀が身に食い入るたびに、まりをたたくような、まるくこもった音が立つ
司馬 遼太郎 / 最後の将軍 amazon
からだが火を発したように、はげしく動いて飛びかかる
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
ばったばったと人を大根みたいに斬りまくる
今 東光 / 東光金蘭帖 amazon
ガンと殴られて痙攣でも起こしたように、ぐっとのけぞる
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
後頭部がつぶれたスイカみたいになるまで殴る
村上 龍 / 走れ,タカハシ! amazon
空腹のあまり力が入らず、弱々しく放った僕のパンチは、まるで夢の中で打つスローなものだった。
劇団ひとり / 陰日向に咲く amazon
犬はごむ毬(まり)のように店員にとびついた
志賀 直哉 / 万暦赤絵 (1950年) amazon
駱駝は二足か三足ごとに、太古の武将のように頭を振り上げながら歩いていた。
川端 康成 / 春景色「伊豆の踊子・温泉宿 他四篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
拳でがんと一つ張られると、鱒(ます)は女の足のようにべっとりと動かなくなるのであった。
室生 犀星 / あにいもうと「幼年時代・あにいもうと (新潮文庫)」に収録 amazon
杉箸で河豚の腹をかんから太鼓のようにたたいて
夏目 漱石 / 道草 amazon
ミシンをかけられたみたいにずたずたにされた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
狼たちが、羊の群れの中のいちばん弱い一頭を選んで追い立てるように
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
左側の横腹を、ボクサーがフックを打ち込むように刺す。刃先が、コートの生地を突き破り、その下のニットのセーターをこじ開ける。蝉(人名)は意識を尖らせ、集中した。刃が皮膚にめり込む感触が、柄を握った指、手の平を伝って、腕、脳に届いた。表皮を切り、血が滲み、さらに刃先が奥に入る。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
斧を斜め上から叩き込むような、そんな蹴りだ。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
目の前で大きな火花が散った。 新幹線の電気系統が故障したのだ、と最初は思った。見当外れだった。木村個人の神経の信号が瞬間的に切れ、視界が暗くなったのだ。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
山田は鷹のように最後尾の伊佐をねらっていた。
小島 信夫 / アメリカン・スクール amazon
兵隊の脇腹に銃創があり、そこだけ萎んだ花弁のような形で、周りの皮膚より黒ずんで厚ぼったく変色している
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
鳥が戦いを挑むときのようにひょんひょん跳ねながらかかってゆく
中 勘助 / 銀の匙 amazon
血が簓(さきら)のように噴き出して、次々に三人の支那兵は死んだ。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
彼らの細くって長い脚は、強いバネのように、勢いよくぴんぴん雪を蹴って
黒島 伝治 / 渦巻ける烏の群 amazon
出口を見つけた溜まり水が勢いよく流れ出すように、マスコミはそれに飛びついた。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
妹のように甘えて背中をぶった。思ったより大きな音がした。
高樹のぶ子 / その細き道 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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