睡眠・眠る・寝るの比喩表現の例文 一覧

ゆっくりと目を閉じる。そしてスイッチを切るように頭の中から全ての灯りを消しさり、新しい闇の中に心を埋めた。

僕らはすっかり満腹し、温かさに躰（からだ）を軟体動物のそれのようにぐにゃぐにゃにし、板の間の藁の上へ毛布をかぶって横たわった

ぼくは、急に頭のうしろが重たくなり、その重さに負けて、ぼくの体はゆっくりと宙返りをうち、そのまま頭を下に、さかさまになって、深い眠りの海へ沈んでいった

薄明のような眠気がやってくる

その夜の洋一郎は、薬も飲まず、ぐっすりと眠ることができた。自由にみちた夜。夢までがバラ色に彩られているようだった。

死人のように横たわる

眠りがやってきて、温かい泥の中に僕を運んでいった

とろとろと浅い悪夢のような眠り

僕は死んだようにぐっすりと眠っていた。僕は本当に眠りの中枢に達していたのだった。

布団の中にもぐりこんでしっかりと目を閉じた。やがて夢のない、重い鉛の扉のような眠りがやってきた。

生まれてこのかた一度も傷ついたことのない十三か十四の女の子みたいな顔

夢の中で何度もあぶり出しのように浮かんでくる女性の顔

やっと体が通るくらいのせせこましい眠りの穴に落ち込んでいく

すっと穴に落ちたように眠る

「起きろ」という声が頭の中で壊れた拡声器のようにわんわん響く

瞼が接着剤でとめられたように開かない

意識は起きているはずなのに体がついていかない。全身の細胞が睡眠を求めてストライキを起こしているようだ。

掠れた笛のようなイビキ

地獄の底でもさ迷うような息苦しい眠り

瞼が乾いた石のように感じられる

ひどい疲労から、小石のように眠りに落ちる

ことことと石段を降りるように寝入って行く

板のように身動ぎもせずに横たわっている

煙の消えていくように目を閉じる

うつらうつらと舟を漕ぐ

鼾が高くなり低くなり、調子の悪い笛のよう

獣のようなイビキをかく

万象に疲れた人のような鼾をかく

遠くの戦車の轟きに似たような、いびきの音

芋虫みたいにゴロゴロ横たわる

熟睡でもしているように動かない

死んだ魚のようにくたばっている

虫が死んだように、横になったまま動かない

腹を波のようにうねらせて寝る

眠りの海をさまよう

足を海老のようにかがめて寝る

海老のように体を折って寝る

襟もとまですっぽり絹蒲団をかぶって、朽ち木のように寝ている

夢のもどかしさが、奇妙な襟巻のように喉に絡み付く

悪魔に追われていたみたいに青ざめて目覚める

布団の対角線上を泳いでいるような格好で、おおらかに眠っている

泥のような眠りに押し流される

睡魔が急に脳味噌を蕩（とろ）かすように襲ってくる

寝顔が少年のように安らか

鉛のように重い眠り

子を真ん中にして、親子が川の字に眠る

園児のようにたわいもなく眠る

海綿が水を吸うように、じくじく眠りを吸収する

雷のようなイビキを立てて熟睡する

魚の骨つきを裏返すように、体をぐるりとこっちへ引っくりかえす

粘液の中に軀（からだ）を浸しているような眠り

死んだようにぐったりと横たわる

とぎれがちで夢ばかり見る拷問のような眠り

母親に抱かれた子供のように、前後を知らず深い眠りに落ちる

水から揚げられた魚のように、ただ荒い息だけして横たわっている

潮騒を聴きながら海に抱かれて眠る

生きる屍のように横たわる

死の眠りのような深い眠り

死んだようにぐっすり眠る

スイッチを入れられたように不意に目覚める

意識と筋肉を結ぶケーブルは外されたまま。結点のボルトは抜け落ちたままだ。

彼は心を静め、目を閉じて眠りについた。意識の最後尾の明かりが、遠ざかっていく最終の特急列車のように、徐々にスピードを増しながら小さくなり、夜の奥に吸い込まれて消えた。

よくいるかホテルの夢を見る。 夢の中で僕はそこに含まれている。つまり、ある種の継続的状況として僕はそこに含まれている。夢は明らかに継続性を提示している。夢の中ではいるかホテルの形は歪められている。とても細長いのだ。あまりに細長いので、それはホテルというよりは屋根のついた長い橋みたいにみえる。その橋は太古から宇宙の終局まで細長く延びている。そして僕はそこに含まれている。 @略@ホテルそのものが僕を含んでいる。僕はその鼓動や温もりをはっきり感じることができる。僕は、夢の中では、そのホテルの一部である。 そういう夢だ。 @略@（夢から覚めて）手脚をゆっくりと伸ばしてみる。そして自分がただの自分であり、何処にも含まれてなんかいないことを確かめる。僕は何処にも含まれていない。でも夢の中の感触を僕はまだ覚えている。そこでは僕が手を伸ばそうとすれば、それに呼応して僕を含んだ全体像が動く。水を利用した細かい仕掛けのからくりのように、ひとつひとつ注意深く、段階ごとにほんの微かな音を立てながら、それは順番に反応していく。僕が耳を澄ませば、それが進行していく方向を聞き取ることができる。

突然眠りがやってきた。舞台の暗転みたいな一瞬の急激な眠りだった。眠りに落ちた瞬間のことを僕はちゃんと覚えている。巨大な灰色猿がハンマーを持ってどこからともなく部屋に入ってきて、僕の頭の後ろを思いきり叩いたのだ。そして僕は気絶するみたいに深い眠りに落ちた。

ハードでタイトな眠りだった。@略@固い固い鉄球の中で僕は体をくるりと丸めてリスのように深く眠っている。ビルを壊す時に使うような鉄球。中がくりぬいてある。その中で僕は眠っている。ハードでタイトでシンプルで・・・・・

長いハードな一日だった。犬のように眠りたい。

その音はすごく遠くから聞こえるようでもあり、近くのようでもあった。僕の知らないうちに地球がいくつもの行き来できない細かい絶望的な層に分かれていて、その近接した層のどこかからもれ聞こえてくるような感じの音だった。物哀しくて、手が届かなくて、そしてリアルだった。

ふらっと立ち寄って、回れ右して引き返していくような眠気

魚のようにすっとベッドを出る

頭の半分はまだ温かい泥のような無意識の領域に留まっている

体の中に一片の眠りも存在しなかった。まるで干しあがった井戸のように僕は目覚めていた。

死んだ犬みたいにぐったりと足を開げ、投げ出している

無理に起こそうとすると、頭上のハエを追い払うように両手を振り回し、顔をしかめて嫌そうな声を上げる

肩を揺すって起こすと、男は猫のようにからだを伸ばして、手の甲で目をこすり、ブルブルッと顔を横に振る

頭を抱えて胎児のように体を丸めている

いろいろの雑音……がすべて彼の睡い耳に溶け合って、さながら子守唄のように聞かれた。

私は哲生のたてる物音を子守歌のように頼もしく感じて眠りについた。

あたりが寝静まると、家のどこかが微かに軋みはじめる。それが、時には、家の歯ぎしりのようにきこえる。時には、すすり泣きのようにもきこえる。

眠りのうえを、優しい恋人の愛撫のように、微かな雨脚が渡りつづけているのだ。

屍のように横たわる

俺たちはモーターのように無感覚で、疲労することを知らない道具である

小犬のように転がり回ってふざける

敷布団の上に、ふたりは二個の直線でしばらくそうしていた。

父親は何もせず、ただ家で横になって寝ていた。そういう時、その男はまるで電源を切られた、うす汚れた何かの装置のように見えた。

自分が新しい人間になっていることに天吾は気づいた。目覚めは心地よく、腕や脚の筋肉はしなやかで、健全な刺激を待ち受けていた。肉体の疲れは残っていない。子供の頃、学期の始めに新しい教科書を開いたときのような、そんな気分だった。

外の世界と自分の世界を厳密に隔てるように、掛け布団を首まで引っ張り上げた。

岸に打ち上げられた鯨のように横たえたまま

冬眠中の小動物のようにぐっすりと眠っている。

小さなふいごのような寝息

目覚めたときにはほとんど何も覚えていない。夢の微かな切れ端のようなものがいくつか、意識の壁に引っかかっていることはある。しかし夢のストーリーラインは辿れない。残っているのは脈絡のない短い断片だけだ。彼女はとても深く眠ったし、見る夢も深い場所にある夢だった。そんな夢は深海に住む魚と同じで、水面近くまでは浮かび上がってこられないのだろう。もし浮かび上がってきたとしても、水圧の違いのためにもとの形を失ってしまう。

二つの異なった世界が、彼女の意識を無音のうちに奪い合っている。まるで大きな河口で、寄せる海水と流れ込む淡水がせめぎ合うように。

足を踏み外して、真っ暗な底なしの穴に落下していくような深い眠りだった。瞼が自然にかぶさり、次の瞬間に意識が消滅した。

寝袋の中で蝉の幼虫のように身体を丸く縮め、暗い天井を見上げた。

睡魔はまるで古代の棺の石蓋のように容赦なく彼の頭上にのしかかっていた。

背骨が弱っているみたいに机に片頬と片耳をべったりくっつけて寝ている。

闇を見つめて悶々としているうちに、じりじり時間がたっていく。　夜中の一時近くなって、やっと眠気の尻っ尾をつかんだような気がした。それを慎重にたぐり寄せていく。ドブネズミのようなその長い尾を引いていくと、その先に短い夢があった。灰色の淋しい街の風景のような、一瞬の夢。

ベッドに寝かせられると一分ほどで眠りにはいった。エレベーターで際限なく降りていくような落下感があった。

眠気は津波のように寄せてくる。呑み込まれる寸前で聖美は必死で留まる。それが繰り返された。意識は朦朧となり、うねりとなっていったりきたりしていた。

怪獣みたいないびき

そんなに寝てたら目が溶けちゃう

ほの暗い灯りとやわらかい音楽が徹夜つづきの連日のおびただしい疲労を溶かしてくれるようだった

隣の部屋から、野獣の寝ているようないびきの声に混じって、時々歯をきしむ音が聞こえてくる

上下の目蓋（まぶた）が仲よくなる

駒代は全く強盗にでも辱められたようなあられもない寝ざま

潮を噴くようにイビキをかく

この音楽は、わたしを揺すぶって悔恨のような、不安な、夢の多い浅い眠りにゴトンと陥没させるのです。

まるで息をしていないように眠っていた。

死のような仮睡（まどろみ）に落ちた

棒杭のように身体を投げ出し

身動きすると苦しく、目をつぶると靄（もや）のような眠気がかぶさってくる。

釘抜きで挟まれたように眠くなった。

ふとりすぎて、フトンのように寝ている小母さん。

君の寝顔は憂鬱な白薔薇のようで素敵だよ。

涎（よだれ）が流れて、私の蒲団の上までみみずのような線をひいている。

今にも溶けそうな頬

妖術をかけられている娘のようにも思われてくる。

寝床のなかに、実をとったあとの莢（さや）のように、兵太のからだが長くのびている

心地よく小波立ちながらどこまでも平らかにひろがっていく眠り

眠った子供はだらりとして、固体から半分液体になりかかっているように圭子の両腕の真中に垂れた。

唇は開いたまま、時々樋（とい）に水の溜るようないびきをあげている。

頭を枕に落すと同時に、まるで機械のように簡単に眠りに落ちる

蠎蛇（うわばみ）のような鼾を掻き

まだ眠くて堪らない小犬のように眼をつむったまま加奈子の笑い声をうるさがった。

犬の仔のようにころがりあっている。

すてきに偉大な鼻は約五秒置きぐらいに自動車の警笛に似た発声とともに異様な震動を起すのであった

ごろりと横になり、古畳の上で腐ったようにうとうと

蒲団は薄いのが一枚しかない。彼はその中にくるまって、柏餅のようになって寝た。

寝入るときはそのままねむりの中ヘズブ沼に沈みこむようにひたすら体をゆだねていけばそれでいい

祝祭の花火のような夢

泥のように疲れて眠っている。

麻酔がかかったように眠ってばかりいる。

朝々の目ざめはいつもぽおっとした熱のようなものが、瞼の上に重く蜘蛛の巣のように架っていて

蒲団から亀のように首を出す

銀は赤子を起きぬように、莢（さや）からぬけるように少しずつからだを抜いて出 した。

母上は疲れ果てたように、間もなく破れた草笛のような、かすれた小さい寝息を立てて眠った。

笛のような寝息

汽車の出発を知らせる大ベルの音が、彼の耳には現（うつつ）と睡（ねむり）との間に絶えようとする一線のように幽かに遠く聞かれたのであった。

嗜眠症患者のように眠り続ける。

突然、暗い漏斗の底からぐいと引き摺（ず）り上げられたように、はっと眼が覚めた。

仰向くと蟇蛙（ひきがえる）を前から見たように真平（まったいら）に圧しつぶされ

閉じた長いまつ毛も、枕に広がる髪も、まるで本物の眠り姫のように清楚で美しく

火にあぶったスルメのように、ふんぞり返ってしまって

子守唄のようになってかれのたましいをフワフワとねむりの国へさそいだしてくれる

死のような眠りにつく

かれはねむりの砂をかけられたように

無心に眠っている藍子は、夜の間に却って発育する若根のように、その生気を溢らして、足でしきりに着物の裾を蹴拡げる。

丸太棒のように眠った

目が糊づけにされたように渋って来た。のめるようにひたすら眠い。

ひどい疲労から小石のように眠りに落ちた。

一枚の蒲団だけでは寒くて寝つかれなかった@略@露営をしているような落ちつきのなさである。

スイッチをOFFにしたような眠り

沈みこむように寝入った。

重苦しい泥濘のような眠り

睡魔が鉛のように重く、打ち克ちがたく私に襲ってくる。

他人の家で目覚めると、いつも別の体に別の魂をむりやり詰めこまれてしまったような感じがする。

豚みたいないびき

谷底へ転がり落ちていくような眠気

畳に髪を広げて眠りに落ちていく私たちはスイッチを切った眠り人形みたい

彼女の寝顔は、私の寝顔みたいに、熟睡するとあったまったプリンみたいに横に広がって目鼻立ちがのっぺり見えるようなこともなく利発そうだ。

まるで浜辺にうちあげられた人魚のようにしっかりとタオルにくるまったまま

双子は缶詰のオイル・サーディンのような形に並んでベッドにもぐりこんだまま

頭の中はまるで古新聞を丸めて押し込んだような気がする。眠りは浅く、いつも短かかった。暖房がききすぎた歯医者の待合室のような眠りだった。誰かがドアを開ける度に目が覚める。

この何日かの疲れが巨大な波のように突然彼に押し寄せてきた。そして血液の中を生ぬるいかたまりがゆっくりと巡った。

絃は上掛けをだんごに巻きつけていくのではなく、眠りながらよくこんなに器用にできるなと感心するほど、逆円錐状に身体に沿って巻きつけていくので、足の方が先細りで腕も肩も隙間なく包まれている。彼の後ろ耳、エジプトのミイラみたいに布の巻きついた身体のなだらかな曲線、本当にかすかな寝息。

スイッチがパチンと切り替わるように、あっさりと眠りに落ちた。彼女は最近よく眠る。深く冷たい沼をさまようように、静かに眠るのだ。

温かくやわらかい泥の中にずぶずぶと入っていくような感覚

生まれた家では、夜おそくよく汽笛が響いてきた。天井板のこみいった木目に怯えて、寝付かれない子どもの耳に、それが騒音というにはあまりにもか細い、なにか優しい未知の華やかさのように聞こえてきた。ちょうどそれは、おもいがけない遠くでさざめいている都の夜のようなものである。

聴くまいとするのに耳が起きている。時計が兵隊の行進のようだ。

死人のような顔で寝る

すやすやと赤ん坊のように眠る

石像みたいにごろりと横たわる

天使の寝息

眠っているときにしばしば見せる夢のような笑顔

眠りはいつもジュエリー・ケースに施された絹の内張りのようになめらかで、わたしは重みのある宝飾品のようにすとんと心地よくその中に落ちた

丸太ん棒のように人が寝ている

無防備な寝顔が赤ん坊のようにあどけない

夢は目覚めるとともに、ぼんやりと薄暮の中に溶ける山の景色のように曖昧になる

幼児のように泣きながら眠り込む