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呼吸の比喩を使った文章の一覧(90件)
腹の底に、欠伸の素が粉にでもなってふわふわ舞っているように、生暖かい欠伸が出て、止まらない
谷村 志穂 / ハウス amazon
生あくびが泡みたいに胃の奥から上がってくる
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
深い海に潜るダイバーのように深呼吸
七尾 与史 / 死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) amazon
細い穴を通る風のようにやや甲高く嗄(しわが)れた息
村松 友視 / 由比正雪〈上〉 amazon
虫歯を冷やすように口をひん曲げて音をたてて息を吸う
梅本 育子 / 桃色月夜 amazon
ふいごのように息を吸ったり吐いたりする
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
胸いっぱいの感動を吐きだすように、未明の空をふり仰いで大きく息を吐く
山本 周五郎 / やぶからし amazon
胸から咽喉へぐるぐるっと音を立ててこみ上げ、ばたりと止まったぜんまい仕掛けのような巻き上げる呼吸
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
鯨のような長い呼吸を吐く
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
伝令の馬のように白い息を吐きながらやって来る
安岡 章太郎 / 質屋の女房 amazon
沸騰したヤカンのような息づかい
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
マラソン選手が決勝点へたどりつくような、激しい息づかい
中村 真一郎 / 夜半楽 (1959年) amazon
犬のように男の匂いを嗅ぎ分ける
石川 達三 / 独りきりの世界 amazon
細い穴を通る風のようにやや甲高く嗄れた息
村松 友視 / 由比正雪 amazon
草のような息をひとつ吐く
中上 健次 / 枯木灘 amazon
酸素の足りなくなった金魚よりもせわしなく、大口をあけて空気を吸いまくる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
うちひしがれた獣のように、荒あらしい呼吸に胸を起伏させる
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
風邪をひいたけちな小動物みたいに、ぜいぜい喉を鳴らす
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
その上に字が書けそうなくらいぽっかりとした白い息
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
まっすぐ延ばせば月にだって届きそうなくらい長く深い溜め息
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
パイプの中に何かが詰まっているようなごろごろとした居心地の悪い音
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
彼女はその深い緑の風景を呼吸しているようだった。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
伝令の馬のように、白い息を吐きながら
安岡 章太郎 / 悪い仲間 amazon
その匂いをすいこんでいると自分が空気中に口をだしてぱくぱくやっている金魚のような気がした。
野間 宏 / 真空地帯 amazon
まるで体中が肺ででき上った人形ででもあるように、幾度も幾度も飽かずに深呼吸をしている
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
初舞台を踏む新人女優のように、ふうっと大きく息を吐く
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで 2 amazon
大きく呼吸をした。あたりの空気を思い切り吸い込み、思い切り吐き出した。鯨が水面に浮上し、巨大な肺の空気をそっくり入れ換えるときのように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
彼女が深く息を吐くと、それは狭い海峡を越えて吹き渡ってくる熱風のように天吾の乳首にあたった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
男が大きく息を吐く音が聞こえた。深い井戸の底から立ち上るゆっくりと太い吐息だった。それから次に息を大きく吸い込む音が聞こえた。森の樹木のあいだを吹き抜ける烈風のごとく荒々しく不穏だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
呼吸は通常の呼吸ではなかった。身体全体をくまなく使って行われる、特別な目的と機能を持った呼吸だった。肩胛骨と横隔膜が大きく動き、拡大収縮している様が思い浮かぶ。@略@長く厳しい訓練によってしか習得することのできない特殊な呼吸法だ。@略@やがて大きな機械が操業を終えるときのように、呼吸が段階を踏んで止んだ。呼吸と呼吸とのあいだの間隔が徐々に長くなり、最後にすべてを絞りきるように長く息が吐き出された。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
深い海底からようやく浮かび上がってきた人のように、大きく息を吸い込み、それを吐き出した。身体中の空気を丸ごと入れ換えるみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
肺をいったん空っぽにし、少し時間をおいて新しい空気で満たした。冷ややかな空気が無数の棘となって、胸を内側から刺した。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
体全体が肺になったかの如く、大きく肩で息をする。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
喉の渇いた獣のようにあえぎつづけて
芥川 竜之介 / 地獄変 amazon
顔の前の行燈(あんどん)を吸い込むような大欠伸(おおあくび)
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
発情した馬のように荒い息を吐きながら。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
犬のように口で息をしながら
安部 公房 / 他人の顔 amazon
老人はとつぜん、「ああ、ああ」と夜鳥のやうに大声を出して長い欠伸(あくび)をした。
丸谷 才一 / 横しぐれ amazon
マラソンでもしているように、胸が喘いだ。
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
静寂の世界に雁皮紙(がんぴし)のような薄い呼吸を洩らしながら
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
息を一ぱい口の中に吹き込み、千子の体を護謨(ごむ)風船のようにぱんと一度に破裂させてみたくなる
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
いい気持の溜息を、鯨のように吹き上げて
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
火のような息づかいをしながら怒鳴った。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
胸や腹に波の起伏のような烈しい呼吸を打たせ
石坂 洋次郎 / 山のかなたに (1954年) amazon
喉は破れた笛のように悲鳴をあげる。
芝木 好子 / 隅田川暮色 amazon
盛夏の犬のようにハアハアと舌を出した。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
鼻の穴からおなかの底まで、ずーっとしみわたって、まるで全身が透明人間になってしまいそうな感じ
小出 正吾 / ジンタの音「小出正吾児童文学全集 (3)」に収録 amazon
冷たい水をいきなり浴びせられたように一瞬、呼吸が止まり
島田 雅彦 / ドンナ・アンナ amazon
輪のような欠伸(あくび)がつづけざまに吹き上がった。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
ゲーッ、ゲーッと腹の底から込みあげる蒸気のようなゲップを遠慮会釈もなく放出して
牧野 信一 / 鬼涙村 amazon
少しずつちぎって捨てるような苦しい溜息をついた。
林 芙美子 / 下町「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
細く長い息を糸のように吐く。
久保田 万太郎 / うしろかげ「市井人・うしろかげ (1950年)」に収録 amazon
野獣のように、荒い息づかい
川崎 長太郎 / 伊豆の街道 amazon
セクハラ上司に耐える新米女性社員みたいに、可憐で憂鬱そうなため息だった。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
百メートルを全力疾走した後のように息が上がっている
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
机にうつぶし泣いているような、哀しい咳
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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