日本語表現インフォ > 比喩表現の一覧 > の比喩 > 笑う・笑みの比喩表現
笑う・笑みの比喩を使った文章の一覧(201件)
凍てつく冷笑のつららが突き刺さる
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
空き缶の中で石を転がすような空虚な含み笑い
山本 周五郎 / やぶからし amazon
百日の日照りの石だたみよりもなお乾いた笑い
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
口もとに微笑が、日にかがやいている出水(いずみ)のように湧き上がる
佐藤 春夫 / 佐藤春夫 amazon
玉を転がすような笑い声
井上 靖 / 風林火山 amazon
笑顔が悪鬼のようにゆがむ
真継 伸彦 / 鮫 amazon
20ワットの白熱灯のような顔で笑う
鷺沢 萠 / 葉桜の日 amazon
ぱっと音を立てて朝開く花の割れ咲くような笑顔
横光 利一 / 微笑 amazon
十年来の友達にしか見せないような屈託のない笑顔
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
皮膚が輝き出すような柔らかい笑顔
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
赤児が初めて笑い出す靨(えくぼ)のような消えやすい笑い
横光 利一 / 微笑 amazon
トラクターのエンジンがかかったような笑い声
レイモンド チャンドラー / 湖中の女 amazon
はっはっと男のように闊達に笑う
壷井 栄 / 大根の葉・暦 (1980年) amazon
少女のようにくすぐったそうに笑う
高橋 三千綱 / 涙 amazon
野イチゴをつみに森へやって来た少女のように微笑みを浮かべる
大原 まり子 / イル&クラムジー物語 amazon
貝がらをすり合わせるような奇妙な声で笑う
五木寛之 / CM稼業 【五木寛之ノベリスク】 amazon
いやな汁をいっぱいに含んだ海綿のような笑い
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
仲のいい中学生同士のように、お互い目くばせしながら面白そうに笑う
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
凱歌をあげるような笑い声が廊下を遠ざかって行く
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
平家蟹のような人の好い顔つきで笑う
壷井 栄 / 大根の葉 (1960年) amazon
壁が崩れるような笑い方
獅子 文六 / てんやわんや amazon
爆笑がおこって、雷が鳴りひびくときのように伝わって行く
小島 信夫 / アメリカン・スクール amazon
繊細な硝子細工のように、ひどく脆くて危険な微笑
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
ユーモアを讃えるオホホ笑いの霧がたちこめる
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
笑い声が銀の弓弦が鳴るように胸を震わせる
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
癖のある投げたような笑い方
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
口もとを般若のように裂いてにんまりと笑う
真継 伸彦 / 鮫 amazon
トマトを輪切りにしたような、大口をあける笑い方
獅子 文六 / てんやわんや amazon
雲間から再び太陽が顔を出したような感じで、晴ればれと温かく屈託のない微笑
森 瑤子 / 風物語 amazon
老猫が媚びを呈するかのような笑み
司馬 遼太郎 / 最後の将軍 amazon
ゴムのように伸びた笑みを浮かべる
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
表情が止まった空白の上を、さざ波のように微笑みが広がる
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
ひ、ひ、と猿のような笑い
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
壁に書かれた字を読みあげるみたいに乾いた平板な声ではははと言った
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
チェシャ猫みたいな幅の広い微笑
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
力なく微笑んだ。木の葉の間からこぼれる夏の夕暮れの最後の光のような微笑みだった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
普段は開けることのない抽斗(ひきだし)の奥からひっぱり出してきたような微笑みだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
笑うことはあまりないが、いったん笑うと顔中が笑みになる。しかしそうなっても、とくに楽しそうには見えない。不吉な予言を準備しながらほくそ笑んでいる、年期を経た魔法使いとしか見えない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
微笑みを浮かべるときのように口の両端を少し横に広げたが、実際には微笑みは浮かばなかった。その暗示のようなものがあっただけだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
口元には明け方の三日月のような笑みが浮かんでいた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
公のアルバムに載せるために撮られた写真のように
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
老人はそう言うと、口を開けずにコゲラのような声で笑った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
ただくすくす笑っていた。何がそんなにおかしいのか天吾にはわからなかった。誰かがどこかで「笑い」という札を出しているのかもしれない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
女教師は満足そうに微笑んだ。小さな瞳の中で何かが陽光を受け、遠くの山肌に見える氷河のようにきらりと光った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
自分がやっていたせいか、私は無理して笑っている人をすぐ見抜ける。大きな笑い声をたてながらも眉間に皺を寄せ、目を苦しげに細めていて、そして決まって歯茎を剥き出しそうになるくらいカッと大口を開けているのだ。顔のパーツごとに見たらちっとも笑っていないからすぐ分かる。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
口は輪ゴムみたいに丸くゆるんで、顔を赤くして笑っている。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
「ぎゃははははは」 三婆が揃って笑うと、目の前は金歯とのどちんこの品評会になった。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
無邪気な、見ているこちらの胸に日が射すような、あどけない笑みを浮かべ
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
顔のなかをお祭りでも通ったみたいに、にやにや笑ってる。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
噴水のような哄笑の衝動
開高 健 / 裸の王様 amazon
青年の見せた微笑が、青い陰質の花のように美しい
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
微笑は霧のようなものに変り
安部 公房 / 他人の顔 amazon
張り切った綱が切れたように、突如として笑い出した。
横光 利一 / ナポレオンと田虫 amazon
糸が切れたように女が笑い出した。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
女がとろける様な笑いを目もとに湛えて
内田 百けん / 東京日記「東京日記 他六篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
「あはははは」としゃぼん玉のような笑い声を真正面から浴びせた。
十一谷義三郎 / あの道この道
フッ! と木魚をたたくような飾りけのない笑いが二つ三つボクボクと湧いた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
転がるように笑い出した
永井 荷風 / おかめ笹 amazon
風の中で、時間が止まったようにそうして微笑んで
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
顔をあげて微笑む。ほほが夕陽に輝き、それは、まるで一刻ずつ姿を変えてゆくまぶしい夕空のようにはかない笑顔だった。
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
子供たちは豆のように弾けて笑った。
林 芙美子 / 風琴と魚の町 amazon
甲高く鳥の叫ぶような声が切れ切れに聞こえた。女の笑い声のようだ
日野啓三 / 夢の島 amazon
落葉のような乾いた笑いをまき散らしながら
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
彼女はよく笑った。それは、彼に、洗ったばかりの葡萄の房の綺麗な粒がいくつも転って行くような印象を与えた。
清岡 卓行 / アカシヤの大連 amazon
箸がころげたのを見たように明るく笑いながら
有吉 佐和子 / 恍惚の人 amazon
咲(え)み割れるような、今の女中の笑い声が揺れて来る。
徳田 秋声 / 新世帯 amazon
空気をひっかくような甲高くかすれた笑い声。
日野 啓三 / 夢の島 amazon
「きききき」と夜行性の動物が鳴くような声で男たちの笑う声が聞こえた。
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
彼女は春の芝生のように明るく笑い
池谷 信三郎 / 橋 amazon
唇のはしにかすかな笑いといえばいえる笑いをかげのようにうかべ
井上 友一郎 / 牡丹「日本の文学〈第64〉井上友一郎,田宮虎彦,木山捷平 (1970年)ハイネの月 菜の花 足摺岬 絵本 牡丹 大陸の細道 初恋 他」に収録 amazon
ある種の鳥類のような笑い声
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
赤児が初めて笑い出す靨(えくぼ)のような、消えやすい笑いだ。
横光 利一 / 微笑 amazon
固い頬の肉で蒟蒻(こんにゃく)のように笑った。
和田伝 / 沃土「和田伝全集 第2巻」に収録 amazon
ふ、ふと湯玉が上ってくるように笑いの玉がこみ上げて来て、大きな声で笑っていた。
向田 邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
若い女の自然な笑いではない。死にかけた鳥が叫んでいるみたいだ。
日野 啓三 / 夢の島 amazon
無理に押し出したような笑い
二葉亭 四迷 / 浮雲 amazon
人なつかしげな笑いが波紋のようにひろがって
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
石垣もくずれるように笑い
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
咳のような笑い方で笑った。
平林 たい子 / 桜「平林たい子全集 2」に収録 amazon
あの人懐こく温かな笑顔に接している間、たしかに彼女は太陽の明るい陽ざしの下にいるような快さを感じた。
藤沢桓夫 / 君に告げん
互角の綱引きをした相手を眺めるような寛大な微笑をたたえて
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
ホトトギスの声をもっと陽気にしたような声で笑って
木山 捷平 / 長春五馬路 amazon
女面のようなほのかな笑いが漂っていた。
円地 文子 / 女坂 amazon
試合に勝った野球選手のような、とてつもない明るい笑顔
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
歯を剥き出して狂犬病の犬の如く笑う
島田 雅彦 / 聖アカヒト伝「ドンナ・アンナ (新潮文庫)」に収録 amazon
母親は撫でるように静かに笑った。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
津波のように皆がどっと笑い出した。
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
真っ黒の顔の中の赤い唇がにこにこ動いて、泥田の中にぱっと蓮(はちす)がはころびたような印象を与えた。
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
急に火がついたように笑い出す
川端 康成 / 雪国 amazon
そこはかとない暗(やみ)にのまれてゆくような手ごたえのない笑い
円地 文子 / 女坂 amazon
怺(こら)えきれなくなって機関銃みたいに笑ってしまったわ。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
人は、完全のたのもしさに接すると、まず、だらしなくげらげら笑うものらしい。全身のネジが、他愛なくゆるんで、これはおかしな言いかたであるが、帯紐(おびひも)といて笑うといったような感じである。
太宰 治 / 富嶽百景 amazon
五月の朝そのもののような
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
この変な親娘は、友達のように笑い合った。
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
風を受けた花が揺いで匂うように、左衛子は急に笑顔をひらいた。
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
フフフフと、木を磨り合せるような短い笑い声を洩らした。
石坂 洋次郎 / 石中先生行状記 amazon
ぱっと音立てて朝開く花の割れ咲くような笑顔だった。
横光 利一 / 微笑 amazon
天井を打ち貫(ぬ)くような鋭い笑声をあげた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
「ハ、ハ、ハ、ハ」逸見が枯木でも折るような調子で笑って
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
「支倉常長という男を知っていますか?」 「おお、ハセクラツネナガ」日比野が嬉しそうな声を上げた。地元のプロ野球選手を誇るような笑顔だ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
笑うと目尻がゆるんで、日なたのこもれびみたいに周りが暖かく明るくなる
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
めったに見せない極上の笑顔だ。美咲のこの笑顔に接するたびに、あたしは花を見る。ほころびかけた小さな花の蕾だ。美しくて、清々しい。胸の奥が熱くなる。こんなふうに、花のように微笑むことのできる人を、あたしは美咲より他には、まだ知らない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
けけけと美咲は、山姥みたいな笑い方をした。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
あたしは美咲の笑顔に花を見る。花びらがはっきり分かれているものじゃなく、朝顔みたいに一枚に繫がっていて、ロート状になっている花。ふるっと揺れて、ねじった布が解けていくように、ゆっくり開花していく花だ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
くすくす笑いじゃなくて、胸の辺りから笑いの漣がこみ上げてくる感覚
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
唐突に噴き出した。硬い口の線や顎の輪郭が崩れて、くっくっと小刻みに揺れる。美咲の笑顔は美しい。普段のむっつりとした表情の崩れるさまが美しいのだ。 硬い殻を割ったら中から思いがけなく美しい珠が出てきた。そんな感じ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
売春という客商売で鍛えられた笑みは武道の型に近いものがある。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
間違いなく微笑みでありながら、彼の印象的な眼差しのせいで、桜の花びらのようにもろく繊細な表情に見えた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
子供のような笑顔も見せた。生きていると面白いことがある、という風に
永井龍男 / 永井龍男全集〈1〉(「あいびき」から) amazon
その笑顔をたとえるなら、冬の湖の空にちらりと太陽が光を落としたように思える
木山捷平 / 河骨 amazon
テレたような、だまってオナラした人がするような笑いをうかべた
安岡章太郎 / ガラスの靴 amazon
野放図に明るい、北海道の夏の空のような笑い
内田康夫 / 釧路湿原殺人事件 amazon
人の心持ちを何でも下等に浅薄に解釈して一人見抜いたような得意の薄笑いを浮べ
長与善郎 / 青銅の基督 amazon
その他の感情を表す比喩表現
その他の人物を表す比喩表現
比喩表現のカテゴリ