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気配・予感・予想の比喩を使った文章の一覧(70件)
私はこれをきいた時、暗い部屋にパッと電灯がついたような気がした
深沢七郎 / 月のアペニン山「楢山節考」に収録 amazon
頭の中で静電気がはじけたような気がした
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
青竹を炙って油を絞るほどの苦しみ
夏目 漱石 / 門 amazon
ぞろぞろと群がる蟻のごとくに現れる考え
夏目 漱石 / 門 amazon
敏感なアンテナのように、人の言葉の裏にあるものを見分ける
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
頭の中にさーっと稲妻が走る
胡桃沢 耕史 / ごきぶり商事痛快譚 (1) amazon
直感に鋭い針が一本突き刺さる
藤本 義一 / 標的野郎(ターゲット・ガイ) amazon
ポンと筒が抜けたように工夫がつく
獅子 文六 / てんやわんや amazon
深い水の底から浮かんでくるように、考えがぽっかりと浮かぶ
松谷 みよ子 / オバケちゃん amazon
胸に天来の啓示のごとく考えが閃く
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
考えが美しい音楽の調べのように忍びこむ
エドガー・アラン ポー / 落穴と振子 amazon
想念が素早い小天使の翼のような軽やかさで、意識をかすめて飛び去って行く
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
胸の警戒信号が半鐘よりも高く鳴り響く
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
ささやかな予感がした。頭の中を音のない弾丸のように素早くさっとその予感がよぎった。予感には小さな字で「車を何処かで停めたほうがいい」と書いてあったような気がした。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
ユキはしばらく黙っていた。暗示的な沈黙だった。僕はそれ以上何も言わずにその暗示の行く先を見守っていた。年をとると暗示の暗示性というものが少しは理解できるようになる。そしてその暗示性が現実の形をとるまでじっと待つことを覚えるようになる。ペンキが乾くのを待つのと同じように。@略@十分ほどあとで、ユキは僕の肩に顔をつけて泣き始めた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
彼女の頭にいろんな知識が反射的に浮かんできたのだ。開いた窓から一群の鳥が部屋に飛び込んでくるみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
天吾は小説を書きながら、自分の中に新しい源泉のようなものが生まれていることに気がついた。それほどたくさんの水がこんこんとわき出てくるわけではない。どちらかといえば岩間のささやかな泉だ。しかしたとえ少量ではあっても、水は途切れなくしたたり出てくるようだ。急ぐことはない。焦ることもない。それが岩のくぼみに溜まるのをじつと待っていればいい。水が溜まれば、それを手で掬(すく)うことができる。あとは机に向かって、掬い取ったものを文章のかたちにしていくだけだ。そのようにして物語は自然に前に進んでいった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
牛河の頭の中で、ベニヤ板でできた安普請(やすぶしん)の仕切りを誰かが叩いていた。「牛河さん、牛河さん」と呼びかけていた。牛河は目を閉じ、その呼びかけに耳を澄ませた。声は小さいが執拗だった。俺は何かを見逃しているようだ、と彼は思った。何か大事な事実がこの書類のどこかに記述されている。しかし俺はそれを読みとれないでいる。ノックの音はそれを知らせているのだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
「耳クソも、何にもない、綺麗だと思っていても、一生懸命耳をかき出すと、白くて大きいものがポロッと出てきたりするじゃないか。思い出なんてそんなもんで、やたらひっかけばひっかくほどどんどんとれていくもんさ」
林 真理子 / エンジェルのペン「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
カイジの頭の中を幾度と無くカードが交差する。その無限の交差の中、編み込まれて行くある思考。そしてその思考によって解きほぐされていく心理という名の結び目。
重く錆び付きとても開そうになかった勝ちへの扉が今きしみつつ動き出した。扉は開かれたのだ、そしてそこから一条の光、その光はさながらカイジらを生き残りへと導く細い綱、天が垂らした救いの糸、光明、勝ちへのタイトロープ
福本 伸行 / 賭博堕天録カイジ 1 amazon
彼女の発する言葉から真意の輪郭を切り取るような気持ちで、鋏を動かした。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
ぱっと唐突に、思考の洪水が終わり、視界が良くなる。頭の中は空になる。やるべきことは一つに思えた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
思いもかけなかった考えがその時倉地の体に鉋(かんな)をかけるように走った。
井上 光晴 / 小説ガダルカナル戦詩集 amazon
閃く稲妻のように、ひろ子の心を一つの思い当りが走った。
宮本百合子 / 風知草 amazon
その時、僕はひらめいた。つむじのあたりから僕の立つ地面に向かって、光が刺し貫いたようだった。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
日比野は優しかった。犬が飼い主の気分を察知するのと、似ている。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
眉間を突かれた気がした。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
眠りから覚めたような思いにとらわれ
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
天使の羽根みたいに空から降りてくるの
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
中毒や窒息や詐欺がいくつも湧き出してきては、彼の左指とどうしても交わらない座標を通り過ぎていった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
地下に流れる水脈を、無意識に察知できる人間がいるのと同じように、人の嘘が分かった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
情報が積み木だとすれば、情報から推測する仮説は、積み木の城だ。つい先ほどまで、成瀬の頭の中には城ができあがっていた。林の死体を発見した時にも、その城が崩れることはなかった。自分の推測は誤っていないと確信したほどだ。それが電話のリダイヤルボタンを押して、響野が出た瞬間に崩れた。予期していない積み木が上から降ってきたようだった。 響野が電話に出る理由が見あたらない。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
ずっと気になっていたこと、心の底でゆっくりと渦を巻きながら濃くなってゆく霧のようなものの正体が、ふと少し見えた気がした
池澤夏樹 / 真昼のプリニウス amazon
ぽっと小さな豆電球に明かりが灯るように気づく
島尾敏夫 / 格子の眼 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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