人通り・人の往来の表現・描写・類語

人通りは完全に途絶えている

活気を帯びた雑踏の音が津波のように寄せてくる

仕事を終えた人たちが通りいっぱいにひろがって、川のように絶えず流れていく

人の流れの中で棒杙（ぼうくい）のようになって、しばらくショーウインドーを眺めつづける

町じゅうの人間が全部街頭にあふれ出てきたみたいな混雑の絶頂

人間のながれが、縦横無尽に入り乱れ、《…略…》泥鰌（どじょう）の生簀（いけす）のようだった。

人の流れは港内の泡のようにゆっくりと動いていた。

とある土曜日の午後。立川駅周辺は大勢の買い物客と買い物しない客で大混雑。

（電車が止まる）新宿駅で国電と接続する丸ノ内線が停まってしまったために、人の流れに混乱が生じ、人々は右往左往していた。帰宅ラッシュの時間は過ぎていたが、それでも人混みをかき分けて歩くのはやっかいな作業だった。

人波の中に吸い込まれて判別がつかなくなる。

若いハイカラ男やハイカラ女が雑踏にまじってあちらこちらへ歩るいている。流行のみなりをしていそいそと、まるで尾ひれを振ってあるく金魚かなどのようにしなしなと品をつくッて歩るいている。

都心の賑やかな通りの人波のなかへ身を投じた。ちょうど、海水浴場で水際に身を沈めて、海水に馴染もうとする人のように。

人波は、水溜りのお玉じゃくしの群のように、後から後から押して来ては揺れうごいた。

人通りが減っていた。もとからそれほど通行人のいる場所でもなかったが、それにしても少ない。

秋の陽ざしがあって舗道があかるい。人も自動車も、おだやかな光の中でいそがしく動いている。

寂しい一本道

（銀座の人波）むらな雨雲のように押し合って塊ったり、意味なく途切れたりしつつ、大体の上では、町並の側と車道の側との二流れに分れて、さらさらと擦れ違って行く。すると、それがいかにも歓（よろこ）びに溢（あふ）れ、青春を持て剰（あま）している食後の夜の町のプロムナードの人種になって、特に銀座以外には見られぬ人種になって、上品で綺羅（きら）びやかな長蛇のような帯陣をなして流れて行く。

一人ゆっくり横柄に自動車のヘッドライトの中を歩いて自動車の警笛を焦立たせた。

鋪道（ほどう）は灯の川だ。人の洪水だ。

（立ち止まって話していると）南に向かう人々の話し声や体臭や着ているものの色合いが、大きな濁流のように邦彦の傍を横切っていた。