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月の光・月明かりの表現・描写・類語
黒い空に銀紙でも張ったような明るい月
阿刀田高 / ミッドナイト物語 amazon
川面に映った月が波に砕けて、ひっくり返した宝石箱のようにきらめいていた
郷原宏 / わが愛の譜 amazon
月明かりに蜜柑が狐火のようにポツポツと浮かんで、まるで夢のともし火の海
川端康成 / 掌の小説 amazon
窓からさしこんでくる月の光は様々な事物の影を長くのばし、まるで薄めた墨でも塗ったようにほんのりと淡く壁を染めていた
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
微かな月光が城下の街を、墨絵のように浮かばせる
菊池 寛 / 忠直卿行状記 amazon
月の光が鉱物質の硬さで樹木や敷石へ降りそそぐ
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
月が花の色を微かに映して、この世のものとは思えぬ底光りのするような絢爛さ
曽野 綾子 / 夫婦の情景 amazon
月の夜の明るさが万象に影を失わせ、その隈どりが浮き上がって見えるように思える
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
青白い月光が夢のようにそのあたりの風物を包む
志賀 直哉 / 志賀直哉小説選〈1〉(濁った頭) amazon
雲間から覗いた細い月が、仄かに青い二つの長い影を小路に落としている
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
月光がこうこうと音を立てて、野の上の家を青い光の底に沈ませる
川端 康成 / 掌の小説 amazon
澄み切った月が、暗く濁った燭(しょく)の火に打ち勝って、座敷がいちめんに青みがかった光を浴びる
森 鴎外 / 佐橋甚五郎 amazon
窓からもれる銀色の月光が、室内を水底のように浮き上がらせる
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
雨戸の節穴から、凄いほど透き通った月の光がさし入る
北村 薫 / 水に眠る amazon
月の光に重さを感じるほど満身に月光を浴びる
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
月が渡船場の船縁にキラキラと美しく砕ける
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
月の光が川面にちらちらと動いて編み針のように入り交じる
ジュール・ルナール / にんじん amazon
林の梢に砕けた月の光が薄暗い水に落ちてきらめく
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
道沿いの細い水が月の光を砕きながら流れる
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
山の端の月の光が凍っているよう
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
月の光が、熱のない光線を入り江の両岸に、隈なく降り濺(そそ)ぐ
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
指が透き通るくらいたっぷりと月の光を含ませる
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
雪夜のように白い月光
檀 一雄 / 花筐「花筐―初期作品集 (1979年)」に収録 amazon
月の光。水の底にいるような青い光のなかに寝そべって、足の先でハンモックをゆすぶり
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
水のような月の光を浴びて
長塚 節 / 土 amazon
玉を繋ぐ細い糸筋のような月の光
宮本 百合子 / 伸子 amazon
蛇の鱗のようなつめたい月の光り
郡 虎彦 / 道成寺(一幕劇) amazon
(月は)ためらうような光を地上に落としている
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
氷のごとく澄める月影
高山 樗牛 / 瀧口入道 amazon
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