日本語表現インフォ > 人物表現 > 動作・仕草・クセ > フラダンス
フラダンスの表現・描写・類語
(フラダンス)それに、ステージの上のあざみさんはだれよりも輝いていた。 長い髪の毛が生き物のように揺れ、スカートがきちんとリズムを刻んで、顔はうっとりと優しく微笑み、肌はぴかぴかに黒かった。裸足の足が床に触れるごとに世界が喜んでいるのがわかった。ああ、世界は今彼女を愛している。そして彼女も大きな美しさを世界に返している、そう思った。 その交歓は官能的ではあったが、全く 淫靡 ではなかった。 まるで花が性器であるその部分を太陽に向かって大きく開いてその香りや色で人びとや虫たちを幸せにしているような感じだった。生まれてきたこと、今、この世に存在することの歓びがあふれていた。それは一方的なものでなくて、世界も彼女がいることを喜んでいるのだった。踊りという言葉でそれは空間に広がって、また戻ってくる。その光に私は魅せられた。 ああ、こういうのが恋っていうんだ。世界も彼女に恋をしているけれど、彼女を欲しがってはいない、そう感じた。それなのに彼女は全身が蜜みたいに甘くしっとり濡れている。世界は彼女を見たがっている。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
あざみさんが踊りだすとまわりの空気も表情も切り替わるので、私もいつもながらはっとした。あざみさんが動くごとにたくさんの花が見えるようだった。香りもしてくるし、その量も形もめくるめく勢いとそして不思議なゆるやかさで伝わってくる。 その裸足の足は床をなでるように動いてゆく。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
歌の意味に合わせてマサコさんはゆっくりと波の形をその細い腕で作った。私はそこが急に静かな砂浜に変わったのを感じた。波が寄せてくる。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(フラダンサーは)病室でも踊っていた。最後の日のパパはそれをうっとりと見ていた。天女を見るみたいな目で。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
あと 4 個の表現が登録されています
ログインして全部見る
ログインして全部見る
類似・関連の強い・参考になる表現 |
南の島踊る・舞う |
同じカテゴリの表現一覧
動作・仕草・クセ の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ