日本語表現インフォ > 風景表現 > 昆虫・虫 > 蚊・ハエ
蚊・ハエの表現・描写・類語
酸っぱいような蚊の唸り声
徳田 秋声 / あらくれ amazon
夢現(ゆめうつつ)のようないらいらしい心を責め苛むように耳につく蚊の唸り声
徳田 秋声 / あらくれ amazon
腹のふくれたぐみのような蚊
島木 健作 / 生活の探求〈第1,2部〉 (1950年) amazon
冬の蠅 とは何か? よぼよぼと歩いている蠅。指を近づけても逃げない蠅。そして飛べないのかと思っているとやはり飛ぶ蠅。彼らはいったいどこで夏頃の不逞 さや憎々しいほどのすばしこさを失って来るのだろう。色は不鮮明に黝 んで、翅体 は萎縮 している。汚い臓物で張り切っていた腹は紙撚 のように痩 せ細っている。そんな彼らがわれわれの気もつかないような夜具の上などを、いじけ衰えた姿で匍 っているのである。
梶井基次郎 / 冬の蠅 青空文庫
(冬のハエ)日蔭ではよぼよぼとしている彼らは日なたのなかへ下りて来るやよみがえったように活気づく。《…略…》彼らを見ていると彼らがどんなに日光を恰 しんでいるかが憐 れなほど理解される。とにかく彼らが嬉戯 するような表情をするのは日なたのなかばかりである。《…略…》日なたのなかから一歩も出ようとはしない。日が翳 るまで、移ってゆく日なたのなかで遊んでいるのである。
梶井基次郎 / 冬の蠅 青空文庫
(ビンの中のハエ)壜のなかのやつも永久に登っては落ち、登っては落ちている。
梶井基次郎 / 冬の蠅 青空文庫
荷車に山のように白い豆腐のおからが盛りあげて、蠅 がゴマのようにはじけている。
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫
一匹の 蠅 が、額を流れてくる汗を 舐めようとして、しつこく顔のまわりに飛んできた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
一匹の 蠅 が、格子から飛びこんできて、ねむけを誘う羽音をたてながら司祭の周りを廻りはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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