日本語表現インフォ > 風景表現 > 昆虫・虫 > 蝉(せみ)
蝉(せみ)の表現・描写・類語
ちりちりともつれたように短い啼音(なきね)を立てて、蝉が飛び移った
三島由紀夫 / 金閣寺 amazon
蝉の声が海のように鳴る
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
蝉が俗界の執念を奏でるように鳴きさかる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
熱した油で水滴がはじけたような暑苦しい蝉の合唱
阿久 悠 / 瀬戸内少年野球団〈上〉 amazon
耳の底で潮騒のように鳴り響いている蝉の声
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
(蝉の)羽全体が植物の芽生えに髣髴(ほうふつ)していた。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
あの鳴き声(蝉)は、いやですねえ。何だか人間の声のようじゃないですか。
梅崎 春生 / 桜島 amazon
蝉のトンネルとでも云いたいほど、騒々しく鳴きしきる
里見 トン / 美事な醜聞「初舞台・彼岸花 里見トン作品選 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
池のまわりの木立から蝉の声が遠い海鳴りのように巨大なかたまりになってかれらにおしよせてくる。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
裏の丘陵は一ぱい蝉時雨で、丘が動き出しそうだ。
岡本 かの子 / やがて五月に「岡本かの子全集〈4〉 (ちくま文庫)」に収録 amazon
何かが燃え出しでもしたかのように、蝉がひねもす啼き止まなかった
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
煮えつくような蝉の声の中にじっと坐って
夏目 漱石 / こころ amazon
油を焦がすようだった蝉の音も次第に消えて行く
水上 瀧太郎 / 山の手の子「俤 (百年文庫)」に収録 amazon
油蝉が油を煮るように喧しくなき出した。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
熬(い)りつけるような油蝉の声
長塚 節 / 土 amazon
裏の松林で鳴く油蝉が、濁った余韻のない響を、乾燥した空中にベルトのように吐き出していた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
鼻のつまったようなみんみん蝉の声
長塚 節 / 土 amazon
遠い林の中でニイニイ蝉が痺れるような声で鳴いている。
古井 由吉 / 谷「川端康成文学賞全作品〈2〉」に収録 amazon
つくつく法師が、地獄の使者のような不吉な韻律を響かせながら
梅崎 春生 / 桜島 amazon
寄せてはまた打ち返す波のようなその(ヒグラシの)声
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
どこからともなく蜩(ひぐらし)の声が金鈴の雨を聴くように聞えて来る。
白柳 秀湖 / 駅夫日記 amazon
近くの森から蜩(ひぐらし)の声が追いかけるように聞える。
志賀 直哉 / 網走まで「清兵衛と瓢箪・網走まで (新潮文庫)」に収録 amazon
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