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電話で話すの表現・描写・類語
(話し相手が黙って、)ものすごく遠くの方で女が喋っている声が聞こえた。長い廊下の向こうの端から聞こえてくるような声だった。小さくて乾いていて、妙な響き方をした。内容までは聞き取れなかったが、それはとても辛そうな声に聞こえた。辛そうに、途切れ途切れにその声は話し続けていた。《…略…》まるで死人が語りかけているみたいだな、と僕は思った。長い廊下の端の方から死人が話しかけている。死んでいるというのが、どれほど辛いことなのかについて。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
受話器を耳に当てると風の吹く音が聞こえた。流れに身を屈めて透明な水を飲む、美しい鹿たちの毛を軽く逆立てながら、狭い谷間を吹き抜けていく気まぐれな一陣の風だ。しかしそれは風の音ではなかった。機械を通して誇張された誰かの息づかいだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
とても穏やかな声だったけれど、まるで井戸の底から響いてくるように聞こえた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
国際電話特有の、あの音がぷつぷつとぎれる感じ
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
萃(人名)はしょっちゅう電話をよこした。熱い日に彼女の声を聞いていると、耳の奥から心が腐って行くような感じがした。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
べつに何もない」と僕は言って椅子に座り、左手に持っていた受話器を右手に移しかえた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
電話の向うで椅子にゆったりと座りなおし、脚を組んだような雰囲気が感じられた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
「最悪ぅ。」 と遠いラインの向こうで栄子が言った。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
どこかの居酒屋にでもいるらしい大町の背後からは、騒々しい人の声がしていた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
電話を通してきこえてくる彼女の声は遠く、無機質なものに 歪められていた
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(見知らぬ女性からの電話)黒く伸びた電話のコードの先に闇があって、その闇のなかに女がひとり坐っている。顔も姿も見えないが、自分と同じように受話器を持って坐っている。
向田邦子 / 花の名前「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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