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肉全般の味、おいしさを伝える表現・描写
松阪の牛が丹精こめて飼育された処女なら、この伊賀牛はこってりと脂がのった年増女である
佐藤隆介・近藤文夫・茂手木雅章 / 池波正太郎の食卓 amazon
艶のある赤黒い肉片を生姜醤油にちょいと浸して口にすると、まずひんやりした感触が快い。柔らかくて穏やかでほのかに甘い味は舌を包み、二三度口を動かすと、それだけで、川の流れに舞い落ちた牡丹雪のように溶けていく。
丸谷才一 / 食通知ったかぶり amazon
紛れもない肉の繊維の抵抗があって、今自分は肉を食べているのだと思っただけで何か非常に満足な気持ちになった
吉田健一 / 甘酸っぱい味 amazon
あらゆる肉の中でもっともすばらしい肉と言っていいのかもしれない
海老沢泰久 / 美味礼讃 amazon
火にかけられた鉄板の上に血の滴るような内臓(モツ)をのせ、二本の鋭利なフライ返しで細かく刻んでいく
沢木耕太郎 / 深夜特急 大二便 ペルシャの風 amazon
肉汁が抜けていてそのままではパサパサするが、ソースをまぶすとしっとりとなって、柔らかい肉の感触と味わいを取り戻す
雁屋哲 / 美味しんぼ76巻 amazon
骨にしがみ付いている肉のうまさというものは、人間より舌の越えた犬や猫でも目の色が変わるほど
萩昌弘 / 男のだいどこ amazon
「マグロ」の刺身のような労働者の肉片
小林多喜二 / 蟹工船 青空文庫
2センチ角ぐらいにコロッと切った、山かけのまぐろさながらの牛肉
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
肉食人種は、肉そのものを味わう。たとえパサパサカサカサでも、よくかんで、そのなかから肉の味をさぐり出す
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
(伊賀牛)赤い肉の色に、うすく靄がかかっている。 鮮烈な松阪牛の赤い色とはちがう。 松阪の牛肉が丹精をこめて飼育された処女なら、こちらの伊賀牛はこってりとあぶらが乗った年増女である。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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