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幸せ・幸福な気持ちの表現・描写・類語
大黒天のように、幸福な顔つきをした老人
岩田豊雄 / 岩田豊雄創作翻訳戯曲集(東は東) amazon
夢としか思えないような酔ったような幸福な瞬間
中村 真一郎 / 女たち amazon
僕達の幸福は世界中の餓死者を無視した上に成り立つ閉鎖された空間なのだから。
中村文則 / 教団X amazon
体中がやさしく柔らかに、手足のはしばしまで、溶けてゆくような幸福感が湯のように流れている
大原 富枝 / 婉という女 (1961年) amazon
二人の放つ幸せな光に圧倒され、急に興奮して照れくさくなり、いたたまれなくなった。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
なんとも言えない幸福な感謝の心が、おさえてもおさえてもむらむらと胸の先にこみ上げて来た。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
心から幸福を感ぜずにはいられない。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
彼等の不幸に残酷な悪意に充ち満ちた歓びを感じずにはいられなかった。
芥川竜之介 / 歯車
からだがカッとするほどの幸福感が押し寄せてくる。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
いつもすっと眠れた。 それよりほしいものは、今、思いつかないので私は幸福だった。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
子供のように幸福
有島武郎 / 或る女(後編)
好もしいものを見るという幸福な顔
岡本かの子 / 巴里祭
人生の幸福はやっぱり翼のある青い鳥じゃないでしょうか
岡本かの子 / 母子叙情
ほんの些細 なことがその日の幸福を左右する。
梶井基次郎 / 城のある町にて
梶井基次郎 / 城のある町にて
梶井基次郎 / 冬の日
あんまり幸福なせいか、かえって淋しくて仕様がない。
林芙美子 / 新版 放浪記
顔は何か輝いていて幸福そう
林芙美子 / 新版 放浪記
神様がほんの少しばかりそばへ寄って来たような温い幸福を感じる。
林芙美子 / 新版 放浪記
明日から幸福になる前ぶれの風が吹いて来たような気がする。
林芙美子 / 新版 放浪記
(幸福とは)道端にはしきりにそこいら中の人を呼びとめて「幸福とは何だと思いますか」と必死にたずねている人達がいた。《…略…》しかしそのおかげで、急ぐ私の心には一瞬、幸福を想う残像がすーっと桃色の尾をひいた。幸福をうたういくつかの名曲のメロディーも、次々と心に流れたような気がした。 しかし、と私は思った。 決して届かないふうなところに、もっと強く金色に光るイメージがあって、みんなが本当に欲しいのはそれなような気がする。希望とか、光とかを全部集めたよりももっと強烈なもの。 それは、駅前で幸福についてたずねているとどんどん逃げていってしまい、お酒を飲みすぎるとぐんと近づいてきて、あたかも手に取れそうに思えるもの。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
幸福なんて言葉、人はしょっちゅう使わないでしょう?
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
私は幸せだった。 ハイになっていたわけではなかった。ハイ、というのは必ずつけがまわってくる片手落ちの状態だ。ある夜、取り残していた部分が突然押し寄せてきたりする。 私の状態はむしろ、「安心」に近かった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
楽しくて好きな人たちに囲まれて、幸せ街道を突っ走ってる。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
(幸せな日々)桜が散ってしまった後も、街のあちらこちらで白や黄色の花が開き、軽く滑らかに流れる二人の会話は屈託のない笑いに守られて、第一そのどこにも、不幸を暗示する言葉や疑惑をさしはさむ隙間などなかった。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(幸せな日々)春が過ぎていく間、麻酔剤の作用で鈍磨した痛覚とでもいうべきものが十和子を包み込んでいたが、それはどことなく淡い幸せに似ていた。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
幸福感が十和子の全身を包み込む。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
今までに味わったことのない多幸感が手足の先にまでみなぎって、知らぬ間に微笑んでいる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
深く内から押し広げられてゆくような幸福
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
(蠣を食べると)何か小さな物が舌の上に残ったので、彼はそれを指の先に落して見た。それは目高の眼程の小さい真珠だった。 勿論 大きさからいっても別に 価 のあるものではなかったが、口へ入れたものから、そんなものの出たところに何かしら幸運らしい気持が感ぜられた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
胸には静かな幸福な気持が自然に 湧き上って来た。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
涙ぐむほどの幸せに漬かりきる
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
彼は至上の幸福がついに完成したことを知り、歓喜に酔った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
二人は笑った。幸せだと思い込めば思えるような気がした。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
一種陰性の幸福感が身内に溢れる
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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