鍋もの・鍋料理の味、おいしさを伝える表現・描写

鳥の水炊きはあっさりしてるけど上品な味付けでうまい

鍋は、人が寄り、囲むことで、より美味しく食べられる料理。この冬は、家族や友人と会話を楽しみながら、多彩な鍋に舌鼓をうつ

中身を食べ終わった後の汁での雑炊も楽しみ。熱い熱いとフーフー言いながら食べると、窓ガラスが湯気で曇っているのに気づく。

鍋料理は、けっして煮冷ましを食べるということはない。クツクツと出来立ての料理を食べることが何よりの楽しみである。だから、鍋料理ほど新鮮さを感じられる料理はない。

熱々の鍋料理を食べると、体ががぽかぽかして本当に気持ちいい

湯気がうれしい鍋の夜

さっぱりとしたスープは雑炊に格別

ダシもスープも出ないような水炊きに、水炊き用の缶詰を加える。皮から出た黄色い水玉の脂がギラギラしていて、味の補修ができる。すごく脂っこくなって旨い。

ままごとにでも使いそうな小さな土鍋にハマグリがぐつぐつ煮えている

（魚鍋）いささか荒っぽいが、頭や尾っぽがついたままの魚をぶち込んだほうが、鍋はうまい

白魚と豆腐の小鍋。春のにおいが湯気に立ち上っている。

（きりたんぽ鍋）味のついた汁は鶏がらのだしが効いて、たんぽとの相性は抜群。うっすらと焼き色がついたたんぽを口に入れると、コクのある汁がじわっと染み出てなんとも言えぬ味。

鍋の湯が立ち騒ぐ

（ぼたん鍋）ぼたん鍋の固形燃料に仲居さんがチャッカマンで火をつけた。いのししの肉は赤みを残したままでも食べられますからと仲居さんに勧められ、早めに箸ですくい上げて食べてみると、甘くやわらかく、くさみはまるでなく、牛やブタとはちがってどこか野生的な風味でおいしい。添えつけのお野菜やエノキとよく合う。

土なべのまま食卓にだすのが趣きがある。

なべ料理はさっぱりしすぎて敬遠していたのに、なにかというと「おなべにしようか」というふうになったのは、年のせいであろうか。

おなべをするとき、最後はおじやや、うどんの煮こみを作る。そして出来上りぎわにほぐした玉子をかけてとじる。この玉子とじのおじやがたべたいためにおなべをするのだ

この冬は、一度もなべ料理をしなかった。いっしょになべをつっつく相手がいなくなってしまったから。

壺のような細長い鍋

寒いから、何か寄鍋（よせなべ）でもつつきたい