夕方の表現・描写・類語

斜陽が水面に金色の影をキラキラ落とす

家々の白壁が夕陽を照り返して明るい

すっかり日が陰る

夕闇がまだ浅い水底のような青みを残している

沈みかける夕日を浴びて、白皙の顔が茜色の染まる

黒ずんだ雲の堆積の間に、夕日の一点の紅が沈む

夕陽が血のように赤い

夕映えは、燃え立つような赤さ

朱を含んだ紫陽花色の夕空が街の上にひろがる

朱を流しながら灼熱の太陽をどっぷりと飲み込んでいく海

夕焼けのほとぼりに映えた宵空が、切り紙細工のような屋根の黒さをくっきり浮き出している

夕闇が広がるにつれ、空は氷が張ったようにしんとしてくる

だいぶ傾いた陽が影法師を細長く斜めに地に映す

昏（く）れかかった灰色の空が、墨の滲みのような濃淡を去来させている

日は西の地平に傾き、宵闇がすぐそこに迫りつつあった

地下倉のなかに夕暮は微細な霧のようにしのびこんでくる。

水のような夕やみが、ひたひたと水車小屋のなかにみちてきた。

高原の宵闇は羽をひろげるように容赦なく押し迫って一切の形を黒の溶液 　に溶かしこんでしまう。

ポーッと次第に上の方へと赤みがかった山の肌。まるで破瓜期（はかき）の少女の陰毛のようにポヤポヤと見えるのは、やっぱり立木の群だろう。

あたかも雁が黄昏の先触れでであるかのように、急に空から黄昏が降りて

午後の光がいくらか薄れ、あたりに夕暮れの気配が混じり始めた。

窓の外にあるのは、そこにあるのは夕闇の予感に染まった松林だけだった。

午後の陽光の記憶が薄れていくにつれて、空っぽの部屋は急速に冷え込んでいった。

太陽はもう柿のような色になって一日の役目を終えようとしている。

辺りが紫色に暮れ出す

輪郭を夕闇に溶かし、ただの濃い影となった建物

紅い鼻緒の立った籐表の女下駄が、日ぐれどきの玄関のうす明りに、ほんのりと口紅のように浮んでいる

暮れの街の沈んだ色彩のなかで、暗い渋みを帯びた金色のコートを着た二人の娘はまるで燈台のようだ。

西空の雲が灰色とオレンジ色のまだら模様に染まっている。まだ明るさを残す上空とは対照的に、闇色に染まりつつある地上の街並み

夕暮れの空を背景に犬と人間が歩いていく。はるか長い旅の始まり」 「映画にありそうですよね。ロードムービー」

窓から差し込む光の濃さで、日が傾いてゆくのが分った。

太陽が海をあめ色に染めていた。波も船も灯台も、すべてがその色合いに飲み込まれていた。

日の目が見えなくなる

日が傾き出したのであろう。さっきから見ると、往来へ落ちる物の影が、心もち長くなった。

町はすでに青い影の中にすっぽりと飲み込まれていて、でも湖だけがぽっかりと空の赤を映している。あちこちの斜面に、ピンク色の夕もやが湧き立ちつつある。人家からは夕餉の煙が何本も狼煙のように、細く高くたなびいている。町の上空を舞うスズメが、放課後の埃みたいにランダムにきらきらと輝いている。

すこしずつ、気温が下がっていく。すこしずつ、光が褪せていく。

夕陽の名残がほとんど消えつつある。もうすぐ夜が来る。

太陽はもうよほど西に外（そ）れて、十本ばかりの青いはんのきの木立の上に、少し青ざめてぎらぎら光ってかかりました。

太陽はこのとき、ちょうどはんのきの梢（こずえ）の中ほどにかかって、少し黄いろにかがやいて居（お）りました。

短かい秋の日はようやく暮れて、巻煙草の死骸（しがい）が算を乱す火鉢のなかを見れば火はとくの昔に消えている。

陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時

日がいち早く蝕（むしば）まれる

朝の山には朝の命が、昼の山には昼の命があった。夕方の山にはまたしめやかな夕方の山の命がある。山の姿は、その線と陰日向（かげひなた）とばかりでなく、色彩にかけても、日が西に回るとすばらしい魔術のような不思議を現わした。峠のある部分は鋼鉄のように寒くかたく、また他の部分は気化した色素のように透明で消えうせそうだ。夕方に近づくにつれて、やや煙り始めた空気の中に、声も立てずに粛然とそびえているその姿には、くんでもくんでも尽きない平明な神秘が宿っている。

もう気の早い蝙蝠（こうもり）が二三匹ひらひら舞っていました。

街に、灯がともりはじめた。

水も砂も船も一いろの紅硝子（べにガラス）のように斜陽のいろに透き通る明るい夕暮

肩を高低させている向う岸の建物の影は立昇る河霧にうっすり淡色の夕化粧を見せて空に美しい輪廓を際立たしている女の横顔（プロフィール）のようだ。

たそがれの気を帯びて黒い一と塊りになりかけている広場を囲む町の家々に燦爛（さんらん）と灯がともり出した。

しいんとした薄暮のいろが低く水面に降りていた。

三階の旅館は日覆をいつの間にか外（はず）した。 　遠い物干台の赤い張物板ももう見つからなくなった。 　町の屋根からは煙。遠い山からは蜩（ひぐらし）。

一本の落葉樹が裸の枝に朱色の実を垂れて立っていた。その色は昼間は白く粉を吹いたように疲れている。それが夕方になると眼が吸いつくばかりの鮮やかさに冴える。

溪間を冷たく沈ませてゆく夕方

露店が店を畳む時刻

（夕方）僕はこの頃今時分になると情けなくなるんだ。空が奇麗だろう。それにこっちの気持が弾まないと来ている

夕陽がだんだん燃えたって来る。

夕方だった。それぞれの家の中に青が入ってきて、電気をつけさせるころ。

夕方の香りを含む午後遅くの光が、街を透明に照らしていた。路地のひとつひとつに家々からはみだした植木が薄い影を落としていた。

季節らしさのこもった夕暮なり。

（庭のデッキ・チェアで眠りから覚めると）日は西に傾いて、松の木の枝の影がくるぶしのあたりまで僕の体をすっぽりと包んでいた。時計の針は三時四十分を指している。

輪郭の光ったビルがずらっとそびえていて、ギラギラと西日が 射していて

夕刻の金に光る町の中

夕方の気配が、街にしのびよってきていた。陽にはかすかにオレンジが混じり、西の雲は明るく光りはじめた。

日は西に傾き、何もかもがうっすらとオレンジ色に見える。海は静かに夜の準備に入ろうとしている。店のイルミネーションが点滅を始める。

夕方、遠くのほうで陽が落ちて、空がうっすらと赤くなり、やがて金星が強く光って、空の色が濃くなってくる。

空は、ゆっくりと濃さをますだけで、相変わらず透明すぎるほどの青さをたたえていた。

静かに夜の気配が増してきて、すれちがう人や走って帰って行く犬をぼんやりとしたシルエットにする。

やっぱり一日にさよならするのはこの時間なんだな。すきまがあるもんね、息つぎみたいに静かに、何もかもが惜しくなってさ。

行き交う車の半分はヘッドライトを 点し、半分はフォグランプだけ、という時間帯だ。

やがて、ひしめき合う屋根や広告塔が夕闇に包まれるよりずっと早い時刻に、遠く近く次々と、人工の灯火が鈍く点りはじめる。立てた襟で耳まで覆って眺め続けていると、闇からも光からも仄白く遊離した陰のない風景が、冷気に潤んだ目のなかでかげろうのように揺れる。

（小高い）この場所から、 黄昏 ていく街並みを見ているのが好きだ。こうして、点々と点りはじめる灯りをぼんやりと目でたどっていくのが。屋根瓦のかたちが見分けられなくなる直前に、カラスどもが決まってやかましく騒ぎ立てる時刻がある。その時刻を境に昼が夜に変わる。

広告塔やビルの壁面でイルミネーションが明滅しはじめているが、まだ昼の光が残っている。光も闇もチャイナ・ブルーの青に溶け合ってしまう時間だ。

まだ暮れきらない。昼の光が空に漂っている。電飾の鈍い明滅。

薄紫色の陰に沈んだ瓦屋根

外はまだ完全には暗みきれておらず、淡く滲んだ 朽葉色の照明が、狭い路地を抜けて、これから食事に向かう人々の明るい表情に反射している。

部屋では、ほとんど文庫本をめくって過ごした。窓の外が夕暮れめいてくると急かされた心地になり、ようやく家を出る。

脚本の文字が読みにくいと思ったら、いつの間にか陽が傾いていた。

外はすっかり夕暮れだった。 　街中の 全てがオレンジに沈んで、ごちゃごちゃして見えた。ゆく雲は蛍光色にふちどられ、西へ向かって幾重にも重なり進んでいた。すごい美しさだった。 　まるで別の星に来てしまったような、珍しく透明で赤い夕焼けだった。

いつの間にか雲が厚みを増し、中庭は夕闇と西日が入り混じって、薄紫色のセロファンに包まれたようだった。

光はまだそこかしこにあふれているのに、一番星と月がひっそりと浮かび、雲が刻々と姿を変えていた。木々の根元には暗闇が忍び込もうとしているが、その気配はまだ弱々しく、夜の訪れまでにはもうしばらく猶予がある。一日のうちで、私たちが一番好きな夕方だった。

テラスいっぱいに当たっていた陽の光が、いつのまにか翳りはじめていた。彼のすぐ後ろに日陰が迫っていた。

ビルの直線と空の接線が、さっきから比べると少しずつぼやけてきている。空は街に触れている部分から陰り始める。

もうすっかり日が暮れているのに気付き、部屋の電気のスイッチを入れた。

ゆっくりと夕暮れが近づいていた。太陽のぬくもりが雲に溶け出していた。

まだ昼間の光の名残が漂っている。

町の六時は明るいけれど、 山間 の集落は森に遮られて太陽の最後の光が届かない。

淡い紫に染まりはじめた空を見上げる。白い月が山の端から出てきたところだった。

（山小屋の）窓の外には、夕焼けに染まる山々が遠くまで連なり、教会の鐘の音でも聞こえてきそうな荘厳な空気が漂っているようだった。

陽がどんどん傾いていく。陽射しの透明さが増していく。金色が木々を照らす。

雨あがりの夕暮れは格別だった。

（夕方、）白い鳩が五六羽 忙しそうに飛び廻っている。そして陽を受けた羽根が桃色にキラキラと光る。

西日を浴びた新宿駅

六時を過ぎると街は 鈍色にびいろ の夜に変っていた。

灰色の影にひたされた廊下

夕暮になるとこの医学部の建物や病院の窓々にはうるんだ灯がともり、港にはいる満艦飾の船のように見えた

北の空はまだ晴れ間があるけれども南は既に夕暮の雲が重なりはじめている。

夕暮の光はさきほどより力を失い、土間の隅には夕影が少しずつ忍びこみはじめた。

奉行所の仕事が終るのはたいてい 黄昏たそがれ 刻どき だった。 蝙蝠こうもり が門と 樹 の間をかすめて、うるんだ紫色の空をかすめていく。

暮れなずむ道端にしゃがみ込んで、何やら遊んでいるらしい喜一と銀子の姿は、やがてとっぷり暮れてしまってからも、 闇 の奥でちらちら動いていた。

いたち川はいつになく 煌きらめいて、一筋の 錦繍きんしゅう に見えた。

ポールの影は、夕陽が沈むにつれて淡く 混沌 と、競技場の芝生の中に 滲んで行きつつあった。

車のほとんどがライトを 点けて走っていた。

外を行き来する人の影が、坂道に異様なほど長く 曳ひかれる夕暮どき

地上は草のあわいまでも紫の影に満ち、 陽 の熱の名残と、土と、水蒸気とから生れる、甘ずっぱい匂いがあたりに漂っていた。

日が暮れ、焚火の火の赤さが増した。

夕暮の気配が部屋の窓や机の上の書物に影をつけ始める

すでに日ざしは光を弱め、向うの角の食料品店の前には、夕刊を買う人の行列がならんでいた。

まだ夕のほのかに薄紅のただようているような空