引きこもり生活・閉じこもり生活の表現・描写・類語

アパートに閉じ込もり、畳から湧いてくる湿気で、自分自身に黴が生えることを望む気分で、生きていた。

「殻に閉じこもるのは良くない」と以前に成瀬が一度言ったことがあるらしいが、すると田中は、「違うんだよ」と怒ったという。「僕が世界を閉じ込めているわけ。僕の部屋の壁が世界を囲んでいるんだよ。閉じ込められているのは、僕以外の全員で、外にいるのは僕だけってわけ」

日かげにおかれたミイラみたいにことりとも音を立てずに部屋にこもっている

家に引きこもって数日間、仕事をしつづけていると、食べることだけが唯一のなぐさめになってしまう。

それは娘の歎（なげ）きの部屋ではあるまいか、しんも根（こん）も尽き果てて人前ばかりでなく自分自身に対しての、張気も装いも投げ捨てて、投げ捨てるものもなくなった底から息を吸い上げて来ようとする、時折の娘の命の休息所なのではあるまいか。