大根の味、おいしさを伝える表現・描写

艶々と瑞々しい大根

大根はしっかりと辛さだけを固守している

関東の大根はそれほどまずくない。ちょっと味に癖があり大根臭さが強く、火のとおりも悪いけど。

おでんの大根は冬の人気者。汁をたっぷり含んだ一切れを口に運ぶとホロリととろけて、ヤケドしてもいいと思う勢いで食べてしまう。

千切りはさっと茹でて卵とじにするもよし、三杯酢で食べるもよし、またご飯に炊き込んでも風味がある

芸のまずいのを大根役者というが、軽井沢の夏大根くらいぴりっと滋味をもつ役者なら、大根と呼ばれてもいいなぁ

溶けそうなほど柔らかい、大根のカニあんかけ

みずみずしく、太く、たくましく、白い陶器のような硬質の肌触りの生の大根と、その隣の、水気を失ってシワシワヘナヘナの、渋茶色の干し大根

私は、あのフロフキ大根を味わってから、日本料理の価値を知るようになった

大根とキャベツを交互に食べると、軽快な室内楽を聴いてるような気分になる

糸のように細く切った大根

肥り肉の女が、よく汗ばんだ襟首を押しはだける癖があるように、大根は身体中の肉がはちきれるほど肥えて来ると、息苦しそうに土のなかに爪立をして、むっちりした肩のあたりを一、二寸ばかり畦土の上へもち上げて来る。そして初冬の冷い空気がひえびえと膚にさわるのを、いかにも気持よさそうに娯しんでいるようだ。

しゃきしゃきとした大根の歯ざわりがなんともさわやかで、レタスとともに胃の中をきれいに洗い流してくれるようだった。