遠くに見える・遠ざかるの表現・描写・類語

（青い）ワゴンはみるみる遠ざかっていく。それはただの青い点となり、やがて町の景色の一部となった。

望遠鏡を逆さに覗いたように、いつの間にか遠くにいる

潮のように遠ざかる

汽車の響きは遠ざかるにつれて、夜風のように聞えた。

深夜の水平線上を左右から匍（は）い迫ってくる二種の艦列を認めた。その一方 は青く、他方は赤く、夜目にも著しく夜光虫のように光っていた

（船は遠ざかり、）とぶ鳥のかげのようにすぎた。

遠い平原のはてに点在する村々が緑のかたまりのように見え

小さく小さくなっていまはもう一つの緑（みどり）いろの貝（かい）ぼたんのように見える森

皆、指を揃へた程に、小さく見えた。

来た方を見ると路（みち）は一すぢずうっと細くついて人も馬ももう丘のかげになって見えませんでした。

遠くに山と山を渡る小さな赤い鉄橋

海岸にひとかたまりになって船を見送る女たちの群れはもう命のない黒い石ころのようにしか見えない。

港を出る時には一かたまりになっていた友船も、今は木の葉のように小さく互い互いからかけ隔たって、心細い弱々しそうな姿を、涯（はて）もなく露領に続く海原（うなばら）のここかしこに漂わせている。

望遠鏡を反対からのぞき込んでいる時のように、いろんなものがずっと遠くに感じられた。

官舎の白い壁も、そのほうに向かって走って行くモーター・ボートも見る見る遠ざかって小さな箱庭のようになった

日差しに吸いこまれていく。その姿がどんどん遠くなっていく。

大幅な両岸は遠く水平線に退いて、照りつける陽の下に林影だけ一抹の金の塗粉のようになって見えた。それが水天一枚の瑠璃色（るりいろ）の面でしばしば断ち切れて、だんだん淡く、蜃気楼（しんきろう）の島のように中空に映り霞（かす）んで行く。

堤が一髪を横たえたように見える。

（闇夜に小袖を引きずる）闇が、咥（くわ）え込むように、小袖はすすすと、丁字（ちょうじ）の葉蔭へ、うごいて行った。

遠くの交叉路（こうさろ）には時どき過ぎる水族館のような電車。

（闇に消える人影）人影が闇のなかへ消えてゆくのを眺めていたのである。その人影は背に負った光をだんだん失いながら消えていった。網膜だけの感じになり、闇のなかの想像になり――ついにはその想像もふっつり断ち切れてしまった。

遠くの、眉程の山裾

もうその黄色いシャツの後ろ姿は街にまぎれていくところだった。 　遠ざかる風船みたいに。

彼女の淡いブルーのカーディガンが勤めがえりの人々の群れの中に吸いこまれるように消えてしまい、もう二度と戻ってこないのを見届けて

遥か彼方に点のようにしてあるだけ

ミュウの姿は少しずつ小さくなり、ひとつのおぼろげな点になり、やがて陽炎の中に吸い込まれていった。それから町が遠ざかり、山のかたちが不確かになり、最後には島そのものが光のもやと絡み合うように、かすんで消えていった。

急行列車のような速度で、彼の傍から遠く彼の手のとどかぬところへ走り去りながら