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眠っている姿の表現・描写・類語

上へかけた布団から湯気が立つほどの汗を掻いて

幸田文 / 流れる　amazon

とよが一人で昼寝をしていたが、その着物の前が乱れ、赤い腰巻の間から膝法師が僅かに覗いている。私は見てはならないものを見たと思い、かなり動揺する。

外村繁 / 澪標　amazon

腹を波のようにうねらせて寝る

襟もとまですっぽり絹蒲団をかぶって、朽ち木のように寝ている

水上勉 / 雁の寺　amazon

子を真ん中にして、親子が川の字に眠る

父親は何もせず、ただ家で横になって寝ていた。そういう時、その男はまるで電源を切られた、うす汚れた何かの装置のように見えた。

村上春樹 / 1Q84 BOOK 2　amazon関連カテ怠ける・だらける・努力しない

机の上に突っ伏して寝ている

関連カテ寝室・布団・ベッド

寝床のなかに、実をとったあとの莢（さや）のように、兵太のからだが長くのびている

和田伝 / 沃土「和田伝全集第2巻」に収録　amazon

閉じた長いまつ毛も、枕に広がる髪も、まるで本物の眠り姫のように清楚で美しく

吉本ばなな / TUGUMI(つぐみ)　amazon関連カテまつ毛髪の雰囲気

肩あたりの上掛けをかき寄せる無邪気な仕草、すでに眠りの世界に入りつつある、ほんのり笑みの浮かぶ愛らしい口元、耳のあたりのくるんと巻いたくせ毛、閉じた瞳をいろどる長く濃いまつ毛。

綿矢りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ眠りに落ちる・寝つく寝顔

あれ程の物凄い、息苦しい声を立てて泣き狂った人間とは、どうしても思えないその眠りようの平和さ、無邪気さ……

夢野久作 / ドグラ・マグラ　青空文庫

眠ってしまった。片手をソファの外へぶらりと垂らしたまま。

綿矢りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録　amazon

およそ人間において何が見苦しいと云って口を開けて寝るほどの不体裁はあるまいと思う。

夏目漱石 / 吾輩は猫である　青空文庫

病人は、干（ほ）し鰈（がれい）のように平たくなって、昏睡（こんすい）していた。

吉川英治 / 治郎吉格子　青空文庫関連カテ痩せすぎた体形患者・病人・けが人

折れた鉛筆のように、女達は皆ゴロゴロ眠っている

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫

海老（えび）のように曲って眠る。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫関連カテ曲がる・しなる・湾曲する

へそを出して眠っている。

又吉直樹「劇場（新潮文庫）」に収録　amazon

（衰弱していく老人の寝姿）あなたが眠る姿は、だんだん胎児の形に似てきています。

小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録　amazon関連カテ老人

（寝落ちして）朝になったらママは疲れ果てたミイラみたいになって寝ていた。

よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録　amazon関連カテ疲れた顔

（布団からのぞいていた色白の足）翌朝の味噌汁に使う浅蜊が桶の中で鳴いていた。貝を少し開いて、あれはどこの部分なのだろう、白い管の先を覗かせているのがあった。茶色の布団からのぞいていたタカの足は、あれに似ていた。

向田邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ足の形・雰囲気色白・肌の白さ

（惨めな寝姿）部屋の隅にあたかも投り出された襤褸ぼろ布きれのように不規則な形をして、妻が搔巻かいまきに包まり、小さくなって転がっていた。

志賀直哉 / 山科の記憶「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ惨め・情けない

サユリは微笑を浮かべて眠っている。

山田詠美「新装版　ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録　amazon

猫のように背を丸めて眠りにつこうとしている

山田詠美「新装版　ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録　amazon

女神は長い睫毛に美しい影を作りながら安らかに眠っている

山田詠美「新装版　ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録　amazon

（赤ん坊は）親指をしゃぶりながらさやさやと軽い寝息をたててまどろんでいる。

阿刀田高 / 来訪者「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ赤ちゃん・赤ん坊

泰子は麻酔にかかった患者みたいに口をなかば開いて、コウ、コウと荒い寝息を立てて眠っている。唇から一筋よだれが漏れて枕を濡らしていた。

阿刀田高 / 裏側「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon

花柄のネグリジェの下に二本の脚が水を搔くように折れて交差している。

阿刀田高 / 裏側「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon

彼は足を投げだして、いぎたなく眠りこけました。

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon

貫井と妻は番つがいの小鳥のように抱き合って眠った。

浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員（ぽっぽや） (集英社文庫)」に収録　amazon関連カテ抱擁・抱き合う・抱きしめる

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