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愛する・愛情の表現・描写・類語
遠ざかれば忘れてしまうに違いない希薄な愛情が、薄ら氷のようにきらきら美しい
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
清らかな小川のように陽の光に美しく輝き、風に吹かれると無数の優しい小波(さざなみ)を立て《…略…》そうしたものをこそ、愛であると思い込んでいたのです。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
愛というものは、太陽のように明るく、輝かしく、神にも人にも、永遠に祝福されるべきもの
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
蝶のようにすべての生命に祝福の接吻を与えながら楽しげに飛び廻る優しい「愛」
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
己の袈裟に対する愛なるものも、実はこの欲望を美しくした、感傷的な心もちに過ぎなかった。
芥川龍之介 / 袈裟と盛遠 青空文庫
魂の記憶に刻まれた遠いあこがれのように愛しい。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
純粋な、その代わり冷えもせず熱しもしない愛情
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
葉子は倉地の中にすっかりとけ込んだ自分を見いだす
有島武郎 / 或る女(後編) 青空文庫
私の愛は君のと少しちがう。 たとえば君が目を閉じた時、まさにその瞬間に宇宙の中心が君に集中する。 すると君の姿は無限に小さくなり、後ろに無限の風景が見えはじめる。君を中心にして、それはものすごい加速でどんどん広がる。私の過去のすべて、私の生まれる前のこと、書いたことのすべて、今まで私が見てきたすべての 眺め、星座、遠くに青い地球の見える暗黒の宇宙空間まで。 すごいすごいと私は内心狂喜し、 そして君が目をあけたとたんにそれはすべて消えてしまう。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
もし私が男でその機能があったら、抱いていただろう。もし私が妊婦だったら、大きなおなかにそっと両手を添えただろう。そういう感情を瞬間、強く抱いた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
僕の子供を産んでほしい、必ず産んでくれるね、懇願され抱きしめられると、それだけで十和子は、下腹に抱え込んだ臓器に暗い血潮が充ちてくるような、すでに何かがそこで育ちはじめているような熱感を覚えた。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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