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夜の表現・描写・類語
雨催いで風の冷ややかな宵
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
無限の厚ぼったい海のような夜の底
加賀 乙彦 / フランドルの冬 amazon
煤を流したような夜の暗さ
芥川 竜之介 / 蜜柑 amazon
モノクロ写真のような通りに、ぽつんと赤いポストだけが浮き上がって見える。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
夜になると光がなくなる。 この街は、驚くほど従順に、夜に飲み込まれていく。街灯も住宅から漏れる光もまばらだ。田舎の夜と違って、動物や植物の強い息遣いがすることもない、清潔な暗闇が、街を覆う。 私たちは白い世界と黒い世界を行ったり来たりしながら毎日を過ごしていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
墨汁の中を泳いでいるような世界
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
街は夜だ。信号待ちのフロントグラスの前をゆきかう人々は、サラリーマンもOLも、若者も年寄りもみんな光って美しく見える。静かに冷たい夜のとばりの中を、セーターやコートに包まれて、みなどこかしらあたたかい所を目指してゆく時刻だ。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
そこだけは星が光っていないので、雲のある所がようやく知れるぐらい思いきって暗い夜だった。
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
町々は、夜になると、ひっそりと暗い闇につつまれてしまう。 古い京の町が、そのまま闇の中に息づいてい、細い道には車も人も通らず、人声も絶えてしまう。 そこに私は、むかしの江戸の町の夜の姿を感じることができる。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
夜はやや更 けて、天地は黒い塀を四壁に立てたように静まり閉す
岡本かの子 / 雛妓 青空文庫
重い気が籠った闇夜 である。
岡本かの子 / 雛妓 青空文庫
昼間の日のほとぼりがまだ斑 らに道に残っている
梶井基次郎 / 冬の蠅 青空文庫
深い溪谷が闇のなかへ沈む
梶井基次郎 / 闇の絵巻 青空文庫
闇 は未来を 覆い隠し、明日の陽の光が信じられないくらい遠かった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
(夜が深まる)空の青が昨日と同じように一刻一刻その深みを増し、大きな円形の月が海の上に昇り、いくつかの星が空に孔を 穿った。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(闇に比べて)いくらか黒さを失った夜があった。 しかし、それとても黒の色調をなにほどか薄くしただけのことで、やはり一様に薄暗い、 黯澹 たる闇が続いていた。ただ一つの光とて見えない。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
彼はしばらく空から降るような冷気の中で立ち止まり、また足を速めた。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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