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「心」の言葉を含む好きの表現・描写・類語
お店に入ってもどの服を買うかすぐに決められなくて、熟考しているうちにお目当てが売り切れてしまうタイプの私だけれど、中学二年生の教室ではたくさんのクラスメイトがいるなかで、イチを見つけたとたん、すらりと好きになり、心のなかで即決で彼を買った。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
本気で私に愛想をつかしてほしい。会社で会って私が話しかけても無関心な瞳で普通に言葉を返すだけになれば、私はつめたい大理石のうえに寝そべり、石の表面に自分の体温がほんのりと移っていくようにニのことを好きになるかもしれない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
淳が機嫌よくしている時は悠木の心は満たされた。だが、ひとたび淳が反抗の気配でも漂わそうものなら、胸に溢れ返る愛情は一瞬にして底知れぬ憎悪へと変化し、どこまでも冷淡に淳に当たった。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
何があったのかな。 あたしの中で好奇心がもぞりと動く。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
グッと私の心臓を引っ掴んで、云い知れぬ好奇心の血を波打たせている
夢野久作 / ドグラ・マグラ
二十歳の久遠は、好奇心旺盛な犬のようだった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
「神様が世界をたったの七日で作れたのは、好奇心のおかげなんだよ」
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
好奇心を持った犬のような顔になる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
心臓は跳ねまくった。肋骨を折りかねない勢いだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
微弱ながら恋の心の動くのを自覚しました。
太宰治 / 人間失格
心を、かゆがらせる。
太宰治 / 人間失格
己の袈裟に対する愛なるものも、実はこの欲望を美しくした、感傷的な心もちに過ぎなかった。
芥川龍之介 / 袈裟と盛遠
遠い昔のような、心もちがする。
芥川龍之介 / 偸盗
久しぶりに人の心に触れた気がした。温かくて、柔らかくて、拒まれなくて。自分の気持ちが、キャンディのようにじわーっと溶けていくのが分かった。
金沢 優「もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか」に収録 amazon
葉子の心臓は思わずはっと処女の血を盛 ったようにときめいた。
有島武郎 / 或る女(前編)
泣けるくらいに心にしみる
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
なつかしさが胸にこみ上げ、その姿形のすべてが心の中にある思い出の像と焦点を合わせる。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
一度生血の味をしめた虎 の子のような渇欲が葉子の心を打ちのめす
有島武郎 / 或る女(前編)
太陽のように捕え得ず、しかも、四時明るく、暖かく、ふれる心を生かす愛
宮本百合子 / 伸子
心が、燃えて、燃えて、我慢できずにそれを命じたのだ。
宮本百合子 / 伸子
夫に対する愛と憎の輾転反側 が伸子の心にまた力を盛りかえした。
宮本百合子 / 伸子
夫人の顔には惨忍な好奇心がうねった。
岡本かの子 / 巴里祭
春の夜のような心のときめきを感じている
梶井基次郎 / のんきな患者
優しい心づかいだと思う。わけもなく、涙がにじんできて
林芙美子 / 新版 放浪記
別にえらいとも思わないけれど、尊敬しなければ悪いのだと思って、感心してみせる。
林芙美子 / 新版 放浪記
私の愛は君のと少しちがう。 たとえば君が目を閉じた時、まさにその瞬間に宇宙の中心が君に集中する。 すると君の姿は無限に小さくなり、後ろに無限の風景が見えはじめる。君を中心にして、それはものすごい加速でどんどん広がる。私の過去のすべて、私の生まれる前のこと、書いたことのすべて、今まで私が見てきたすべての 眺め、星座、遠くに青い地球の見える暗黒の宇宙空間まで。 すごいすごいと私は内心狂喜し、 そして君が目をあけたとたんにそれはすべて消えてしまう。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
象という動物には何かしら僕の心をそそるものがあるんだ。
村上春樹 / 象の消滅「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
彼の目が生き返り始めていた。知っている、家族の顔だった。 人の顔は不思議だな、と思う。 心がここに戻ってきただけで、愛しい輝きを放ちはじめる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
猫を殺すほどの力を持つという好奇心
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
彼女の、もうあまり燃えやすい部分は残っていなかったはずの心の中で、唐突に燃え立ち始め、勢いを増してゆく火だった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
ぼくはすみれに恋をしていた。最初に言葉を交わしたときから強く心を惹かれたし、それはあと戻りできないような気持ちへと少しずつ変っていった。ぼくにとっては長いあいだすみれしか存在しないのも同じだった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
その年寄りは、珍しい 玩具 を与えられた幼児のように好奇心とやさしい笑いをうかべて自分を見ていた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
邦彦は、まち子のことばかり考えた。道頓堀という満艦飾の船を、並んで見つめていた着物姿の女は、いまかぐわしい 匂いを放ちながら、邦彦の心にまといついてきて離れようとしなかった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
北山年夫は、彼女の顔を見る回数が次第に多くなるにつれて、その顔の表情がだんだん自分の心の深みに、はいり込んで来るのを認めた。
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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