舌の表現・描写・類語
(鏡で)自分の舌を眺めるのは久しぶりだった。そこには苔のようなものが厚く生えていた。本物の苔と同じようにそれは淡い緑色を帯びていた。彼は明かりの下でその苔を詳しく点検した。気味の悪い代物だ。そしてそれは舌全面にしっかりと固着し、もうどうやっても落とせそうになかった。このままいけば俺はそのうち苔人間になってしまうかもしれない、と牛河は思った。舌から始まって身体中のあちこちの皮膚に緑色の苔が生えてくるのだ。沼地でこそこそ暮らす亀の甲羅みたいに。そんなことを想像しただけで気持ちが暗くなる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
ふしぎな生き物のようにうごいた真赤な舌
北 杜夫 / 狂詩「北杜夫全集 第1巻 牧神の午後」に収録 amazon
モナカの潰 し餡 のくっ付いている荒れた舌
夢野久作 / あやかしの鼓 青空文庫
舌は真っ赤で、まるで心臓の端っこが覗いてるみたい
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
(食事中に噛んだ舌)舌を引っぱり出して洗面所の鏡に映すと、側面の紫がかった柔らかい粘膜に傷穴が開いている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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