眠りに落ちる・寝つくの表現・描写・類語

がっかりして昏々と眠る

（眠りに落ちる）温かくやわらかい泥の中にずぶずぶと入っていくような感覚

ベッドのうえで眠りにおちる瞬間の抵抗、ものうくこころよい寝返りの刹那に私たちをおそう、あの透明ではげしい拡張感

幼児のように泣きながら眠り込む

まどろみの中へ

布団の中にもぐりこんでしっかりと目を閉じた。やがて夢のない、重い鉛の扉のような眠りがやってきた。

すっと穴に落ちたように眠る

ことことと石段を降りるように寝入って行く

園児のようにたわいもなく眠る

母親に抱かれた子供のように、前後を知らず深い眠りに落ちる

暴力的なまでに深い眠りに包み込まれる

突然眠りがやってきた。舞台の暗転みたいな一瞬の急激な眠りだった。眠りに落ちた瞬間のことを僕はちゃんと覚えている。巨大な灰色猿がハンマーを持ってどこからともなく部屋に入ってきて、僕の頭の後ろを思いきり叩いたのだ。そして僕は気絶するみたいに深い眠りに落ちた。

眠りの扉が開かれる

ベッドに潜り込んだ。眠りはすぐに訪れたし、それは最近にはなく深いものだった。

列車に乗り、席に着くと、待ちかねたように眠りがやってきた。

タマルは今頃、事態を解決するための策を練っているはずだ。彼の思考は高速で回転している。眉をひそめ、ボールペンの頭で机をこつこつと叩いている彼の姿を青豆（人名）は思い浮かべる。やがてその単調な途切れないリズムに導かれるかのように、眠りの柔らかい布が彼女を包んでいく。

闇を見つめて悶々としているうちに、じりじり時間がたっていく。　夜中の一時近くなって、やっと眠気の尻っ尾をつかんだような気がした。それを慎重にたぐり寄せていく。ドブネズミのようなその長い尾を引いていくと、その先に短い夢があった。灰色の淋しい街の風景のような、一瞬の夢。

ベッドに寝かせられると一分ほどで眠りにはいった。エレベーターで際限なく降りていくような落下感があった。

この音楽は、わたしを揺すぶって悔恨のような、不安な、夢の多い浅い眠りにゴトンと陥没させるのです。

心地よく小波立ちながらどこまでも平らかにひろがっていく眠り

寝入るときはそのままねむりの中ヘズブ沼に沈みこむようにひたすら体をゆだねていけばそれでいい

無心に眠っている藍子は、夜の間に却って発育する若根のように、その生気を溢らして、足でしきりに着物の裾を蹴拡げる。

沈みこむように寝入った。

この簡易ベッドは年若い事件記者にとっての止まり木だ。夜討ち朝駆けの合間に羽を休め、しかし、脳は眠ることなく、野心に彩られた短い夢を見る。

眠りがゆっくりとやってきた

絃が完全に眠ってしまったので、寄り添っていた身体をそろそろと離した。絃が眠る瞬間は、呼吸が深くなり身体中から力が抜けて布団に深くしずみ込むのですぐ分かる。絃から眠りという居場所を奪ってはいけないと感じる、神聖な重みだ。

くっついて眠る。別々のことを考えていたとしても、心は落ちつくべき場所に落ちつき、あとは眠りに心地よく引っぱられてゆく。

すぐに寝息を立てはじめた。あどけないほどに滑らかな、眠りの訪れだった。

巻子の姿を思いだしながら、手伝ってあげたらよかったな、と白っぽく霞んでゆく意識の切れ端がひらひらする中で、そんな映像と気持ちを追いながらまた眠ってしまっていた。

四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。

深く眠れた。暗い穴ぼこに落っこちていくような眠りだった。

一人になると体が急に重くなったようだった。僕は二口吸ってから煙草を消し、毛布を首までひっぱりあげて目を閉じた。眠り込むまでにほんの数秒しかかからなかった。

ライナスのように毛布にくるまって眠る。冷蔵庫のぶーんという音が、私を孤独な思考から守った。

とろりとした。体の節々がとろけるようになり、心が暗い遠い居心地よいとこへ引き込まれるようだ。

海に沈んでいくみたいに眠ってしまった。

一年中の疲れが、いっぺんに出て来るようなおもいがして、死んだようにねむりこける。

思考がだんだん脱落していって頭が闇の底の方へ楽々と沈んで行った。

泥のように眠りたい。石鹸のようにとけてなくなってしまって

疲れて、もう眠い。今日一日が終わる。つぎに目ざめると朝日がまぶしくて、また新しい自分が始まる。新しい空気を吸って、見たこともない一日が生まれる。

夜の中に彼女を置き去りにして眠りの中に去ったりする。

寝ているひとは死人のように動かない。

僕はボートの底に身を横たえて目を閉じ、満ち潮が僕をしかるべき場所に運んでいってくれるのを待った。

長いあいだ目をつむっていると、まるで自分が微妙なバランスをとりながら不安定な空間に浮かんでいるような気がした。たぶんそれはやわらかいベッドの上に裸で寝転んでいるせいだろう。それから女のつけたオーデコロンの強い匂いのせいもあるかもしれない。その匂いはまるで微妙な羽虫のように僕の暗闇の中にもぐりこんで、僕の細胞を伸ばしたり縮めたりしていた。

僕は目を閉じたまま黙って肯いた。 　しばらくのあいだあたりには物音ひとつ聞こえなくなった。鳩も ねじまき鳥 もどこかへ消えてしまっていた。風もなく、車の排気音さえ聞こえなかった。そのあいだ僕はずっと電話の女のことを考えていた。 僕は本当にその女のことを知っていたのだろうか？ 　でも僕にはその女を思いだすことができなかった。まるでキリコの絵の中の情景のように、女の影だけが路上を横切って長くのびていた。そしてその実体は僕の意識の領域をはるか遠く離れたところにあった。僕の耳もとでいつまでもベルが鳴りつづけていた。

「今日は疲れたね」と言いあって、ダブルベッドで何もしないでキスだけして、老夫婦のように寄り添って眠った。

まだ意識がぐるぐるかけまわっていたが、肉体のほうからずどん、という感じで眠りが落ちてきた。

しばらくぼんやりと天井を眺めていたが、自分がいつ、眠りに落ちたのかは覚えていなかった。

（物静かな司書）彼女はいつも、カウンターの向こう側にひっそりと坐ってた。繭の中でうとうと眠る蚕みたいだった。目を伏せて、何かをじっと見つめているような姿をしていたんだ。

（山の中で眠りに落ちる）疲れ切ってはいるが、それが不思議な陶酔感となって彼に感ぜられた。彼は自分の精神も肉体も、今、この大きな自然の中に溶け込んで行くのを感じた。その自然というのは 芥子粒けしつぶ 程に小さい彼を無限の大きさで包んでいる気体のような眼に感ぜられないものであるが、その中に溶けて行く、──それに還元される感じが言葉に表現出来ない程の快さであった。何の不安もなく、睡い時、睡りに落ちて行く感じにも多少似ていた。

（抱き抱えた幼児は）ずしりと重くなり、眠ってしまったのが分る。

駱駝らくだ のように壁に 靠もたれて眠りこけました。

体の奥がむずがゆくなってきて、竜夫はまたしばらくまどろんだ。