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ししゅうの表現・描写・類語
金具の本格的な銀色がお気に入りだった。木枠がギシギシと 軋み、もうこれ以上は我慢できないといった様子で布が目一杯張り詰められてゆく、その感触がたまらなかった。《…略…》木枠の軋む音がいよいよ苦しげになってもまだ私はあきらめず、更にもう一回転金具を回せないかと試みた。枠が割れるのと布が破れるのとどちらが先か、ぎりぎりのところまで指先に力を込めた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
それぞれに施された刺繡の手触りが 蘇ってくる。あるものは袖口の内側に遠慮がちに隠れつつ、守護天使のように私を見守り、またあるものは胸元の一番目立つ場所に陣取り、邪悪なものを追い払う護符となっていた。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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