失われた記憶がよみがえるの表現・描写・類語

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失われた記憶がよみがえるの表現・描写・類語
初恋いの憶い出が、白い泡のように、ふつふつと胸によみがえって来るのを覚えた。
林 芙美子 / 女性神髄「林芙美子全集〈第6巻〉女性神髄・女の日記 (1952年)」に収録 amazon
彼の言葉がきっかけになり、わたしの古い記憶もどんどんよみがえってきた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
思い出が、匂いや音ごと甦ってきた。
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
弾かれたように、頭の中に風景が広がった。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
(思い出の本をきっかけに失われた記憶がよみがえる)母は、前の夫と別れてそれが秋ごろで、飲んで泣いて純子さんを困らせて、その後純子さんがうちに 居候 するようになって……。  言葉にするとそういう感じの、でもそれはこんなふうにあらすじでおえるようなものでなく、もっとたくさんの、言葉ではなくてある種の情報の洪水だった。あるデーターを封じていたのに、何かの手違いでまとめて呼び出してしまったような塊が、まとめてどかんと入ってきた。  私は動揺した。なんでこんなきっかけでこんなことになってしまうのだろう?  それらはどんどん流れを作り、筋道にそってあっという間に並べかえられてひとつの物語を作ろうとしていた。その処理は勝手にどんどん行われ、私はただ見ているしかなかった。それが何を創るのか。  私、という物語、自分史、といわれているもののもっと高度で、もっと 完璧 なもの。完成されていて丸くて立体で、私の情の入る 隙間 もないほど厳密なもの。  大きな渦巻き、まわりじゅうの人々や、出来事を海みたいに取り込んで、満ちて引いて私独自の色に染め抜かれた世界に一つしかない、あるいは皆と共通の一つのシルエットを 創る流れのらせんを感じた。  アンドロメダみたいによく知っていて、きれいで遠い姿をしていた。  そして、本から目をあげると。  ありとあらゆるものが、歴史をたたえてそこに存在していた。  さっきまでとは、世界が違ってみえた。  私の記憶の欠けていた所が戻ってきたということなのだろうか。  私は声に出してそう言ってみたけれど、何よりもさっきまでそういうのが思いだせない、混乱していた部分を自分が持っていたというのがもう感覚としてわからなかった。  ただ、何一つ変わっていないように見える部屋のものが、突然ひとつひとつ別のデーターを表現しているように感じられた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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