恋に落ちるの表現・描写・類語
お店に入ってもどの服を買うかすぐに決められなくて、熟考しているうちにお目当てが売り切れてしまうタイプの私だけれど、中学二年生の教室ではたくさんのクラスメイトがいるなかで、イチを見つけたとたん、すらりと好きになり、心のなかで即決で彼を買った。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
寝ても起きても夢の中にあるように見えた。
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
女の本能が生まれて始めて芽をふき始めた。
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
恋に落ちると、毎日出かける
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
彼が触れてくれた時、ことん、って鍵がはずれるような感じがしたわ。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
ぼくはすみれに恋をしていた。最初に言葉を交わしたときから強く心を惹かれたし、それはあと戻りできないような気持ちへと少しずつ変っていった。ぼくにとっては長いあいだすみれしか存在しないのも同じだった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(平原の竜巻のように)恋に落ちるというのはあくまで理不尽なものだよ。それはなにもないところから突然やってきて、君をとらえてしまうかもしれない。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
わたしはやはりこの人に恋をしているのだ《…略…》そしてこの恋はわたしをどこかに運び去ろうとしている。しかしその強い流れから身を引くことはもはやできそうにない。わたしには選択肢というものがひと切れも与えられていないからだ。わたしが運ばれていくところは、これまで一度も目にしたこともないような特別な世界であるかもしれない。それはあるいは危険な場所かもしれない。そこに潜んでいるものたちがわたしを深く、致命的に傷つけることになるかもしれない。わたしは今手にしているすべてのものをなくしてしまうかもしれない。でもわたしにはもうあと戻りすることはできない。目の前にある流れのままに身をまかせるしかない。たとえわたしという人間がそこで炎に焼き尽くされ、失われてしまうとしても。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
重竜に対して抱いていた 朦朧 とした気持は、その瞬間、恋情というはっきりした形となって千代の中で固まっていった
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
邦彦は、まち子のことばかり考えた。道頓堀という満艦飾の船を、並んで見つめていた着物姿の女は、いまかぐわしい 匂いを放ちながら、邦彦の心にまといついてきて離れようとしなかった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
彼女の顔に面と向ったとき、日没前の風景の中で、くっきり浮かび出た山頂の線や地平線のきらめきが、一瞬光度をたかめ静けさにみちた空気の中に消えんとする最後の異常に強い光を放つときのような、美のエネルギーが彼女の顔から彼の方をめがけて、放出されるのを感ずるのであった。
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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