その音調はトテも人間の肉声とは思えないほど嗄 れてしまって
夢野久作 / ドグラ・マグラ ページ位置:1% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
濁り、渇き声
掠れ声
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......カッと見開いて、寝台の向側の混凝土 壁を凝視した。 その混凝土壁の向側から、奇妙な声が聞えて来たからであった。 ……それは確かに若い女の声と思われた。けれども、その音調はトテも人間の肉声とは思えないほど嗄 れてしまって、ただ、底悲しい、痛々しい響 ばかりが、混凝土の壁を透して来るのであった。 「……お兄さま。お兄さま。お兄さまお兄さまお兄さまお兄さまお兄さま。……モウ一度……今......
単語の意味
嗄れる(しゃがれる・しわがれる・かれる)
肉声(にくせい)
嗄れる・・・かすれる。声に潤いがなくカサカサしている。
肉声・・・マイクなどを通さない、直接、人の口から出た生の声。人工的に作り出された音声に対し、人間が出す声。「肉」は、精神に対して、肉体を意味する字。
ここに意味を表示
濁った、渇いた声の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
掠れた声の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
低い、嗄(しわが)れた声が、銹(さ)びたゼンマイのほどけて行くような感じで、ゆっくりと繰り返しました。
なだ いなだ / 童話ごっこ amazon
声がひゅうひゅうと隙間風のようにかすれる
本庄 陸男 / 石狩川 amazon
このカテゴリを全部見る
「声・口調」カテゴリからランダム5
話すに連れて、老婦人の顔が特殊な赤銅色の輝きを帯びていくのを青豆は目にした。それに連れていつもの温厚で上品な印象は薄れ、どこかに消えていった。そこには単なる怒りや嫌悪感を超えた何かがうかがえた。それはおそらく精神のいちばん深いところにある、硬く小さく、そして名前を持たない核のようなものだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
ぽつりと言った。それは誰かに確認すると言うよりも、思わず頭に浮かんだ単語を口にした、という様子だった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
声・口調 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ
感覚表現 大カテゴリ
人物表現 大カテゴリ