髯（ひげ）はどうだと見るとこれはまた驚ろくべく、ぴん然とおっ立っている。持主が怒（おこ）っているのに髯だけ落ちついていてはすまないとでも心得たものか、一本一本に癇癪（かんしゃく）を起して、勝手次第の方角へ猛烈なる勢をもって突進している。

髪は長く、雪のように真白だった。

髭は白というより、むしろ黄色

だいぶ白がちになってきた長いひげ

白髪で、鼻の下にも白い 髭 を蓄えていた。ダンディーという言葉がぴったりする老人だった。

八の字の尾に逆（さ）か立（だ）ちを命じたような髯

里い山高帽、チョビ髭－まるでチャップリンが出世をしたような男である。

ぼーぼーの頭髪にごりごりの髭

純白の髯（ひげ）が動いて天使の羽のように見えた

（ひげをそる音）顋のあたりに利刃がひらめく時分にはごりごり、ごりごりと霜柱を踏みつけるような怪しい声が出た。