眼鏡を取ると、その目は月から拾ってきた石のように冷ややかに見えた。眼鏡をかけなおすと、冷たさは後退して、力のあるよどみのようなものがあとを埋めた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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冷たい眼差し
眼鏡をかけた目
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前後の文章を含んだ引用
......吸殻でいっぱいになっていた。ぼくが部屋に入ると、彼は黒縁の眼鏡をはずし、布で拭き、またかけた。それは新しい人間に会うときの、彼の習慣的な行為であるように見えた。眼鏡を取ると、その目は月から拾ってきた石のように冷ややかに見えた。眼鏡をかけなおすと、冷たさは後退して、力のあるよどみのようなものがあとを埋めた。どちらにしてもそれは、人を和ませることを目的にした視線ではなかった。 部屋は暑く、窓は開け放たれていたが、風はまったく入ってこなかった。通りの騒音が入ってくるだ......
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夜叉権という名を欺 かない、無情な眼を角ばらして振り向いた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
永久に成功しない事でも祈るような冷酷な眼
芥川龍之介 / 蜜柑
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