柿村はしばし黙りこんだ。わたしは辛抱強く次の言葉を待った。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......に恋してるとか、愛してるとか、そういうことが俺を興奮させてくれることは、まずないんだ。だからつまらない。退屈なだけさ」「じゃあ、柿村さんが興奮するものは何?」 柿村はしばし黙りこんだ。わたしは辛抱強く次の言葉を待った。「戦うことだな」と彼はおもむろに言った。「何かと戦って、自由を手に入れて、人生を生きのびること。俺はそういうことに興奮する」「意味がよくわからないわ」 彼は再び......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼が黙ってしまうと、静けさが二人の間に舞い降りてきた。わたしは窓ガラスのしずくを、一粒一粒数えていった。それは次から次へと休みなくこぼれ落ちてきた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
黙って眺めていると、水島が重ねてきいてくる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
医師は、無口だった。が気まずい感じではなかったので、わたしも無理に話題を探そうとしなかった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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葉子の舌は自分でも思い設けなかった情熱を帯びて震えながら動いていた。
有島武郎 / 或る女
(「ああ、痛い」という声が)からだのありかとほとんどかかわりなく、闇の中にひろがりきって、闇そのものの呻きのようにふくらんでは引く。
古井 由吉 / 水「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
懐からとり出した紙きれを、目の高さにひろげて持ち、卒業式の答辞を読む時のようにまじめくさった調子で読み出した。
石坂 洋次郎 / 石中先生行状記 amazon
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