男は息のかぎりに叫び声を響かせ、肺が空っぽになっても尚嗚咽のようなものを漏らし続け、髪を振り乱し、身悶えした。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:50% 作品を確認(amazon)
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叫び声(叫ぶ)・わめく
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前後の文章を含んだ引用
......らしい勢いでベースの間を抜け、芝生の上を滑ってゆき、追い掛ける外野手たちは最早小さな黒い影にしか過ぎず、亀山の打ったボールだけがカクテル光線の祝福を浴びていた。男は息のかぎりに叫び声を響かせ、肺が空っぽになっても尚嗚咽のようなものを漏らし続け、髪を振り乱し、身悶えした。とっくに次のパチョレックが打席に入っているのに、男の恍惚は長く尾を引いた。彼に比べれば、博士の応援の方がずっとまともだった。 博士は自分が収集した野球カードの選......
単語の意味
身悶える(みもだえる)
嗚咽(おえつ)
叫ぶ・号ぶ(さけぶ)
身悶える・・・体をよじったりねじったりして動かす。もがき苦しむ。
嗚咽・・・声を詰まらせながら泣く事。むせび泣きのこと。
叫ぶ・号ぶ・・・1.何かを訴えるために、大きな声を出す。大声を発する。大声で言う。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
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口角に泡 をためて、こう叫んだ。
芥川龍之介 / 偸盗
叫ぶ声がか細い糸になって朝の空気の中に伝わってくる
黒井 千次 / 春の道標 amazon
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むっつり黙りこんだ。
宮本百合子 / 伸子
ふしぎなほどに皮肉な響きのしない、親身とさえ感じられるような穏やかな口調
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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