大反対を唱える。

後姿に、口笛や罵声が少しばかり浴せられたが、それは燃えくすぶりのチョロリ火のように迫力を欠いたものだった。

ぞんざいな口調の野次が飛ぶ。

ブーイングが百万のイナゴの大群の羽ばたきのように轟く

人々が悲鳴に近い抗議をあげる

「今日はプール行かないの？」 　といきなり痛いところをついてきた。 　偶然ではない、こんなことばかりだった。目を読むのだ。私と話したいという気持ちよりも、好意よりも何よりも先に彼は今、自己を防衛する。瞬時にあらゆるデーターを解析して、私に分析される恐怖を回避する。

「ねえ、もしよかったら一緒に食事しないか？」 　彼女は伝票から目を離さずに首を振った。 「一人で食事するのが好きなの。」

彼は向かい合って質問をしてくるだけだったが、詰問するような迫力はあった。

あることないこと悪口を言う

おれが組と組の間にはいって行くと、天麩羅だの、団子だの、という声が絶えずする。しかも大ぜいだから、だれが言うのだかわからない。よしわかってもおれのことを天麩羅と言ったんじゃありません、団子と申したのじゃありません、それは先生が神経衰弱だから、ひがんで、そう聞くんだぐらい言うにきまってる。